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仕事が少なすぎて辛い。「退屈症候群」になった男性、雇用主を訴え続け4年後勝訴(フランス)

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仕事が退屈すぎて会社を訴えた男性 /iStock
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 仕事に激しく打ち込むばかりに、心も体も燃え尽きてしまう「燃え尽き症候群」は今やよく聞く言葉だが、その逆の仕事が退屈過ぎて陥る「退屈症候群」も、心身の健康面に大きな影響を及ぼす。

 フランスのある企業に勤めていた男性が、与えられる仕事が激減したことで「退屈症候群」に陥ったとして、企業相手に訴訟を起こしていたが、4年後ついに裁判で勝訴した。『Oddity Central』などが伝えている。

マネジャーだった男性、仕事が減り社長の使い走りに

 フレデリック・デナールさん(48歳)は、2006年12月に香水関連会社『アンテルパルファム(Interparfums)に入社し、マネジャーとして献身的に仕事に従事してきた。

 しかし、2009年頃から会社側が従業員を解雇するなど次第に状況が悪化し始め、デナールさんの仕事は激減した。

 2010年~2014年の4年間は、デナールさんは仕事と呼べる仕事を与えられることもなく、出社しても社長の新タブレットのセットアップをしたり、上司の家に出向いて配管工事をしたりするなど、1日20分~40分程度で終わってしまう使い走りや雑用程度の用事を言いつけられるだけで、退屈極まりない日々を過ごすようになった。

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whoismargot/pixabay

 職場での刺激の完全な欠如は、次第にデナールさんの心身に悪影響を及ぼし、うつ病を発生するようになり、車を運転中にてんかん発作を起こす事態に至った。

 交通事故を起こしたデナールさんは、数日間意識不明の状態となり、精神的に蝕まれ、7か月間会社を病欠せざるを得なくなってしまった。

会社側、病欠を口実にデナールさんを解雇

 2014年9月、会社側は病気休暇を取っていたデナールさんを解雇。デナールさんは、2016年5月に、労働審判所に企業側へ損害賠償として36万ユーロ(約4400万円)の支払いを求め、元上司を提訴した。

 当時、地元メディアでデナールさんはこのように話していた。

4年間、まともな仕事をさせてもらえず地獄のようでした。全てに対するエネルギーが消耗し、何もせずに給料をもらうことに罪悪と恥を感じるようになりました。社内で、私は見えない存在になってしまったかのように感じました。

Frederic DESNARD – Maitre Victor BILLEBAULT (Avocat) – interparfums

4年の裁判の後、ついに勝訴

 当時、デナールさんの弁護側も退屈症候群を強く主張していたが、当時このような訴えは法律専門家の間で「ジョーク」と考えられていた。というのも、デナールさんが裁判を起こした当初、「退屈症候群」という言葉はフランスの法律で認められていなかったからだ。

 そのため、2015年12月に裁判所は企業側にデナールさんが求めた損害賠償金額の10%強の支払いをするよう提示。しかし、デナールさんは納得せず再び訴えた。

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mbraun0223/pixabay

 訴訟は4年間にわたって続けられたが、先週ついにパリの控訴裁判所はデナールさんの勝訴を明らかにした。退屈症候群を一種のモラルハラスメントと裁定したのである。

 これで、デナールさんは最初の要求通り36万ユーロ(約4400万円)の損害賠償金を得ることができた。

 なお労働法の専門家によると、フランスの高等裁判所は従業員が企業側にモラルハラスメントで意図的に解雇された250件近くの事例があるという。

 今回、デナールさんの「退屈症候群」に対する訴えが最終的に認められたことで、今後その判例が裁判に活かされることになるのは間違いないようだ。

written by Scarlet / edited by parumo

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この記事へのコメント 34件

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  1. すごく分かります。
    何の為に雇われてるのかわからなくなってくるんですよね。

    • +13
  2. 訴訟まではしないけれど気持ちは分かる。職場には行かないといけない、でも仕事はない、収入を途絶えさせたくないからおいそれとは辞められない状況は本当に辛い。自分がそうなってみて初めて分かった。

    • +13
    1. >>2
      普通は転職するよ
      無能だから解雇したいけど出来ない
      なら居場所をなくすしかないのにしがみつく
      こう言うやつがいて解雇できないから
      企業は業績回復が困難なんだよね

      • -12
      1. >>11
        労働者の雇用は社会全体で見ればプラスだから何も間違ってない。
        経済というのは一つの有能より、100つの無能がいた方が何倍も有益

        • +2
  3. 俺の実体験。バイトなのに、一人だけの勤務場所に移動。毎日、誰とも話す事もせずに一日八時間、単純労働。病気で高熱が出た時も交代要員がいないという理由で出勤。バックヤードで寝こ転びながら急用が来た時だけ接客。(多分、自分の姿を見た人間はサボっていると勘違いした事間違いなし)
    延々と誰もいない職場で一年半いただけど、最後は現場が無くなって解雇。その時には鬱病になっていた。

    • +12
    1. >>3
      適所適材もあるよね。そういう職場が理想な人間もいる。私も発達障害系だけど、何回もそういう環境は無いか?知らないか?と聞かれている。発達障害は全く仕事にならない人間ばかりじゃない。そういう環境で天才的にこなし称賛を受ける人達もいるから。
      ……3さんには合わなくてご愁傷様としか言いようがない。

      • +8
  4. 日本に限らずだけど、利権で私服を肥やして何もしないでも金を貰って何も感じない奴も居れば、仕事量が少ないと言って文句言うやつもいるのか価値観の違いだろうけど興味深いね。

    • -7
    1. >>4
      会社は解雇したいだけ
      おそらく本人もわかってる
      だから病欠したら解雇したでしょ?

      • +10
  5. 暇になったら屋上でボーと星を見たり、他部門の製品を見たり
    他の機械に手伝いに逝ったり、それすらなかったら俺以外に
    知らん空き部屋を休み場所に変えて、みんな忙しいのに俺は
    楽でいいなとかアホなことばかり考え退屈する暇なかった

    • +3
  6. いわゆる追い出し部屋行きだったんじゃねーの?(´・ω・`)

    • +7
  7. 要は閑職への左遷てことでしょ
    日本にも窓際族という言葉が70年代からあった

    • +7
  8. いわゆるシュレッダー係みたいなものだったのかな?
    会社側から解雇はしたくないけど、自主的にやめさせようとするアレ

    • +9
  9. よくある根っこが真面目すぎて起きるタイプの症状だな

    • +5
    1. >>9
      真面目な無能って、ほんと扱いに困るよな

      • -10
  10. こういう仕事だとフッと首切られた時に再就職しにくいからね、そういう面でも焦るよね
    前職での経験が使いっ走りだと困る

    • +6
  11. これでヒマな時間Youtube見たりとかできたらいいけどそうもいかないわけで
    何もない状態でただ「居る」のって無理なんだよ

    • +9
  12. 退屈症候群と呼ぶのは適切ではない。

    この事例の場合、職務遂行能力はあるのにもかかわらず、自主退職させる目的で閑職に追いやり、心身症を発症させたと思われる。自主性のなさに起因するような「退屈」という表現とは相容れない。

    本人の「地獄のようだった」という心情の吐露が本当なら、その会社で働く意志があるのに、追い出そうと仕向けた経営者は責任を問われても仕方ない。

    • +21
  13. クビは残酷に聞こえるけど本人のためにも
    なることだから理路整然と理由をそろえたうえで
    スムーズに行えるように法改正したほうがいい。
    貴方の能力はこの職場には向いてませんというだけ。
    一回雇ったら役立たずに一生寄生されるシステムは
    雇い主にリスク高すぎる。使えないから出て行ってほしいのに
    追い出すために包むお金で赤字になるリスクって頭おかしい。

    • -8
    1. ※19
      「役立たず」と認めるに足る客観的な理由や、就業規則に著しく反する行為がない限り、使用者側から一方的に解雇することはできない。

      これは相対的に弱い立場にある労働者を保護する意味がある。その会社に見合った能力を持ち合わせているかは採用時に使用者側が判断するもの。

      従って雇用した以上、適切な部署に配置することや教育を施して、その能力を引き出すべく務める義務がある。当然ながら労働者はそれに対して誠実に職務を履行することは言うまでもない。

      • +9
      1. ※29
        だが首切りは雇用側の権利として認められてる
        1月分の金払って追い出せばいい
        訴えてくるやつはまずいないからね

        • -12
        1. ※31
          ただし「やむを得ない事由」があり、労働者の合意が必要。そうでない場合は権利の行使の濫用にあたる。

          • +8
        2. >>31
          業績不振が続いていてなおかつあらゆる手段で更生を何年にもわたり試みたが不可能だったって証拠付きじゃないと解雇しても裁判申し立てられたら会社側が負ける
          著しいコンプライアンス違反や会社に不利益になる行為だったとしても犯罪じゃなきゃ会社側が管理監督しろって言われるケースが凄く多い

          それこそリーマンショックの時大企業が社員リストラせずに(派遣は全部雇いどめ)経済危機を乗り越えようとしてるんだから中小だって企業努力でリストラせずに乗り越えられると言って解雇差し止め請求出して会社が潰れたってケースが各方面のニュースで取り上げられるぐらいあったんだよ

          • +1
          1. ※33
            だから零細ラックを訴える奴はいないんだよ
            そんなことしてる暇に転職先探した方が早いから。
            世の中理窟通りじゃない

            • 評価
  14. 「CIAに就職したけれど暇だったんで、たまたま見つけた偵察衛星の
     極秘マニュアルを、キューバにあるソ連大使館に売りに行きました」
    実際にあった話。

    • 評価
  15. 仕事は、言いつけられるのを待ってるもんやなくて自分で見つけるもんやで、

    とよく言われるけど、デナールさんの上司は余計なことすんなとか圧力かけるタイプだったのかな?

    次の仕事はやりがいのあるものになるといいね

    • 評価
  16. これは嫌がらせだよな
    要するにモラハラ
    4年前にはモラハラという言葉はなかったかもしれんが

    • +9
  17. 解雇したくてもできないから追い出しにかかってたケースだよね
    簡単に解雇できないって仕組みも問題あるよ
    日本もリーマンショックの時に業績不振で解雇しようとしたら訴えられて解雇できなくなり会社ごと潰れたって悲惨なケースもあったし
    互いに自己の利益最優先だからどれだけ調整しても軋轢がどこかで生じる

    • +6
  18. まったく理解できん
    俺だったら泣いて喜ぶわ
    ほとんど何もしないで金が入るなんて夢じゃないか
    この世に不器用な人間が多すぎてビビる

    • 評価
    1. ※26
      在宅勤務なら万々歳なんだけどねw

      前にいた会社で性格も頭も激悪なラグビー課長(ラグビーだけやって役職がついたおっさん、頭は池沼スレスレ)がいたんだけど
      この人は派遣2人分の仕事を片方に全部振って片方が忙しすぎててんてこ舞い
      片方は仕事がなくて居心地最悪な状態に陥らせ、もだえ苦しむ二人の若い女を見て
      ニタニタしてるキモイ爺だった
      それから俺はラグビーが大嫌いになった

      • +6
    2. ※26
      私はその不器用人間です。

      (あなたがとても器用で、仕事を振られない時間を利用して副業に勤しむようなアクティブな方なら読まないで下さい)

      労働は社会になにがしかのモノやサービスを提供する対価として、報酬を得る行為です。それを提供せず報酬のみ得るような行為は、本人に見える見えないに関わらず、どこかでその埋め合わせが必ず発生します。

      端的にいえば損害といえるものを誰かが被ることを知りながら、夢のようだと能天気に構えることは私にはできません。良心が許さない。デナールさんがなぜ心の病気まで引き起こしたか。その呵責に耐えられなかったからでしょう。

      私は労働に生きがいを感じるような古いタイプの人間です。あなたとは価値観が180度違うかもしれませんね。

      • +5
  19. 確かにこれは既存の病気で説明できる病理なのかもしれない。
    でも、具体例として退屈症候群と命名することで色々と便利でしょ?仕事が少なすぎてもダメならぜひ働いてほしいはず。社長も仕事減らしたのは自分だから給料下げるのが気が引けてたのかもよ?社長が退屈症候群といものがあると知っていたら事前に工夫できたはず。
    あえて命名する意義は十分あると思うよ。
    仕事をあまり与えなくとも給料は与えていた。にもかかわらず、そのせいで体調を崩させるハメになり、訴訟まで起こされるなんて事例を知ってたら社長だってあんなことしないよ。

    • 評価
  20. 俺だったらトイレでゲームでもして悠々自適に過ごすのになぁ、何やっても金貰えるなんて有難い限り

    • 評価

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