
強酸性の赤い川 リオ・ティント/iStock
地球上に存在する海や湖、川などの水辺は、人を惹きつける魅力を持っている。どこまでも美しく輝く青い色や、穏やかな水面などを見ると、思わずその水に入りたくなってしまうものだ。だが、自然界に存在する水域全てが、穏やかで安全な場所ばかりとは限らない。ここでは世界8か所の危険な水域を見ていこう。
1. リオ・ティント川(スペイン)
Rio Tinto - Beautiful Red River in Spain
そもそも、この川の水が毒々しい赤い色をしていることに疑問を抱くかもしれない。スペイン、アンダルシア地方のシエラモレナ山脈を起源とする、このリオ・ティント川は、pH1.7〜2.5という強酸性。さらに、金、銀、銅のような重金属も豊富で、古代文明の時代からの歴史を通して人気の川だった。だが5000年にわたる採掘による鉱害のせいで、川には鉄酸化細菌や硫黄酸化細菌などの無機栄養生物が繁殖して、非常に厳しい環境になってしまっている。
2. ボイリング湖(ドミニカ)

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ドミニカのモルヌ・トロワ・ピトン国立公園にあるこの湖は、世界で2番目に大きな温泉である。温泉とはいえ、ゆっくりと湯あみを楽しむどころではなく、その水温はなんと湖畔付近でも82℃〜92℃もある。ずっと沸騰し続けているため、中心部へはとても近づけず、温度測定は不可能だそうだ。
3. キブ湖(アフリカ)

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ルワンダとコンゴにまたがる湖で、湖の中ほどが国境になっている。谷の切れ目にあって、地殻変動でゆっくりと引き裂かれようとしているため、周辺は頻繁に火山活動の影響を受けている。水深は485メートル。この湖が恐ろしいのは、湖底から250立方キロメートル以上の二酸化炭素と65立方キロメートルのメタンガスが発生していることだ。今のところ、水圧のほうがガス圧よりも2倍高いため、爆発のリスクは低いので、すぐさま死の危険性はないとは言うが....
4. シタルム川(インドネシア)
The World's Dirtiest River | Unreported World
シタルム川が極めて有害なのは、残念ながら人間が捨てるゴミのせいだ。微生物が分解できない廃棄物や有害な化学物質が充満していて、世界一汚染された川として知られている。川岸には、200以上の織物工場が建ち並び、染料や、砒素や水銀などの化学物質が川に廃棄されている。それに加えて、川岸の何百万という住人たちが、川を巨大なゴミ捨て場として利用している。当然のことながら、この川から水を飲もうとする者など誰もいない。
5. カラシャイ川(ロシア)

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ロシア東部、ウラル山脈の南にあるカラシャイ川は、世界でもっとも汚染された場所のひとつとされている。水も周辺地域も放射線で汚染されているのだ。汚染の原因は、ロシアで有名な核兵器工場のひとつマヤークだ。チェルノブイリの事故で発生した放射線も湖の汚染にさらに拍車をかけたという。
6. ポトマック川(アメリカ)

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ポトマック川の上流には、ワシントンDCコロンビア地区キーブリッジから、北のグレート・フォールズまで延びるおよそ22キロの峡谷がある。ここは、カヤックやボート、釣りやハイキングなどアウトドア愛好家に人気の場所だが、この川には命の危険が潜んでいる。
ポトマック川の急流は、もっとも穏やかに見える場所でさえ、水中で渦を巻くような流れを生み出す。それが泳ぐ者をたちまちとらえ、足を滑らせて水の中に落ちた者を飲み込んでしまうという。
7. ブルーラグーン(イギリス、ダービーシア州)
Blue Lagoon of Buxton | 100 Wonders | Atlas Obscura
ハープール・ヒルにある使われなくなった採石場(ファー・ハイ・クエリー)に水がたまり、その色からブルーラグーンと呼ばれるようになった。ここは危険と警告する標識があるにもかかわらず、地元の人たちの間で人気の水泳スポットになっている。そもそも、水は強アルカリ性で、pH11.3のアンモニアと同様の毒性があるため、皮膚や胃に真菌性感染症をひき起こすことがある。また、ここには車の部品や動物の死骸、排泄物などのゴミが捨てられることもある。
また、インスタ映えスポットとしても人気を集めていたが、コロナウイルスにより全土に外出禁止令が出された後にも訪れる観光客が後を絶たなかったため、警察が染料を流して青い水を黒く染める措置に踏み切ったそうだ。
8. ヤコブの井戸(アメリカ、テキサス州)
The Story of Jacob's Well Natural Area
世界でもっとも危険なダイビングスポットとされている。9メートル潜ると最初の水中洞窟があり、さらに潜ると2番目の洞窟がある。ここまで入り口からは深さ24メートル地点になるが、内部はさらに複雑に入り組んでいるようだ。ここが危険なのは、出口だと思って入り込んでしまった水路に囚われて浮上できなくなってしまうことだ。第3、第4の洞窟があり、より深みを求めて潜って来るダイバーを待ち受けている。トータルの深さは40メートルと言われている。
References:8 Bodies of Water That Will Kill You/ written by konohazuku / edited by parumo
追記:2020年4月の記事を再送してお届けします。
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コメント
1. 匿名処理班
冬のお風呂場のほうがよっぽど危険なんですけどね
2. 匿名処理班
最後の洞窟は行きたくなる気持ちが分かる
3. 匿名処理班
混浴の温泉もかなり危険だと思う
4.
5. 匿名処理班
3. キブ湖の説明読んで思い出したけど、カメルーンのニオス湖じゃ実際に湖水爆発で発生した二酸化炭素で近くの村が壊滅する事態が発生したんだっけな。
・・・ニオス湖も追加で
6. 匿名処理班
中国の7色の川🏳️🌈
「えっ!…俺は!?俺呼ばれて無ーけど?」
7. みあきち
3. キブ湖(アフリカ)は、
地中海のサルディニア島からほぼ真南にざっと2000KMに位置する、アフリカのニオスの悲劇を連想するな。
大気中への放出されることになるが、プラスチックのパイプを湖底に下し、爆発しない気圧にまでさせてるという記事があったが、キプ湖の大きさは比較にならん程の広大さは、
迂闊に扱うとそれだけで爆発する、祟り神にすら思えてくる湖だ…。
8. 匿名処理班
ニオス湖も十分危険な場所だと思う。
実際1986年に湖水爆発を起こして一晩で1800人ほど亡くなっている。
9.
10. 匿名処理班
ロシアだとチャガン湖のほうがヤバかったはず
11. 匿名処理班
水辺なんてどこも危険だろうとおもったら6以外はそういうレベルではなかった
12. 匿名処理班
※3
理性にとっても欲望にとっても危険極まりない場所だな
13. 匿名処理班
ポトマック川のランク入りはなんか無理やりクサイ
14. 匿名処理班
ポトマック川はFallout3で出てきたな
重度汚染されていて入ると死ぬと言われてる(実際死ぬ)が
ここを浄化するのが物語の目的
15. 匿名処理班
※3
大抵は目が死ぬ
16. 匿名処理班
※3
年ごろの女子だな (もっこり)
17. 匿名処理班
中国の川や湖、海なんか出したら総なめしそう。
18. 匿名処理班
※17
取り上げられていませんが、利根川水系の吾妻川のうち、草津温泉や万座温泉を水源とする支流は強酸性ですので、このリストに載ってもおかしくないくらいですよ
19. 匿名処理班
ポトマック川だけなんかえらくマイルドだな……
20. 匿名処理班
ボイリング湖の名は体を表してる感ww
21. 匿名処理班
沖縄の那覇の川も人食いサメの仲間のオオメジロザメが泳いでいるから危険だよ。
22. 匿名処理班
ナトロン湖が無いのが意外だった
23. 匿名処理班
シタルム川 インドネシア
酷い川、この状態を何も思わないって国民の人格を疑うわ
24. 匿名処理班
ph11.3って、苛性ソーダ並みのph?
目、喉は確実にただれ、皮膚も溶けるな。
25. 匿名処理班
登別温泉にある大湯沼という周囲1km、深さ20mの湖も130℃の温泉が湧いていて、表面でも50℃ある。
26. 匿名処理班
>>21 ハ〇〇〇探偵団で見た。
にぎやかな都市部の川で、オドロイタよ!
27. 匿名処理班
>>25 昔は底に堆積する「硫黄」を採取してたそうだが、
作業を想像するとコワイ。
28. 匿名処理班
>>23
ファストファッションの弊害だよ
先進国が安価な衣類を消費するために、後進国の労働力は安く買い叩かれて環境にまで配慮する余裕がない
ユ○クロやG○をはじめ日本はそういうファストファッションの大口顧客の一つ、他人事じゃない