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ここ数日というもの、アイリーン・ウォンさんは、スーパーへ買い物に行ったら何も売っていないという夢にうなされて目が覚めているという。彼女はアメリカ、ペンシルベニア州で働く泌尿器科医で、対岸の火事と思っていたウイルスが、米国内で急激に広がっていることを不安に思っているとこぼす。
「遠くから津波が迫っているのに、自分も家族も守れないという不安や暗い予感があります。感染者数のグラフを見るのは本当に恐ろしいのですが、こうした心配を口にしても、自分の声は誰にも届かないという気持ちになります。」
ウォンさんは集中治療室の手順について復習しているという。彼女が担当する手術のほとんどは緊急性がないので予定が変更され、今後はコロナウイルス感染症に関連する手術の急増が見込まれるからだ。
また、経済的なストレスも感じているという。彼女の収入は5割から7割程度ダウンしてしまったそうだ。
医療関係者のメンタルヘルス悪化が顕著
元々、医療関係者のうつ病罹患率は一般のおよそ3倍と異常に高い。しかし、新型コロナウイルス(COVID-19)の治療で強いられる難しい決断の数々が、多くの医師や看護師たちのメタルヘルスをいっそう悪化させるだろうと推測されている。『JAMA Network Open』(3月23日)に掲載された研究は、COVID-19感染患者の治療にあたる中国の医療関係者のメンタルヘルス悪化を報告している。
1257名を対象とした本調査では、およそ半数でうつの兆候が見られ、ほかにも不安(45%)、不眠(34%)、精神的苦痛(72%)を経験していることが判明した。
感染症の震源地となった武漢では、全カテゴリーでもっとも重い症状が報告された。また看護師と女性も症状が重い傾向にあった。これは、こうした人たちが感染患者と頻繁に濃厚接触をしており、感染リスクが高いためだろうとのことだ。
メンタルヘルス悪化の理由としては、お手上げ感、自分の健康への不安、医療品の不足、ウイルスの蔓延、家族などの健康、仕事の変化、孤立といったことが挙げられている。
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医療倫理が崩壊した現場
いくつもの酷い症状を目にし、大きなプレッシャーにさらされる医療の現場は、ただでさえ大変な仕事だ。それなのに、COVID-19感染症の治療にあたる関係者は、長時間労働を強いられ、しかも適切な保護装備の不足にも直面している。彼らが大きなストレスを抱えるようになるのも無理はない。
「最初から『これはマズい。こんな状況で治療をするなんて無理だ』と話す医師たちがいました。これは医師が重んじる倫理や道徳に違反している状況で、彼らが考える良い仕事への挑戦です」と、ベック認知行動療法研究所のアレン・ミラー氏は話す。
ミラー氏によれば、ほとんどの医師にとって良い仕事とは、患者に出来る限りベストの治療を施すことだという。しかし現状では、超過勤務に加えて、医療品が不足していることが大きなストレスとなっており、そのせいでうつ病になるリスクが懸念されている。
COVID-19の患者は死に方すら「まったく違う」と、ミラー氏は話す。
「患者はたった1人で隔離された状態で、家族に伝言を伝えて欲しいと懇願しています。(医療関係者は)難しい決断をせざるを得ず、しかもこの状況に収束の兆しは見えません。彼らに全員を助けるなんてできるわけがありません。でもそのせいで、周囲からは『何をやっているんだ!?』という声を何度も聞かされるのです。」
gorodenkoff
遺書を書いて現場に臨む医師たち
医療関係者は、自宅にウイルスを持ち込んでしまうことも心配している。医療関係者の自殺予防ホットラインを運営するパメラ・ウィブル氏は、彼らの状況を次のように伝える。「医師たちは、もし死んだら遺体は火葬するよう遺書すら書いています。元々彼らはメンタルへのケアがまったくない状況で酷い症状にさらされて、フルタイムの仕事2つ分くらいは働いていたんです。それが今や、自分の命まで感染リスクにさらさねばならなくなりました。」
さらに外出禁止令のおかげで、これまでのように友達と出かけて気分転換をするようなこともできない。
「医師たちはサポートネットワークから切り離されて、それがうつ病や不安神経症の負のスパイラルになってしまっています」と、ミラー氏は話す。
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私たちにできることは?
一刻も早く保護装備や医療品の不足を解消せねばならないが、ウォン氏は、人々が外出を控え、家で待機してくれるだけでも、大いに励まされると話している。「私たちの犠牲が無駄ではないのだと感じさせてください。問題を悪化させるようなことはしないでください。」
新型コロナウイルス感染症の現場では今、医療関係者が心も体も捧げて懸命に戦っている。
References:Treating coronavirus takes serious toll on health-care workers’ mental health, study finds/ written by hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
とにかく薬を一刻も早く!
2. 匿名処理班
医療の心得が無い身で彼等に報いる方法か
最大限の敬意を払うのも勿論の事だが個々が「感染しない」が最適解じゃなかろうか
日々発表される感染者数の減少がきっと彼等を力付けると思うんだ
3. 匿名処理班
医療従事者ですが、普段診療業務をしてる看護師たちが慣れない防護服を着せられて物凄いストレス抱えています。
息苦しい防護服と感染リスク、公私とも制限のかかる生活に加えて物資の不足。
医療崩壊が目の前に迫ってるのを肌身に感じてます。
4. 匿名処理班
ヤルダバオートが言うには
神が与えた試練だとさ
言ったのは堕天したガブリエルだったかな?
5. 匿名処理班
治療薬がありなおかつ完治するのが約束されてたら
まだ心の余裕が出てくるが、現在のところ治療不可
しかもなったらほぼ確実にあぼーん決定
そりゃ先も見えない治療行為こそ精神病むわな
いくら仕事とはいえ、絶望以外選択しない道は嫌になるし
早く治療薬発表されてほしいぜ
6. 匿名処理班
知り合いがNYで看護師やってて、先週写メ送ってきた。
そこにはBSL-4並みの防護服を着た知り合いがいた。
そいつが言うに、コロナで重症化するのは「老人」と「10歳以下の子供」がほとんどらしい。
うちの近所の公園で未就学児を連れた若い夫婦が弁当広げて花見してるのを見ると、「平和ボケも極まってんな」と本当に呆れる。
7. 匿名処理班
>超過勤務に加えて、医療品が不足していることが
>大きなストレスとなっており、うつ病になるリスクが
一般のブラック企業にも言えることだけど、
単純な激務だけでなく「徒労感」って
やっぱり抑鬱状態を加速させる大きな要因なんだろうね。
本当はもっとちゃんとした事ができるはずなのに
資材や人員などの用意が整わず、
実力を発揮しきれないもどかしさ。
そして、案の定、激務をやってもやっても
なかなか思うような成果を出せない無力感。
まして、それが人の生き死にに関わることで
遺族との別れも制限させなければならない立場って、
そりゃメンタル蝕まれるわな…。
8. 匿名処理班
医療従事者でなくてもこの時期の海外旅行や、大丈夫なんて言う謎の自身で感染拡大に協力している連中を罵りたい気持ちで一杯なのに、
直接対応している医療従事者のストレスなんて想像すら出来ないわ。
遊び歩いてる連中に対しては肺に石鹸水を流し込んでやれとすら思うね。
肺の中のウイルスはそれで破壊出来るんだから一つの治療法だよ。
9. 匿名処理班
命懸けで戦ってくれてると思うと涙が出る
10.
11. 匿名処理班
※7
あと、加えて「出口が見えない」のも
精神力をガリガリ削っていく要因かな。
多忙で疲弊が酷くても「繁忙期の山は○○まで」
というゴールが決まっていれば、まだ気力を振り絞れるけど
いつ終わるか不明な苦行の繰り返しはホントしんどい。
12.
13. 匿名処理班
明けない夜はない
とコメるしか出来ない・・・
14. 匿名処理班
治すのは大変なのに簡単に何人にも感染してしまう
無限にある訳ではないのだから医療器具も足りなくなる。個々が自粛し急を要するならマスクを着用して感染拡大を抑えれば医療関係者の負担はグッと減る。
自分は大丈夫ではなく人間誰にでも感染する未知のウイルスだから自分達も大切な人も苦しませ最悪失いたくなければ家に籠ろう
15. 匿名処理班
気の毒すぎる…いくら医療従事者だからってこんな状況で頑張らなくちゃいけない義務はないよ
16. 匿名処理班
大規模なSARSやMERS危機を経験してない日本がうっかりCPR検査しまくってたら
やっぱり酷い事になってたんじゃないかなあ
17. 匿名処理班
ウォンさん医師なのに収入が減ってるってどういうこと?
アメリカも日本と同じく医師にサビ残強いているの?
それとも手術ごとに出来高制とかなの?
18. 匿名処理班
現場で頑張ってる人達には頭は上がらないけど、
「そういう仕事」なんだから、「嫌なら辞めろ」としか言えない。
ブラックな仕事をしてる人は他にもたくさんいるし、職すらない人間も無数にいる。
というか、素人相手にただ泣き言言われても困る。
具体的にどうすればいいのか考えるのもあんたらの仕事だろう。
19. 匿名処理班
強制労働させられてるわけでもないのだから、嫌なら辞めればいいのに。逆に無理して働いちゃうから労働環境が一向に改善されない。
20. 匿名処理班
※17
urologist in private practice とか
hospital where she has privileges have called for volunteers
とあるから、
普段は泌尿器科の開業医(もしくは、経営者ではなくても
小さな単科クリニックで働くフリーランス医師など)で、
緊急性の無い手術は中止になって院の収入自体が激減、
提携先として籍のある大病院から
臨時の人手として応援要請を受けている
(今はまだ普段やってないICU業務の再訓練講座の受講中だから
実際に現場で働いて報酬を得ている段階ではない)、
って感じではないだろうか?
21.
22.
23. 匿名処理班
>>18
その世界しか知らない視野しか持たないからね。。。
仕方ないよ
24. 匿名処理班
それぞれの国が自国の利益だけを追及しまくった結果、こうした事態に対処できなくてえらいことになっているね。
ペストのワクチンが出来るまで500年かかったらしいけど〜、エボラは8年だって担当医が言ってたけど、コビット19はどれくらいかかるのかな?
通院中のワイが感じたのは医療従事者って以外とメンタル弱い。
一度、企業就職したら?って思った。
25. 匿名処理班
どうやら日本の医師はメンタル重視しているようですよ! 一部の医師は会食やカラオケでフィーバー感染し、別の医師ズはキャバクラでお食事感染だって。キャバクラって食事するとこじゃないしね。こうして院内感染とかさ、受診患者さんに感染させちゃったりとか考えなかったのかな?平時のプライベート行動なら問題ないけど世界中で大変なこのタイミングでの軽率な行動、どうなのよ?
削除覚悟のコメントです!1回削除されたんですが情報を追加して再度書き込みます。
26. 匿名処理班
なんで収入が減るの?むしろ商売的には繁盛じゃないの?
27. 匿名処理班
収入が減るのは多分ですが貧困層の方々で高額の医療費が払えず破産したり、亡くなる方があまりにも多すぎて医療費の回収が出来ないからなのではと思われます。アメリカの医療費の高額さは有名ですし。医療費を払えない人は破産宣告するそうなので。多分ですが。
28. 匿名処理班
医者は勝ち組だなんて誰が言ったんだか
29. 匿名処理班
医療現場は最前線。その人たちを支えるには
感染しないこと、寄付すること、エールを送ること。