
Michal Jarmoluk from Pixabay
電子書籍化が進んでいるが、紙の本には「読む」以外にも心を惹きつけられるものがある。特に古本は独特のニオイが嗅覚までをも刺激してくれる。更にこんなサプライズもある。古本のページの間から思いがけないものが出てくることがあるのだ。
それは、買い物リストやしおり、写真、ときにはちょっとしたお小遣いになるラッキーなもの、歴史的価値があるお宝だったりすることもある。ここでは、古い本の中から出てきたさまざまな驚くべきものをみてみよう。
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1. ジョージ・ワシントンの髪の毛
なにか軽いものが読みたいと思ったとき、年鑑ものに手を伸ばす人はあまりいないだろう。だから、ずっと誰の目にも触れなかったのかもしれない。2018年、ニューヨークのスケネクタディにあるユニオン大学シェファー図書館の司書が、昔のアメリカの各入植地の人口を見積もった年鑑『Gaines Universal Register or Columbian Kalendar for the Year of Our Lord 1793』の中からひとつの封筒を見つけた。
なんとその中には、アメリカの初代大統領、ジョージ・ワシントンの髪の毛がひと房入っていたのだ。封筒にはこう書かれていた。「ワシントンの髪、L.S.S.&(殴り書き)GBS、1871年8月10日、母親からこれを譲り受けたジェームズ・ハミルトンより入手」
この髪の出どころははっきりしていて、ホンモノである可能性はかなり高い。この年鑑本は、ユニオン大学の創設者で、ワシントンの友人だったフィリップ・スカイラー将軍の息子フィリップ・スカイラーJr.のものだった。
おそらくこの髪は、ワシントンの妻マーシャ・ワシントンから、アレキサンダー・ハミルトン(米国初代財務長官)の妻エリザ・スカイラー・ハミルトンに渡され、その息子のジェームズ・ハミルトンの手に渡り、それがスカイラー家に落ち着いたのだろう。
この本には、もうひとつのお宝が隠されていた。暑い時期に牛肉を保存するための、スカイラー・ジュニアの指示書きも出てきたのだ。
Lock of George Washington’s Hair Found Tucked Inside Old Book
2. 44万円分の紙幣
2019年始め、アリゾナで年一回開かれる書籍販売フェアにボランティアとして参加していたキャシー・マカリスターは、本を仕分けしているときに、1776〜1788年に刊行されたギボンの『ローマ帝国衰亡史』6巻を見つけた。戯れに最後のページをめくってみて驚いた。誰かが本の中に穴をあけ、トータルで4000ドルもの紙幣(約44万円)を詰め込んでいたのだ。
住所が書かれた封筒も差し込まれていたので、マカリスターはこの本を寄贈した人に連絡して、その金を返した。
Thousands of dollars discovered in donated book
3. C・S・ルイスの直筆の手紙
2014年、イギリスのドミニック・ウィンター・オークショナーズで、掘り出し物が出品された。『ナルニア国物語』の作者C・S・ルイスの『痛みの問題』の中に紛れ込んでいた、ルイス直筆の手紙だ。ミセス・エリス宛てで、喜びとはなにかについて綴っている。"真の喜びとは、肋骨の中に飛び込んできて、背中をくすぐり、楽しすぎて寝食も忘れさせてくれるようなものです"と彼は書いている。
手紙の日付は、1945年8月19日。1955年にまとめられた自叙伝『喜びのおとずれ』のつれづれの一部だったようだ。この手紙は、オークションでおよそ6000ドルで落札された。ルイスのペンパルとされる、ミセス・エリスの正体はいまだにわかっていない。
What Was C.S. Lewis's Definition of Joy
4. J・R・R・トールキンの注釈つき「中つ国の地図」
トールキンが作り出した架空世界、1954年の『指輪物語』はあまりにも有名だ。2015年、イギリスの書店ブラックウェルの従業員が、トールキン自身が手書きで注釈をつけた中つ国の地図が、この小説の中に紛れ込んでいるのを発見した。そこには例えば、ホビット庄はオックスフォードがある場所とほぼ同じだとか、ミナス・ティリスは、イタリアのラヴェンナの町からヒントを得た都市だと書いてある。
この本は、かつて挿絵画家のポーリン・ベインズ(ナルニア国物語のイラストを担当)が持っていたもので、新しい版のイラストに取り組むのに、以前の地図を参照していたようだ。
この版は、1970年に刊行されたもので、本に地図がはさみこまれたまま、最終的にブラックウェルの元に渡り、およそ7万7000ドルで売りに出された。
Drawing A Map in Tolkien/Middle-earth Style
5. 75万ドル(約8200万円)が当選した宝くじ
家を片付けていたら、とんでもない幸運が舞い込んでくることもある。モントリオールに住むロジャー・ラロッカとニコール・ペドノーのカップルは、2018年のバレンタインデーに宝くじを買ったが、それを本の間にはさんだまま、すぐに忘れてしまった。実はその宝くじ、75万ドル(約8200万円)が当たっていたのだ。
2019年4月、学校のプロジェクトのために、日本に関する調べものを手伝ってと孫息子にせがまれて、持ち物を整理していたところ、日本についての本にはさまれていたこの宝くじを見つけた。
慌ててネットで当選番号を調べた結果、当たっていることがわかったのだが、まさに間一髪のところだった。ここで見つけていなかったら、ちょうどあと2日で期限切れになるところだったのだ。
This couple found a year-old lottery ticket worth $750K in a book – two days before the deadline
written by konohazuku / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
よし 俺も宝クジ買って本に挟んどこっと
2. 匿名処理班
期限2日前ってすごい
孫息子さんGJ
3. 匿名処理班
孫息子GJ。好きなもの買ってもらえたかなw
4. 匿名処理班
ブックオフで本買ったら「ごめんね」って書かれたメモが
5. 匿名処理班
古本を買うと10冊に一冊は陰毛が挟まってる説を私は主張したい。
6. 匿名処理班
ブックオフでサイン本を2冊ゲットだぜ!!
7. 匿名処理班
風水では「本にお金とか大切なものを挟んではいけない(仕舞ってはいけない)」という。
それは必ず忘れ失われる(持ち主から離れていく)とか。
まあその通りになってるね。
8. 匿名処理班
>ちょうどあと2日で期限切れになるところだった
運が良かったな。私なら期限切れから2年後に気が付くパターンだ
9. 匿名処理班
宝くじを見つけたとは凄い幸運だね、
私も以前、本に挟んだへそくりを無くしてしまった経験があるんだ
もう本には栞以外は挟まないよ
10.
11. 匿名処理班
ブックオフ あるある。
1. 買ったであろう本屋のレシートがはさまっている。
2. 著者のサイン入り本。
3. 最後のページに何年何月何日読了と書いてある。
12. 匿名処理班
挟んでたんじゃないけど、戦前の本をオクで落としたら、
時々中に当時の人の書き込みがあるのが面白い
料理本に「これは美味い」「これは美味くない」と感想があったり、
作法の本に個人的な注釈書いてあったり、
少女雑誌の付録に寄せ書きや詩が書き付けてあったりと当時の人の息遣いが感じられて本当に興味深い
最近の本の落書きにはサツ意感じるのになぁ
13. 匿名処理班
古本屋に勤めてたけど、査定の時に状態の確認でパラパラっとめくるから見つけたら返す事があった
お金は2回あるw少額だけどな
後は写真や手紙も返す
請求書や領収書、レシートはだいたい捨てて下さいっていわれるなw
押し葉や押し花も時々
床屋のコミックは切った髪の毛を取るのが大変だったw
14. 匿名処理班
ブックオフで買った文庫本から、女性が恋人に宛てて書いたラブラブなメモ書きが出てきた。ちょっと時代を感じる文体で、とてもプライベートなものだからすごく戸惑った。
家族で回し読んだのち母親に「キモイ」と言って捨てられたw
あと、昔のミュージシャンの写真集を手にウロウロしてたら別の棚でよりキレイで安いものを見つけたのでそっちを購入。
そしたらサイン本だったんでびっくらこいた。私のために売ってくれてありがとう宝物です。
15. 匿名処理班
※11
4. タバコの匂いしみついてむせる
16. 匿名処理班
昔買った古本に4万円入ってた
あと子供の絵本には使ってない切手シート5枚分(かなりの金額)が入ってた事がある
本の間に挟む人結構いるんだね。