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人格を与えられた女性のオランウータン、34歳の誕生日をお祝い(アメリカ)

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(著) (編集)

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image credit:centerforgreatapes/Instagram
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 ヒト科オランウータン属に分類されるオランウータンは、その語源が「orang(人) hutan(森) = 森の人」であることから、過去には「人間に一番近い存在だ」という説が発表された他、遺伝子の97%が人間と一致するとも言われており、チンパンジーに並び非常に知能の高い生き物として知られている。

 現在、フロリダ州にあるオランウータンの保護地に暮らすサンドラは、法的に人格を与えられた「女性」のオランウータンだ。

 2月14日のバレンタイン・デーに34歳の誕生日を迎えたサンドラは、保護地スタッフらによってお祝いされた。

人が享受する法的人格と権利を与えられたサンドラ

 サンドラは、アメリカに移る前はアルゼンチンのブエノスアイレスにある動物園で飼われていたが、そこはサンドラにとってあまりいい環境とは言えなかったようだ。

 そこで、アルゼンチンの動物福祉団体『Association of Officials and Lawyers for Animal Rights(AFADA)』が、サンドラのために「人格」訴訟を起こし、サンドラは2015年の裁判で画期的な判決によって人間同様リスペクトされる権利が認められ、法的人格を与えられた。

サンドラ、アルゼンチンからアメリカへ

 サンドラが得た法的人格の権利とは、オランウータンを動物ではなく人間に近い生き物として扱うことにより、人間が享受する法的権利を持ち、それによってより良い生活条件を得る権利も同様に保有することを意味する。

 よって、サンドラは動物園の展示物としては認められないことになった。

 しかし、その判決後も明確な手段やアイデアがなかったため、結局サンドラはブエノスアイレスの動物園に単独で残り、2016年に動物園が閉鎖になった後、2019年9月にアメリカへ移動し、最終的に11月にフロリダ州にあるオランウータンの保護地『Center for Great Apes』へとやって来た。

2月14日に34歳の誕生日をお祝い

 Center for Great Apesでは、多くのオランウータンやチンパンジーが保護されている、創設者のパティ・ローガンさんは、1984年に野生のオランウータンのリハビリテーションプロジェクトに参加したことがきっかけで、この保護地を設立したそうだ。

 インドネシアのボルネオ熱帯雨林で孤児になったオランウータンの世話をしているうちに、彼らの静かで穏やかな性質に強く惹かれたのだという。

 サンドラは、この保護地で2月14日に34歳の誕生日を迎えた。

 スタッフらは、バレンタイン・デーにちなんでサンドラに赤やピンクのたくさんのギフトをプレゼント。

 スタッフらから心のこもった暖かい言葉が綴られたカードやプレゼントを受け取り、サンドラは満更でもなさそうだ。

 この日はスタッフだけではなく、もしかしたら今後伴侶となるかもしれないジェスロという男性オランウータンも一緒にサンドラの誕生日をお祝いした。

保護地で幸せな日々を送るオランウータンたち

 保護したオランウータンをスタッフと一緒にいつも気にかけているパティさんは、サンドラについて次のように語った。

サンドラは、ここにやって来た当初はとても内気でしたが、今は完璧にここでの生活に馴れて、穏やかで幸せに暮らしています。

ジェスロにとても興味を持っているようですが、今の段階では互いを知って信頼を築いている途中で友達として接しています。でも、双方が自信を持っていて、いい関係を育んでいるのがわかります。

ジェスロはサンドラと年齢も近いし、穏やかな性格なので、将来2人はお似合いのカップルになると思っています。

 Center for Great Apesでは、娯楽や実験、違法取引などで過去に辛い思いをしたオランウータンやチンパンジーを今後も救済・保護していく予定だ。

 スタッフは、保護された彼らがサンドラのように新たな環境で落ち着き、幸せに暮らしていけることを願っている。

 なお、サンドラを含む保護地のオランウータンの様子は、インスタグラムで閲覧できる。

References:UNILADなど / written by Scarlet / edited by parumo

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この記事へのコメント 24件

コメントを書く

  1. ここまでくるとそこいらの人よりいい身分を与えられているなーとか皮肉に見てしまう

    • +11
  2. 自分も34になったばかりだがなんか不思議と人間の34歳よりも若く見えるな

    • +4
    1. ※3
      毛むくじゃらだから見た目じゃわからんね

      • 評価
  3. 人間と同じ人格を与えられてるってことは、保護区で保護されてるだけじゃなくて、
    普通に人間と同じように街とか歩いていいってことか?(笑)

    • +6
  4. オランウータンは生で見ると80歳のおばあちゃんみたいな動きするよね

    • +5
  5. 眼差しに知性を感じる
    自力で確定申告ぐらい出来そう

    • +5
  6. 森に住むオラウータンの長老に聞いてみたい これは名誉な事ですか?って

    • +3
  7. 知能を根拠に人格や人権が与えられるという発想はとても危険に感じる。

    • +11
  8. ボルネオのセピロクにもオランウータンのリハビリテーションセンターがあるんだけどな

    • 評価
  9. オランウータンを保護することになんの文句もないが、人格を与える必要ある?彼女に住む場所の希望を聞いた?先祖代々の地へ戻りたいって言ったら戻せるの?
    人間の都合で住む場所を与え、勝手に伴侶を与え、それって人権侵害では?

    • +18
  10. 人間のエゴ感はあるけどオラウータンを救い安全に保護するための1つのやり方なんだろうな

    • +4
  11. オランウータンが法的人格の権利を持ったら、人間と結婚できるようになるってこと?
    という事は、もしゴリラが法的人格の権利を持てば、パルモさんの野望も実現できる…
    わけは無いか。

    • +3
    1. ※21
      どういう内容での判決が出たのかによるんじゃないのか?

      例えば、「会社」にも法的人格はある。
      なので、所有権や契約の主体になり得るし、
      法令違反には罰金など刑事罰を科せられ
      損害賠償など民事での責任も負う。
      でも、結婚・養子などの権利は持たない。
      法人の取締役に、他の法人がなることもできない。
      懲役もない。(国によっては法人保護観察の制度はある。)

      • +5
  12. 人間と動物の間の垣根を取り除く、大いなる歴史的な実験の最中だな。 

    • 評価
  13. 訴訟起こったのはアルゼンチンかな?
    アルゼンチンがどれくらい判例を大事にするか知らないけど、
    動物園で酷い扱いされてたんなら救われて良かったと思うよ。

    • +7
  14. 法的人格の権利があるのなら
    国外の施設に移る時は誰がその許可を下せるの?
    本人?の合意なくして移動させたら違法にならないのだろうか?

    • 評価
  15. 人間とオラ、超大昔は生態系の頂点を競いあうライバルだったのだろ?
    それを人間が制したから今がある。てな風に人間と猿の線引きなんてあまり明確ではないのだろ? 少なくとも哺乳類は皆、人間同様の喜怒哀楽を備えているよ。

    • 評価

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