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ついに嗅覚までも!分子構造を解析してニオイを嗅ぎ分けてしまう人工知能(AI)をGoogleが開発

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(著) (編集)

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Image by Devrimb/iStock
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 つい先日、人間の皮膚感覚を持つロボットが開発されたというニュースをお伝えしたが、人工知能(AI)の進化はとどまることをしらない。視覚、聴覚、触覚に続いて嗅覚までも感じ取ることができるようになったという。

 世界規模のテクノロジー企業、Googleが、ニオイを嗅ぎ分けることができる人工知能を開発したそうだ。

 『arXiv』(10月23日付)に掲載された論文には、機械学習を利用して、AIにさまざまなニオイを正確に予測させる方法が解説されている。

ニオイの分子を判別しマルチラベル分類

 人間がニオイを感じるときセンサーの役割を果たしているのが、鼻の中の嗅上皮という狭い区画に備わった400種類の嗅覚受容体だ。

 ここに特定の構造を持つニオイ分子が結びつくと受容体が活性化し、100万もの嗅覚ニューロンが発火。すると脳の「嗅球」にシグナルが送信され、そこからさらに脳の他の領域へと信号が伝わり、最終的にニオイとして知覚される。

 そのためニオイの感覚を作り出しているニオイ分子さえわかれば、それを感じるメカニズムが完全に解明されていなかったとしても、ニオイを嗅ぎ分けることができるというわけだ。

 個々のニオイ分子は一番基本的なニオイの素であるが、複数の印象を与える。たとえばバニラに含まれるバニリンは、「甘い」「バニラの香り」「クリーミー」「チョコレート」(これらをニオイ記述子という)といったいくつかのニオイに感じられる。

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Image by Samir Biscevic from Pixabay

 グーグルの研究チームは、これを「マルチラベル分類問題」ととらえて、これを解くことでニオイ分子のニオイを予測することにした。

 分子を構成する原子を頂点、原子同士の結びつきを辺と考えれば、分子構造を図形に見立てることができる。

 そこで図形に特化したディープラーニングであるグラフ・ニューラル・ネットワーク(GNN)によって各分子の構造を解析しつつ、マルチラベル分類問題を解く。

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Image by miriam-doerr/iStock

嗅いだことのない分子からニオイを予測することに成功

 研究では、調香師が分類し、ニオイ記述子を割り振った分子5000個のデータベースでAIをトレーニングした。

 トレーニング完了後、AIが嗅いだことのない分子からニオイをきちんと予測できるかテストしてみたところ、見事にやってのけたとのことだ。

 なお、ここで解析された図形には、原子の空間的な配置が表されていない。

 分子には同じ原子で構成されているのに、三次元の立体としてとらえると完全に同じ構造ではないものがある。これを「立体異性体」というが、こうした違いもまたニオイの違いを作り出している。

 しかし、研究では立体異性体を特に区別していなくても、きちんとニオイを予測することが可能だったそうだ。

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image by:ai.googleblog

嗅覚のデジタル化

 食べものをよりいっそう美味しく感じさせたり、記憶を鮮やかに呼び覚ますなど、嗅覚は生物にとって非常に重要な感覚だ。それにもかかわらず、これまで視覚や聴覚ほどデジタル化の研究は進められてこなかった。

 研究グループは、こうしたAIの力を借りたシステムが、視覚や聴覚といった他の感覚のデジタル化の波に取り残されないよう、人工嗅覚の開発をうながしてくれるかもしれないと述べている。

References:Google AI Blog: Learning to Smell: Using Deep Learning to Predict the Olfactory Properties of Molecules/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 18件

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  1. AIで出来るようになったのも凄いが、何もしなくても匂いの嗅ぎ分けが出来る人間の身体もスゴイ

    • +3
    1. ※1
      原人から数えても200万年ぐらいアップデートを重ねてきたんです

      • +1
      1. >>5
        それを西暦2000年弱で機械にやらせられる人間やばない?

        • 評価
        1. ※11
          10代かな?
          西暦2000年”弱”ならやらせられてないからwやばないw
          しかもなんで西暦?w

          • -2
    2. ※1
      ただ、他の哺乳類に比べれば
      ヒトは目が第一のメイン感覚器、次点で耳、
      鼻の活用度は低めではある。

      犬だ、熊だ、ネズミだ、象だ、といった動物は
      さらに嗅ぎ分けが凄い。

      • +2
  2. DBHのRK:800みたいなのが出る日も
    いよいよ妄想じゃなくなってきたな

    • 評価
  3. 数値化ができるなら病気の前兆なんかもセンサーで一発識別できるようになるかも?

    • +2
  4. センサー自体は高性能のものがすでにある、日本の「手のひらの匂いでガンを見つける」やつとか。
    http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3677/1.html

    あとは小型化とAIの問題なんだが、前者は割りと早く進むから無問題、ただ後者には問題が…
    AIなら判別は容易「スカトールの匂いがします」とか「この組み合わせはバラの匂いになります」みたいなことは可能。
    でも、さきのスカトールは「ウンチとジャスミンの匂い」濃ければアレで薄ければよい香り、濃度で違うんだ。
    あるいはバナナはじめ焼いた肉、野菜など単品では良いが匂いの強いものを混ぜた場合も臭いことがある。

    人にとって良いか嫌かの区罰をAIにさせるは基準が難しいかな。
    この閾値を設定するのが難関かもね。

    これらには有毒ガスなどの感知の機能を利用するといいかも知れない。
    何%は許容範囲、以降、やや危険、危険、非常に危険などがわかるはず。
    あとは組み合わせ、これを学習してもらう必要がある。

    • +3
    1. ※6
      この記事の例だと学習に使う「正解」のデータを調香師の人が作ってるから、そこも制約になると思う。

      • 評価
  5. 嗅覚にもディープラーニングの波が押し寄せたか。
    視覚の場合、認識率の人間超えにまで至ったけど嗅覚の場合はどこまで進化するのか。
    先行する視覚や聴覚の例から見ると人間超えは行くだろう。

    もし犬超えとかまで行ったら警察犬が失業してしまうワン!?

    • 評価
  6. 警察犬の代わりにラジコンカーみたいなドローンが嗅ぎ回る日が来るのかな

    • +1
  7. 映画や小説ではAIと人間が争うように描かれるけど
    現実の未来では両者融合して全知全能な新しい人類に進化しているんじゃないか

    • 評価
    1. >>16
      純粋人間と純粋AIの間のジレンマに遭いそう。
      混合できるぐらいならそこら辺しっかりしてるか

      • 評価
  8. 香りの分析は結構前から出来てたから、それをどうAIに落とし込むか、そしてその情報をどう生かすかが鍵だね
    警察犬のような自立型ロボットは少し時間がかかるだろうけど、歩いたり現場の状況判断を人間に任せれば早く実用化できるだろう
    またガンの早期発見なんかも期待している

    • +1

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