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「ベンタブラック」と使用権をめぐる争いの末に生まれた超黒塗料が更に黒くなって世界の一般市場に進出予定!

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(著) (編集)

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 数年前にイギリスで誕生した「ベンタブラック」は、可視光の99%以上を吸収し、異次元の黒さを実現した新素材だ。

 2017年、その使用権をめぐり現地アーティストの間で争いが勃発。

 ベンタブラックを独占するアニッシュ・カプーアと、彼に対抗して多くの人が入手できる類似塗料「BLACK 2.0」を開発したスチュアート・センプルの争いは大きな反響を巻き起こした。

 そのセンプルがこのほど「BLACK 3.0」の開発に成功!

 従来よりも光吸収率と利便性がアップした超黒塗料が、ついに世界の一般市場に進出するという。

超黒塗料を独占したカプーア

 けた外れの黒さを発揮するベンタブラックは、およそ5年前にイギリスのナノテクノロジ―企業が開発した新素材だ。

 その使用権を独り占めするアニッシュ・カプーアといえば、底知れない真っ黒な穴のアートを制作。その展示でケガ人が出たことでも話題になった人物だ。

・ブラックホールすぎて負傷者が!超黒色塗料「ベンタブラック」で塗られた穴に落ちた来場者(ポルトガル):カラパイア

 だが、カプーアが世間の注目を集めるのはこれが初めてではなく、独占権を取得した時から地元アーティストに反感を持たれていた。

対抗してBLACK 2.0を開発したセンプル

 中でも特に不満に思っていたのが、スチュアート・センプルだ。彼は数年前からカプーアに対抗し始め「世界で最もピンクなピンク」などの塗料も開発。

 それを売る際に「カプーアだけには売らない」という条件を提示し、当のカプーアから屈辱的なインスタグラムを返されるなど険悪な関係に突入していた。

 そして2017年、リベンジに燃えるセンプルは仲間たちと協力し、ベンタブラックに寄せた「BLACK 2.0」を開発した。

 その塗料はベンタブラックより劣るものの、カプーアを除く世界中のアーティストが購入して使える超黒マットなアクリル塗料として話題を呼んだ。

 ・あの黒すぎる超黒塗料「ベンタブラック」の独占権を取得した芸術家とできなかった男性のバトルが勃発、ついにはこんな商品が一般販売に:カラパイア

 だが、その出来栄えに満足してなかったセンプルがこのほど「BLACK 3.0」を開発。今年1月末からキックスターで資金集めを行っていた。

The New World’s Blackest Paint (Black 3.0) vs the Brightest Flashlight!

より黒く使い勝手の良いBLACK 3.0が登場!

 BLACK 2.0を超えるBLACK 3.0は、光吸収率を98~99%に高めたもので、新たな成分の使用などにより、もっと便利な超黒塗料になったという。

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 黒色顔料が抱える問題の多くは、わずかにある反射性だ。それは顔料に含まれる炭素、石炭、または木炭のせいだった。

 そこでセンプルと仲間たちは研究室にこもり「Black Magick」というマットな顔料を新たに生み出した。

 BLACK 2.0はつや消し効果のためにほんの少しグレーががった色味を含んでいた。だが、BLACK 3.0は初めからBlack Magickを使用しているため、グレー成分がいらなくなったという。

 いろいろな塗料ブランドの黒色と比較するとこんな感じ(画像は無加工)

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 またBLACK 3.0は、顔料をよりよく保持する工夫として新しいポリマーも含有している。

 これでより多くの顔料にしっかり定着し、従来品では不可能だった顔料の濃密化が可能になり、色の深みも出せるそうだ。

多くの人が簡単に使える超黒塗料BLACK 3.0

  カプーアのベンタブラックのようなスーパーブラック塗料の多くは「使い方が複雑で非常に高価」だが、センプルのBLACK 3.0は「アーティストに非常に手頃な価格で、使いやすいペイント」だという。

 光吸収率でだけで比べるなら、99.8%以上のベンタブラック塗料がまだ高い。だがその塗料は使用も許可制、使う場所は実験室のみ、などさまざまな条件を満たさなければならない。

 一方で アクリル絵の具のBLACK 3.0はすべての人(カプーア以外)が気軽に使える。そのため、ほぼ万人を対象とした超黒塗料の中ではBLACK 3.0が世界一という声もあるようだ。

 BLACK 3.0は無毒で水でうすめられ、ブラシ、スプレー、ローラーも使える

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 なお、このサンプルは世界中のおよそ1000人のアーティストに配布され、そのうち93%から前より良いという反応を得た。

目標額の5倍以上の資金を獲得。一般市場は目前

 BLACK 3.0は、キックスターターですでに目標金額の25,000ポンド(約360万円)を達成。今年3月初旬には世界中の出資者に発送される。

 なお、150mlのBLACK 3.0にバッジなどがついた10ポンド(約1430円)のセットは完売したもよう。

The blackest black paint in the world! Black 3.0

 しかも現在は目標の5倍以上もの資金が集まっており、今後は広く販売されることになりそうだ。

 なお、カプーアは相変わらず販売対象から除外されており、キックスターターには以下のような文言が提示されている。

このプロジェクトへの支援により、あなたがアニッシュ・カプーア本人ではなく、彼の関係者や支持者や仲間でもないことが確認できます。この塗料に関してあなたが知りうる情報などがカプーアの手に渡ることはありません

 実用面ではベンタブラックをしのぐBLACK 3.0。この件に関するカプーアの反応は不明だが、これであの落とし穴を超えるいろんな超黒アートが生まれるかもしれないな。

References kickstarterなど /written by D/ edited by parumo

References: kickstarter

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この記事へのコメント 69件

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  1. 一番ブラックなのは執拗に嫌味を垂れ流している作者本人なのでは?

    • -58
    1. ※1
      一番ブラックなのは色を独占し使えない様にした企業だろう。独占すれば高値で取引される。富裕層で、しかも会社に選ばれ許可された国や人のみが使える色。某製薬企業とやり方は同じ。人間の欲は深い、まさに漆黒の闇

      • +16
      1. ※26
        そんな単純な話ではないだろう。
        ベンタブラックはあまりに危険すぎる。
        一般人が気軽に使える様になった結果など火を見るより明らかで、政府の許可制にしたのは正解だと思う。

        • +10
        1. ※45
          気軽に使えるようになったら絶対危ないねこれ
          結果を予測できない人やわざと下らないことをする人もいるし
          個人的には欲しいけどコメ欄にいまいちって書いてる人いるしもっと先かな

          • +5
    2. >>1
      君の一言はブラックというにはスマートさが欠けてるな

      • +4
  2. 軍や諜報機関が大量に注文しそうだな。

    • +12
    1. >>2
      窓にサッと一吹きすれば、空襲下でも明かりが使えますしね。

      • +9
  3. 単純に面白い 買うとなると単純に安い方を買うかも

    • +30
  4. チューブから出したての時は反射してるっぽいテカりがあるな。
    薄く、平坦でないとダメってことかな。

    • 評価
    1. >>5
      未乾燥だと液状成分からの反射があるとかじゃない?

      • +16
    2. ※5
      顔料の上に薄く溶剤があるのがダメなのでしょう(全反射する)、乾燥して顔料だけになればOKなのでは

      • +14
  5. カメラの内壁に使われてるものと比べるとどうなのかな、と思った。

    • +4
  6. 黒さの頂点に君臨する
    「松崎しげる色」という色が
    実在するという無駄知識。
    ベンタブラック達はあくまで
    2位3位の順位争い。

    • +42
  7. 芸術に貢献できるだろうものを独占する人に怒りに近い反感を持てるのは、アーティストだけだと思うな。利益よりも創造性に価値を見出す人達だもの

    • -18
    1. >>11
      利益だけで見たとしても、他人の独占は自身にとっての不利益でしょ

      ドライな皮肉を言おうとしているのかもしれないが、的外れだぞ

      • +13
  8. 使用権の争いはまだやってたんかい……。

    • +12
  9. このご時世に自分が産み出した訳でもない
    特殊な技術を独り占めしてアートってのは
    はっきり言えばみみっちいので嫌味でこういうことされても仕方ないだろ
    完全な黒に対して色んなアイディアがあるだろうにそこに制限かけてんだから
    むしろ清々しいやり口だわ

    • +43
  10. 車のダッシュボードに反射止めに塗りたいけど
    紫外線や熱で劣化しそうだなあ

    • 評価
  11. ベンタブラックやブラック3.0より17倍も黒いとされる、ハッブル宇宙望遠鏡に使われた黒はどんだけ黒いんだろう?

    • +4
    1. ※18
      ベンタブラックは「反射光の量」がハッブル宇宙望遠鏡の黒の1/17なんです
      つまりベンタブラックの方が黒い

      • +12
      1. ※31
        かたじけない、ご指摘痛み入る、当方のとんだ勘違いでござった。

        • +8
  12. 去年2.0を買ったが大したこと無かった。
    タミヤのつや消しブラックより気持ち黒いくらいだし、やけにザラザラしてて筆はこびの感触が不快。
    もう引っ掛からない。

    • +6
  13. これって熱力学でいう黒体とほぼ同じって事?

    • +1
    1. ※20
      黒体は電磁波全体を含むのでベンタブラックは黒体に最も近い塗料とはいえるけど「ほぼ同じか」ろ問われれば「全然そんなことはない」

      • +8
  14. 被服に取り入れられないかな。冬服に使えば凄くあったかそう。

    • +3
    1. >>21
      自分の熱も奪われちゃうから日陰や日暮れ後は逆に寒い悪寒

      • +1
  15. 「すべての人(カプーア以外)が気軽に使える」で草

    • +34
  16. 光に反応しやすいものを保護するためにも使えるだろうな

    • +6
  17. 理屈は艶消しブラックの強力バージョンなんだろうな

    • +2
  18. カーボンナノチューブ使ってないの?

    • 評価
  19. 反射しないのなら黒板に使って欲しいなあ

    • 評価
  20. 超黒い塗料、自分も意味なく使ってみたくなるけど
    一般流通すると使用者に悪意がなくても
    その辺に塗られると事故が発生しそう

    • +12
  21. 何気にマジシャンにとっては最高の素材だよねこれ

    • +29
  22. この塗料塗られた面にレーザーポインター当てても見えないのかな?
    気になる。

    • +10
  23. 2.0との違いがわからん…。実物を見ればわかるのかしら。

    • +1
  24. そうえば、この塗料ってX線やガンマ線とか高い波長の光も吸収できるの?
    もしできるなら原子炉の内側に塗れば放射線対策に便利そう。

    • -4
  25. 未だにカプーアはライセンス料払ってると思うと草

    • +18
  26. レンズやアダプターの内面反射防止に使えないだろうか?(取り扱い、耐久性に問題あるだろうか)

    • +2
    1. >>36
      そもそも、反射防止塗料が最も使われる用途が光学機器。
      ベンタブラックは余りにもアレなので、マトモな企業は使わないだろう。条件的にもなんか使えなさそうだし。
      天体望遠鏡の鏡筒のような、比較的大きな物の内面反射防止処理は、最も上等な物は昔からずっと変わらず植毛紙&遮光リング(絞り)なので(※)、植毛紙を貼れないような小物の内面反射防止処理に塗料が使われる。

      ※注:アマチュア天文家が、市販の小口径の屈折式天体望遠鏡に遮光リングと植毛紙を貼るカスタムをやって天体写真を同条件で撮ると、誰が見ても劇的な差が出る。

      • 評価
  27. これめっちゃ太陽熱温水器に塗りたいんやて。どんなに太陽光を吸収してくれることか。

    • +11
  28. アマ○ンやらグー○ルやらが、お互いのサービスを排除しあってなかったっけ?

    • -1
  29. こんなもん芸術以外の何に使えるんだ?と思ってコメント欄読んだら色々と用途が考えられてて感服

    • +9
  30. 軍需産業会社がこの技術を莫大な特許権を支払っても独占しない理由がわからない

    本当はどこの国でもまねできる大した技術ではないのかも

    • +2
  31. ベンタでも3.0でもどっちでもいいけど、これらで塗られた車を見たい。
    昔々、工業用ダイヤモンドの粉末を混ぜた塗料で塗られた車があって晴天時の走行を“光の塊が走ってる”と評された。
    それと反対で、ただ “影が走ってる” ように見えて不思議な気持ちになれるんじゃなかろうか。(妄想)

    • +9
  32. 安価で買えるならなんでも歓迎
    これ関係の記事は当初「すんごい漆黒の塗料ができましたが一般では手に入りません」だったから

    • +4
  33. 商品そのものよりもエピソードに支払いをしたい気分。気に入らん!と思った事に対し努力して実現するエネルギーにただただ感服。
    私なら相手に怒ってけなして愚痴って終わりそう

    • +10
  34. カープアが新色の黒を開発した訳じゃない。アートで使用する権利を独占したんだよ。
    だから、他のアーティストが怒ってる。この色を使いたくても使えないんだから。

    • +21
  35. 塗料が乾いて乾燥表面の飛沫が肺に入るナノレベルの細かさだと肺胞の中まで到達する、何かナノ粒子を簡単に商品化するのも微妙だよね
    安全性も多目的に証明すべきだと思う

    • +4
  36. 太陽熱を蓄積するものに使えるかも、
    てか日中これ塗ったもの放置したらものすごく熱くなりそう

    • +4
    1. ※50
      夏のお風呂はガス電気いらずになったらいいなぁ。
      火事が怖いけど。

      太陽熱発電の素材とかいう話はどうなったんだろう。

      • +2
  37. カプーアさん完全敗北じゃないか
    ガンプラの角形バーニアとか銃口の内側を塗ったら良さげ?

    • 評価
  38. 「 コーヒーのお代わりは無料です(カプーア以外)」

    • +1
  39. 便利、面白い、等々、あらゆる用途を想定せずに競争心と遊び心優先に開発販売される商品は簡単に悪用されそうな気がする。
    例えば技術の低い人間でもより簡単にトリックアートが作りやすくなるなら、安易に人を騙す悪戯が流行りだしてついには怪我人まで続出する社会問題とか。
    面白くて買ったけど使い道がないイメージはあっても、必要に迫られて購入するイメージは全くない。

    • +2
  40. ええ本当に黒くて同じ次元と思えないすごいww
    凹凸を感じられなくて脳の理解がおいつかなかったわ

    • +1
  41. 全身に塗ったら
    コナンの黒い人みたいになれそう

    • +2
  42. とても正攻法な対抗の仕方でいいと思う
    それにしてもペンタブラックを開発した企業はなぜ一人の芸術家に独占使用権を与えたのかな?
    広く販売する利益よりも高額な独占料が支払われるとは思えないし
    一般化して類似品が付け入る隙がないほど市場を独占したほうが得に思えるのに

    • +5
  43. 独占権を与えた企業じゃなくて受け取った芸術家を目の仇にするのが良く分からんな

    • 評価
    1. >>61
      独占された上で中指立てられたら誰だってそうなるだろ

      • +2
  44. これ糸も染まる?繊維になるなら暗幕が本当に意味で実現するのかね?
    暗室が手軽になりそう部屋ではなく部屋の一角が暗室に早変り
    遮光カーテンにも期待

    • +1
  45. これで人工毛髪を作れば売れる気がする!

    • -1
  46. 無闇やたらに拡散して良い物でも無いと思うわ。
    刃物に塗ればそれが刃物か判別出来ない。服にも塗ればは刃物を構えてても判別出来ない。銃でも爆弾でもそう。ベンタブラックの液体の中は手でも突っ込まない限り何が入ってるか判らない。目に吹き掛けたらどうなる?洗って落ちるのか、洗っても落ちない物と混ぜる事が出来るのか。実験で更にヤバい特性も見つかってくるかもしれない。
    個人による認可制なのはカプーアがそれらを懸念したからじゃないの?
    ブラック3.0制作側もそれくらいの配慮は察するべきじゃ?いずれ技術は拡散する物だけど、考え無しに煽るのはどうなん?ベンタブラックの知名度を借りて金稼ぎたいだけじゃ?金に汚いのはお互い様じゃね?

    • -8
    1. ※65
      全身真っ黒な奴が怪しまれないと思ってんのか
      透明人間になれる魔法のアイテムじゃないんだぞ

      • +1
    2. >>65
      実生活の中でここまで光を反射しないものが無かったから逆に浮きまくりじゃない?黒は動いた時により強く認識されるって話だし、シャツなんて着てたらスッゲー目立って注目集めると思う
      闇の中ですら浮くって話なかった?

      • 評価

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