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夜に怪我するよりも昼間に怪我した方が、傷の治りが2倍早くなる(英研究)

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(著) (編集)

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 睡眠は大事だ。夜眠ることで、脳や体を疲労から回復させ、心身をリフレッシュさせることができる。

 だが、傷に限っていえば、ちょっと事情が異なるようだ。

 最新の研究によると、傷の治りという点で言えば、夜に怪我をするよりも昼にした方が治りが早いのだそうだ。

 それには概日リズムが関係しているという。

概日リズムが皮膚細胞の反応に影響

 概日リズムは、一般的に体内時計とも言われている。約24時間周期で変動する生理現象のことで、光や温度、食事など外界からの刺激によって修正される。

 概日リズムの機能は、脳の視床下部に備わっている時計によって制御されており、体内の細胞の隅から隅まで行き渡っている。

 だがその仕組みは複雑で、まだまだ完全には解き明かされていないが、心身に多大なる影響を与えているのは確かだ。

 なにしろ、怪我をした時間によって組織の修復率が大きく違うのである。

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image credit:youtube

皮膚の細胞も昼夜のサイクルに従って活動

 これを調べるために、2017年、英ケンブリッジ大学の研究者は、皮膚の細胞(繊維芽細胞)の反応が時間帯によってどのように異なるのかを調べることにした。

 怪我をすると、繊維芽細胞は損傷を受けた部分に移動して、「コラーゲン」という修復プロテインを作り出し、組織の修復を助けようとする。

 しかし、こうした機能が作動するためには、「アクチン」というタンパク質が必要になる。

 したがって、これが十分にない部位では、繊維芽細胞は本来の機動性を発揮することができない。

 そして、そのアクチンのレベルは概日リズムによって決められている――つまり、こうした皮膚の細胞も昼夜のサイクルにしたがって活動しているのである。

昼と夜では治癒速度が2倍も違う

 研究チームが繊維芽細胞を培養し、そこに傷をつけてみたところ、夜を再現した環境で傷をつけたときの治りは、繊維芽細胞の反応速度の違いのために、昼よりも遅いことが確認された。

 また生きたマウスを使った実験でも、同じような現象が見られた。

 普段寝ている時間帯よりも、起きている時間帯に傷をつけた方が治りが早かったのだ。

 「体内時計が昼を指しているときと夜を指しているときでは、治癒速度が2倍も違います」と研究の著者の1人ジョン・オニール(John O’Neill)氏は話す。

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image credit:youtube

医療の現場での応用できる可能性

 オニール氏によると、細胞でもマウスでも、照明を点けたり消したりすることで、傷に対する反応速度を操作できるそうだ。

 この技法は、たとえば手術を行う場合など、医療の現場でも大いに有効だろうと研究チームは考えている。

 たとえば、研究チームが火傷を負った患者の臨床データを解析したところ、治療効果に大きな違いがあることが分かった。

 それよると、昼(午前8時~午後8時)に火傷をした人は平均17日で治癒するが、夜(午後8時~午前8時)に火傷をした患者は、それよりも60パーセント長く時間がかかるという。

 これほどの違いがあるのならば、将来的には概日リズムを考慮した治療法が登場したとしても不思議はないだろう。

昼と夜の違いは進化上の理由が原因か

 だが、そもそも夜に怪我の治りが遅くなる理由は今のところよく分からない。

 研究チームは、活発に活動する昼のほうが怪我をする確率が高いことと関係するのではないかと推測する。

 ちなみにこの他にも、概日リズムは、睡眠パターンはもちろんのこと、食欲や心の状態、さらには行動にも関係していることが明らかになっている。

Fibroblasts migrate to heal a wound

 この研究は『Science Translational Medicine』に掲載された。

References:phillyvoice./ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 22件

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  1. 実験結果が間違っている

    ①昼にけがをした患者 昼→夜→昼→夜→昼→夜→昼→夜→昼→夜→昼→夜→昼→夜
    ②夜にけがをした患者 夜→昼→夜→昼→夜→昼→夜→昼→夜→昼→夜→昼→夜→昼

    ①と②では昼に過ごした時間が12時間長いだけ

    実験結果       昼→夜→昼→夜→昼→夜→昼→夜  60%らしい

    昼(午前8時~午後8時)に火傷をした人は夜(午後8時~午前8時)に火傷をした患者より12時間程度しかメリットがないはずなのに、夜の患者が60パーセント長く時間がかかるなんて理屈に合わない

    • -2
    1. ※3
      夜間に外来にかかる人は重傷の人だけというバイアスもあるけど
      傷の治りは初動が重要な面もあるからどうだろうね

      夜行性のマウスを使って昼夜逆の場合のチェックもしてるようだし
      全体的に見て正しい実験に見える

      • +4
  2. 夜行性だと逆になるのかな
    動かない時間はこういう生命維持的な部分まで節約してるんなら凄いね

    • +7
  3. 最初の1時間が重要とかそういう話ではないのか。

    • +2
  4. 細胞だって夜は最低限の仕事しかしたくないでしょうし

    • +5
  5. が、怪我をする時間帯は選べないっていう・・・

    • +7
  6. それより傷口を乾燥させない絆創膏を使った方がいいよ。
    傷口から出る体液には傷を治す細胞が多く含まれている。
    消毒したりかさぶたができると、治りが遅くなったり傷跡が残りやすくなる。

    • +4
  7. ガウェインはあながち荒唐無稽でも無かったのか

    • +2
  8. ほう、有意義な実験結果ですね。と思いきや
    >オニール氏によると、細胞でもマウスでも、照明を点けたり消したりすることで、傷に対する反応速度を操作できるそうだ。
    えぇ・・・そんな単純なことで操作できちゃうの・・・?!(困惑)

    • +2
  9. 夜行性の動物は夜のほうが治りやすかったりするのかな

    • +3
  10. 朝型と夜型とも遺伝によって決まっているっていう研究もあるじゃん
    夜型人間は夜の方が治癒早いのでは?

    • +5
  11. >火傷を負った患者の臨床データを解析したところ

    なんか、これは、別の要素も大きい気がするけどなぁ…。

    例えば、『ブラックジャックによろしく』の第1話では
    「死にたくなければ夜間に車に乗るな。
    医者にも家族や生活がある。
    多くの病院で、ペーペーの研修医(生活苦で金が要る)が
    アルバイトで夜勤の単独診療を受け持っている。
    夜間の事故ではまともな医者に対処してもらえる確率が下がる」
    といった趣旨の問題提起をしていた。

    研究対象になった地域の医療制度がどうなのかよく知らないけど、
    やはり夜勤より昼間のほうが各分野の専門医が充実していて
    適切な初動治療が受けられる → その後の回復も違う
    みたいな原因だったりしないんだろうか?

    • 評価
  12. 夜にケガする状況があまり無い気がする・・・
    肉体労働やスポーツは昼間にやるものだし

    • 評価
  13. これが本当なら ケガをした翌朝にもう一度意図的にケガをも少しさせたら
    治りが早くなるってことだよね 病院で傷口を更にぐりぐりされるのか 怖い

    • 評価

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