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光が届かない地底で光合成するシアノバクテリアが発見される。生存メカニズムの解明が地球外生命体発見の鍵に?

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(著) (編集)

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 これまで、光合成によるエネルギーで繁殖していたと考えられていた地球最古の生物の一種、シアノバクテリア(藍藻:らんそう)が、太陽の光が届かない地底深くで発見された。

 定説をくつがえすこの発見に、科学者らは地底には思いもよらぬ生物が存在している可能性を示唆した。そう、地球外生命にも関係のある話だ。

ダーク・バイオスフィアに存在していた、在るはずのない生物

 “ダーク・バイオスフィア”とも呼ばれる地下環境は、地表から数百メートルも続いており、まったく光の届かない場所だ。

 今回、このダーク・バイオスフィアで発見されたのは、シアノバクテリア藍藻)の一種で、これまで生きるために日光が必要だと考えられていた細菌である。

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赤い蛍光色の部分が岩石に付着したシアノバクテリアの細胞を示す image credit:F. PUENTE-SANCHEZ/PNAS 2018

なぜここにいる?光のない場所に光で生きるシアノバクテリア

 シアノバクテリアが発見されたのはまったくの偶然だ。

 スペインの国立生物工学センター(National Centre for Biotechnology)の微生物生態学者であるフェルナンド・プエンテ=サンチェス氏は、別の細菌を探すために613メートルの地下から採取した岩石標本を調べていた。

 それなのにシアノバクテリアが見つかってしまったために、最初はとんでもないミスを犯したのではと心配になったそうだ。「博士号が台無しになってしまう!」

 シアノバクテリアは少量の太陽の光さえあるところなら、地球のどこででも見ることができる細菌だ。

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シアノバクテリアが付着していたダーク・バイオスフィアの岩石 image credit:F. PUENTE-SANCHEZ/PNAS 2018

水素濃度と関連性が?

 だが、それが見つかったのは、光など絶対に届かない、完全な闇の世界からだ。一体どのようにして生きることができたのか?

 答えは水素と関係しているようだ。

 遺伝子解析によって、地中のシアノバクテリアは、カロスリックス属、クロオコッキディオプシス属、ミクロコレウス属と関係していることが判明。また岩石を採取した場所は水素濃度が減少していることも分かった。

 プエンテ=サンチェス氏らの見解では、シアノバクテリアは水素を使って日光と酸素のない環境でエネルギーを得ている。水素電子を地下に存在するさまざまな電子受容体に送り、その過程で少量のエネルギーを生じさせるのだ。

光合成に変わる事実上の生存メカニズムの発見か?

 この電子輸送システムは、これまでもほかのシアノバクテリアで発見されたことがある。しかし、今回の場合は、光合成に変わる事実上の生存メカニズムではないかと推測されている。

 現時点では仮説でしかないが、この能力は、砂漠や海中のような極限環境で生存するうえでも役に立つのではと考えられている。

 「このメカニズムはシアノバクテリアの系統で受け継がれている可能性があります。それは光合成を行わない祖先の生活を反映したものかもしれません」とプエンテ=サンチェス氏は説明する。

火星にも生命体が?期待が高まる

 そして、このことは地球だけでなく、火星のような場所の生命についても示唆に富んでいる。

 「これまで知られていなかったシアノバクテリアの生態的ニッチは、その起源や進化モデルを示唆しているとともに、地球以外の天体における現在や過去の生態圏をも指し示しているかもしれません」とプエンテ=サンチェス氏は話す。

 もちろん彼は、火星の地下にシアノバクテリアが潜んでいると言っているわけではない。しかし、未知の環境で生命が生きられる方法について理解を広げてくれたことは確かだ。

 この発見は『PNAS』に掲載された。

References: sciencenews / pnas

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この記事へのコメント 22件

コメントを書く

  1. 月の地下にも大量の水があるらしいから火星どころか月にだっているかもしれない

    • +5
  2. よくわからんが掘削機突っ込むときに地表の奴が付くじゃん

    • -4
  3. 隕石ぶち込まれぼこぼこだった古代地球にも
    細菌がひょっこり誕生し今の生命あふれる星へ
    変わったのだからこういう細菌がいても
    何の不思議もないな
    でもこの細菌が火星にいたら映画「オデッセイ」が
    別のものへ変化しそうでちょっと面白いぜ

    • +1
  4. 生存の為のエネルギーはなにも光に限定される言われはないって言うことか?
    天然のウラン鉱脈と地下水が反応して原子核分裂が発生するなんて話もありますからね、決してあり得ない事ではないかもしれませんね。

    • +3
    1. 大雑把にいうと、水素を食って生きてる生物がいるって事か?
      何らかの方法でエネルギーを生み出せるなら、それをメシのタネにしてる生物ってのもいるって事なのかもな。
      ※5 も言ってるけど、宇宙の中には体内に原子炉を持ってる巨大生物とかもいるのかもね。

      • 評価
    2. ※5
      深海の光の届かない熱水噴出孔の周りには硫化物(たとえば多くの生物には有毒な硫化水素)を使ってエネルギーを得ている生物がいます。有名なのは、スケーリーフットという硫化鉄のうろこを持つ貝(今調べたら、和名ウロコフネタマガイ)ですかね。
      「熱水噴出孔」あたりで検索してみるとその辺の情報が得られます。

      • -2
  5. 無いもんはしゃーない。
    生きていくしかないんやで。

    • 評価
    1. ※6
      まさしくソレで光が無いから滅ぶんじゃなく代わりに水素食べて何とかしてる状態
      代替燃料みたいなもんだ

      • 評価
  6. シアノバクテリアの一部に、
    光合成から化学合成に乗り換えたグループがいる、という話?

    • +1
    1. ※7
      もしくはもともと化学合成だったのが、光合成するようになったとも考えられますね。

      • +1
    2. ※7※9
      光合成は元々化学合成の一形態。確か化学合成の一形態として光合成が誕生したので,もしかしたら光合成を獲得する前のシアノバクテリアなのかもしれません。
      そもそも,現存のシアノバクテリアにも光の無い環境で(光合成をせずに)生きている種はいます。
      今回発見された太古のシアノバクテリアは好塩性細菌あたりと近縁,あるいは同様の栄養獲得システムを持っているのかもしれませんね。

      • +1
  7. だけどもうすでに日本には鳩山っていう金星人いるしな
    現存してる人類の中に絶対紛れ込んでるやつはいるはず

    • 評価
  8. ゴキブリを宇宙中にばらまけば生き残って宇宙生命体になるやろ

    • 評価
  9. このバクテリアから進化した生物の生態系が多岐に発展していたりして

    • 評価
  10. 何らおかしくはない
    遺伝子の乗り物としての構図が我々地上の生物と違うだけ

    • 評価
  11. > この発見は『』に掲載された。
    なんだろう?w

    • 評価
  12. 男にも乳首がある!人間は男でも授乳できていたに違いない!

    • 評価
  13. 電子だけで生活できるならもっとすごい場所にも何かのバクテリアがいそうだな

    • 評価
  14. これは一旦光合成依存になった生物が再び光合成に頼らなくても生きられるように進化(もしくは先祖返り?)したってことかな?それとも元々こうだったのか?
    いずれにしても細菌類の逞しさを考えると、探査機に付着していた細菌が既に火星で独自に進化を遂げて繁殖している可能性もあるかも。
    近年の探査機はその可能性も考慮して滅菌しているらしいけど火星や金星などは古くから探査機が送り込まれていたから。

    • 評価

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