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地球の地下に存在する奇妙なゼリー状の塊。月を生み出す衝突で形成されたマグマの海が存在した可能性(米研究)

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 地球のマントルに存在する謎めいたゼリー状の塊は、月を生み出すことになった衝突で形成された太古のマグマから沈殿した鉱物かもしれない。

 この塊の正体は、地球のコアの近くにあるマントルに存在する「超低速度層(ultralow velocity zone)」という層だ。

 ここを地震波が通過するとき、移動速度が劇的に遅くなることが知られている。このことは、この層がマントルのほかの部分とは何かが違うということだが、どう違うのか今のところ不明だ。

 最新の研究によれば、ゼリー状の塊は、フェロペリクレースという鉱物がふんだんに含まれている可能性があるという。

 仮にそうだとすれば、45億年前にマグマオーシャン(隕石の衝突で飛び散った一部が月になったという説もある)というマグマの海が存在した可能性を示唆している。

 結晶化し、沈殿したフェロペリクレースがマントルの基礎になったと考えられるからだ。

地球の地下に眠る奇妙なゼリー状の塊

 地球のマントルはおよそ2900キロの厚さがあるが、超低速度層は厚さ・幅ともに100キロ未満しかない。

 これまでの観察から、ここを通過しようとする地震波は30~50パーセント速度が低下することが知られている。

 だが、ここを直接調べることは不可能だ。

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フェロペリクレースを使った加圧実験

 そこで米カリフォルニア工科大学の鉱物物理学者ジェニファー・ジャクソン教授らは、地球の下部マントルの主要構成鉱物であるフェロペリクレースを使った実験を行った。

 フェロペリクレースに超低速度層と同じような特性があるのかどうか確かめるため、その少量のサンプルを圧力チャンバーとダイヤモンドアンビルセル(高圧を与える装置)で圧縮するという実験だ。

 加圧されたサンプルにさまざな角度からX線を照射し、それがサンプルから脱出するときのエネルギーを計測する。こうすることで、X線とフェロペリクレースとの相互作用を観察するのだ。

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フェロペリクレースが高圧によりゼリー状の塊に?

 その結果、高圧がなにもかもを変えてしまうことが明らかになった。

 大気圧では、フェロペリクレースから脱出するX線の波は常に一定で、どの方向から照射しようとも変化はない。

 しかし地球のコアとマントルの境界と同等の圧力がかかっていると、照射する角度が重要となってくる。

 その角度によって波が移動する速度が最大60パーセントも変化したのだ。フェロペリクレースの中を通過する波は、ある角度から照射された場合はほぼ秒速3キロだが、別の角度からの場合秒速5キロだったりした。

 大気圧において波が一番速く移動する角度(結晶構造の縁に沿った方向)は、コア-マントル圧においては一番速度が遅くなる角度になる。

 またコア-マントル圧において一番速く移動する角度は、結晶の表面に沿うよう波が移動する角度だった。このように物の性質が角度によって変わることを異方的という。

 この結果から、本物のマントルや超低速度層においても異方性があると推測できる。

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マグマの海が存在した可能性

 仮にマグマオーシャン仮説(原始の地球がどろどろに溶けたマグマの海のような状態で、それが次第に冷えて地殻や内部構造が形成されたとする説)が正しく、マントルにフェロペリクレースが存在するのだとすれば、海洋地殻がプレートの沈み込みによって奥深くへ押し込まれる際にフェロペリクレースを押し潰し、異方的な性質が生じたと考えることができる。

 ジャクソン教授は、今後地震学者と協力して、超低速度層に進入した地震波の脱出速度が、進入時の角度によって変化するのかどうか確かめる予定だそうだ。

 ちなみに実験に使ったダイヤモンドアンビルセルは手のひらに乗るくらいの小ささなのだとか。ジャクソン教授は「自分のポケットに地球奥深くの圧力が入っている」と冗談を言うことがあるそうだ。

 本研究は『Journal of Geophysical Research: Solid Earth』に掲載された。

via:livescience / caltech/ written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 28件

コメントを書く

  1. マグマの海だったかもしれない星が近隣唯一の水の惑星とか壮大過ぎてぴんとこないぜ

    • +1
  2. …で そのゼリーはウマいのかね⁉︎
    最後のジョークまでさっぱり分からんぞ!

    • -1
    1. ※6
      放射性物質なんだそうだよ
      ゆっくり冷えてゆくんだよ

      • 評価
  3. 地震のメカニズムの解明が
    少し進むかもという事か

    • 評価
  4. そういや、水素を金属にする実験が出来たのかな。
    木星内部の圧力を再現しないとならない筈だけど

    • 評価
  5. やれやれだ。やっと見つけたぜ。地球奥深くの圧力を操る能力者 をな・・・

    • 評価
  6. 人に例えれば、血豆?
    鉄棒した後に手のひらにできるマメ?
    タンコブがめり込んで水ぶくれになってる?
    スネに水が溜まるみたいな?
    まさか腹水⁉︎

    あ! テイアがぶつかった拍子に、地球がオメデタになったとか? だとすると、羊水?
    或いは、地球Jr.⁈

    • -4
  7. 10です。追加。
    内臓脂肪?
    ニキビ?
    粉瘤?
    まさか臭い玉⁈((((;゚Д゚)))))))

    • -4
  8. 教授「自分のポケットに地球奥深くの圧力が入っているHAHAHA!」

    学生「…」

    • +4
  9. もひとつ、よく理解出来んワシの為に、

    いっちょ誰か、地球を割って中身を見せてくれ。

    • 評価
  10. 泥(マグマオーシャン)に、石(ちょっと重い隕石)を投げ込んで埋まった状態って事か
    ただ、その泥が深くなるにつれ高温高圧で、入り込んだ隕石が融解し粘性が高いが核まで潜る質量が足りなくてマントル内で釣り合い漂ってると?
    まぁ、もっと核付近の圧力とか、自転に磁場にと色々と要因もあるんだろう

    • +1
    1. >>18
      やり方を上手い事せんと、マグマがぴゅー!
      てな事態に((((;゚Д゚)))))))

      • 評価
    2. ※18
      例えるなら炭素に圧力かけていったら性質変化してダイヤになったって話。

      ケイ酸塩(カンラン石など)がマントルを構成する主要な物質で、以前までマントルの上部と下部で性質が変わるから違う物質かと思われていたが、ケイ酸塩にかかる圧力の差で性質が変わる事が分かり、その後色々と研究が進んだ。

      • +1
  11. これも推測であって実際に確認した訳じゃないんだろ?

    • 評価
  12. 地球は生まれた頃は灼熱の溶岩惑星だったらしいから、
    少しづつ核物質の崩壊熱が減って冷えて行っているって事かな?
    あと数百憶年くらい経つと、完全に冷え切った惑星になるのかね?
    大陸の移動とかが有った方が、星としては面白いと思うが
    (マントル対流がほとんど無いと、地震とかも減って行くのかね?)

    • +2
  13. 思った。
    内核が骨髄。
    外核が筋肉。
    マントルが心臓。
    地殻が骨格。
    …てことは、地球は原始甲殻類? つか、甲殻類の最初の一匹?
    てか、丸型動植物プランクトンの最初の一匹⁈
    …どっちにしろ強ええ!(´⊙ω⊙`)

    • 評価
  14. ダイヤモンドアンビルか。
    あの中に、大きなダイヤモンドが2つ入ってるんだよね。
    しかも、無色透明でカットも正確な奴が。

    • 評価
  15. 真実はわからんが、画像が綺麗なので許す。解らなくても許す。( ^ω^ )

    • 評価
  16. 人間が掘った最も深い穴は15kmぐらいなんだよな
    しかもこの15kmを掘るのに20年間使ってるから
    地球の中心なんてどうやっても見れねぇやん!!

    • +2

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