
とっても恥ずかしい「入墨刑」(関連記事)が刑罰として採用され、簡単には消えないことが一般的に再認識されたことがきっかけでリバイバル・ブームとなったそうだ。
特に、博徒や火消し、鳶、飛脚など肌を露出する職業では入れ墨を「粋」だと考え、複雑なデザインを全身に施す者もいたという。
その際、モチーフになることも多かったのが浮世絵である。
浮世絵師が入れ墨の下絵を手掛けたりもしたそうで、当時、浮世絵と入れ墨、そして浮世絵の題材として好まれた歌舞伎は切っても切れない3大カルチャーだったようだ。
そんなわけで、江戸時代の浮世絵にはどんな入れ墨が描かれているのか見ていこう。
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江戸時代の浮世絵に描かれた入れ墨
アメリカ・ニューヨークに、日本を中心とした東アジア全域のアートを扱うアートギャラリー、ローニン・ギャラリー(Ronin Gallery)がある。ここで2015年4月、「タブー 浮世絵と日本の入れ墨の伝統(TABOO : Ukiyo-e & the Japanese Tattoo Tradition)」が開催された。
この企画展では、次のような浮世絵が展示されたようだ。
1. 三代目豊国作「十木伝七 中村芝翫」(1861年 / 木版刷)





また、身体装飾としてだけでなくアートとしての評価もますます高まっているみたいなんだ。
それにしてもこれらの浮世絵のような凝った入れ墨を全身に入れるとなると、かなり痛かったんじゃあないだろうか・・・別名「がまん」って呼ぶというのも分かる気がするね。
References:Spoon-tamago / Wikipedia / Ronin galleryなど / written by usagi / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
残していくべき文化で、誇るべき芸術のはずなんだがなぁ
「消すのが大変」と「反社会的勢力なイメージ」をどうにかできれば
2. 匿名処理班
刺青禁止の御触れは度々出ているのに天下に三日法度と言って長続きしないと回想する奉行の話が耳嚢副言にあった。彫り上げるには大変な金がかかるし年をとってから後悔する例も多かったのは今と変わらず。亡くなって湯灌するときに全身恐ろしげな怪物に彩られていると仏どころか鬼になりそうだと言われたりしている。
3. 匿名処理班
漁師、臥炎の掘り物は、人相不明の遺体で見つかったとき、絵柄で判別するという目的があったようで。
手編みのセーターと同じ意味があったわけだ。
4. 匿名処理班
「入れ墨」ではなく「彫り物」です。特に江戸時代以降、刑罰としての「入れ墨」と装飾としての「彫り物」は明確に区別されていました。幕末から明治にかけて、その芸術性は海外でも高く評価されていました。現在はヤクザなどの反社会集団の象徴のように扱われてて悲しいことですね。
5. 匿名処理班
東京大学医学部標本室で一度入れ墨見てみたいけど
医学的研究してないし無理だ
写真で我慢するか
6. 匿名処理班
実際に刺青した皮とか残っていないのかな?
7.
8. 匿名処理班
やっぱ刺青なんすか笑
最早分かりましたって感じですわ。
9. 匿名処理班
片岡千恵蔵バージョンで 「おぅ〜〜〜(息継ぎ) このコメント、散らせるものなら散らせてみやがれ!」
10. 匿名処理班
なんでその後廃れたんだろう?
11. 匿名処理班
赤いマスカラとかウォータープルーフとか見て
12. 匿名処理班
魏志倭人伝にも記録されてる、昔からの文化だったりする。
13. 匿名処理班
※6
「刺青人体標本」で画像検索するよろし。
でも本物の人体標本とかダメな人はやめておこうな。
14. 匿名処理班
※10
明治に入って禁止したんだよ。西洋化の弊害だな。ちなみに合法化されたのは戦後。
15.
16. 匿名処理班
※10
そもそも終戦前までは入れ墨は"違法"だったの。
米国ではタトゥーは問題なかったので、日本にも米国の文化侵略という形で、敗戦を機にGHQが解禁しちゃったわけ。
だからそもそも違法だった日本人として、入れ墨に嫌悪感を感じるのは当然なんだよね...
17. 匿名処理班
近年ではヤクザの方が刺青入れないけどね。
一般人に戻った時困るからって。地方とか小さい組は下からボロボロ辞めていってるし解散してるそうだ。なりたいって新入りもいない。
このまま消滅して欲しい。
18. 匿名処理班
※1
そういう背景を含めて入れ墨文化なんだと思いますけどね。
都合のいい部分だけを取り上げて、都合の悪い部分は故意に
忘却する。そんなものが「文化」と呼べるでしょうか?
19. 匿名処理班
昨今は外国人観光客の入れ墨は特別扱いで温泉入浴OKにしようって流れもあるね
でも入れ墨をした外国人でなおかつ日本の暴力団組織に属している人が悪用する未来しか見えないわ
20. 匿名処理班
西洋のまねごとをして刺青禁止になったんよな
批判されるようなもんでは無いと思うんやけどねぇ
21. 匿名処理班
桜吹雪は何処から図案持って来たんだろ
22. 匿名処理班
※4
イレズミも刺青と書きますよね、アートの方は。
やはり入れ墨だと刑罰を連想してしまうようで好まれなかったようですね。
23. 匿名処理班
大きい絵柄の和彫りは昔話をモチーフにしてるものが多く
ストーリー仕立てになってたり顔の向きや柄にもちゃんと意味があるから
説明付きで隅々までじっくり見させてもらうと結構面白い
24. 匿名処理班
※18
なくすのと忘却するのは違うと思うぞ。忘れちゃいけない事は記録に残せばいいわけだし
消したい人は傷跡も残さず綺麗サッパリ消せるべきで、「そういう面も含めて文化」を言い訳にして改善しようとしないのはよろしくないと思う。けども
反社会的勢力を連想しちゃうというイメージの改善は、イコール都合のいい忘却なんじゃないかとも思えてきた。んん・・・・人肌に彫るから問題なんじゃないだろうか。革製品に彫って商品化するとかできないのかな
25. 匿名処理班
ツートンカラーなのは、当時の使用可能な色が
藍色と赤だけだった事によるんだよね
26. 匿名処理班
※20
そもそも、刺青が意味を成すには
みんなに見られる場所で裸体を晒してこそだけど
(火消し・飛脚・鳶職など)、
公共の往来を裸でウロつくこと自体、野蛮な後進国
と見られるのを恐れ、禁止したからなぁ…。
27. 匿名処理班
しかし水滸伝人気だったんすねぇ
28. 匿名処理班
オカルト的な面から言うと、生き物のモチーフ
特に龍はヤバイとかどっかで聞いたような
人の体に入れることで息が吹き込まれることが本当にあり得るんじゃないかと少し信じてる
29. 匿名処理班
※3
何処か忘れたけれど、ある地方の漁師は背中に
大きな◯の彫り物を入れていたそうです。
海で鮫に襲われそうになった時、◯を目と勘違いし
大きい目を持った自分より大きい動物と思い襲われないため。
また、
海では遺体の損傷が大きく身元が分からない時に、本人確認の
ために彫り物が有効だったとか。
30. 匿名処理班
※16
西洋にかぶれて違法化したせいで「彫り物=スジ者」みたいなステレオタイプが固定化したんでしょ。
ていうか散々西洋のマネしておきながら文化侵略云々ってなんか滑稽だよね。
31. 匿名処理班
裁判官と警視総監を足したような立場の人まで、鮮やかな桜の彫り物をしていたくらいだかんな
32. 匿名処理班
3Dプリンターで肌に即席の印刷が出来る様になるんじゃないかと思ってる。ファッションとして考えるなら服の様に着替えたりアクセサリーの様につけ外し出来る方が良い。痛い思いもしなくて良いし、印刷も正確だし、公共の場に出る必要があれば簡単に落とせる奴。
33.
34. 匿名処理班
痛み以外に針の使い回しで肝炎に感染したり、顔料に含まれる金属のせいでMRI受けられなくなる可能性あったり現代では医学的なリスクもあるんだよね
文化としては凄いと思うけど、※32みたいなライトな形に変化しない限り継承は難しそう
35. 匿名処理班
暴力団を再び跳梁跋扈させたい連中の刺青擁護酷いな
先人がどれだけ苦労して公の場から排除したと思ってるんだ
36. 匿名処理班
昭和の半ば頃までは暴力団と関係ない職人も大小の違いあっても刺青している人が結構いました。これは現在の欧米あたりのタトゥーと同じ感覚だったろう。職人が個人経営未満から、なんらかの組織に組み込まれると減っていった感じ。
和彫は見るのも嫌だ排除しようというのは人の気持ちの問題が大きいから、和彫の伝統云々と言っても逆戻りは無理だろう。絵柄とセンス残したいなら、なめし革にでも模様入れて工芸品にしようとか? くらいの先行きかもね。
残すべきという人はやっぱり自分の体に入れて残すのが早道。
私はそこまでしたくないから絵柄とか風俗とか興味深いけれど、きっと本音ではなくなっても仕方ないと考えているのだと思う。
37. 匿名処理班
いつも思うんだけど彫り師のみんなはどこで練習するんだろう。
みんな最初は一年生だろうに。
38. 匿名処理班
※37
江戸時代はしなびた大根に針で墨を入れることから練習したらしい。
39. 匿名処理班
体に模様が入ってるのは蝶、蛾などの虫、毛虫、蛇などの爬虫類
思うにこれらを恐れるか、あこがれるかが心理的な分かれ道ではありますまいか
40.
41. 匿名処理班
和彫り入ってる人ってその筋の人だけだしなあ
都内で下町の銭湯に行くと彫り物背負ったパパが小さな子とお風呂に入ってたりするのをたまに見かけるけどアレに文句を言って追い出すのはちょっと可哀想な気がする(周りのみんなも見なかった事にしてる)
現状、彫り物に嫌悪感を持つ一般人が多いので開放しろってのは無理だろうね
42. 匿名処理班
※31
遠山の金さんが実際に彫り物してたか記録はないらしいよ
ただ若い頃ヤンチャしてた+偉くなってからしきりに腕を袖で隠すクセがあったのでそう推測されたらしい
まあ実際に墨入れてたとしても、反応からするに役人として誇れることではなかったんだろうね
43.
44. 匿名処理班
※37
現代の彫り師だと、自分の脚を
けっこう無秩序に使いつぶして練習するらしいけど。
あとは、協力が得られるなら
家族に服で見えにくい箇所に入れさせてもらうとか。
45. 匿名処理班
ホラーゲームの零やってても思ったけど妙に魅了される色気があるよね。
46. 匿名処理班
この調子でジャパニーズトラディション、抜歯とお歯黒と貫頭衣も復活させよう!
俺はやらんけど
47. 匿名処理班
彫師って、確か厳密には医師免許必要だよね?
でも医師兼彫師なんて全国にどれほど居るのやら。
医師だからって美的センスもあるとは限らないし。
建前と現実との乖離が、日本でのタトゥーフォビア(とでもいうのかな)を固持してる気がする。
48. 匿名処理班
芸術性は高いが江戸時代からも入れ墨は反社会的者がしていた
和彫、彫り物と名前を変えてもそれは変わらない
江戸時代の犯罪者は体に犯罪者の証として腕などに入れ墨を掘られたけど
それを覆い隠すために図柄を彫る事が発展したとの意見もある
あまりにもそれが横行したので額に犬の字を段階的に彫る方法が生まれた
49. 匿名処理班
ブラックジャック先生 ありがとよ
50. 匿名処理班
※46
貫頭衣だけ時代古すぎやしませんか
51. 匿名処理班
※30
西洋化による強い規範意識の文化によって上書きされたんじゃないかなぁ
52. 匿名処理班
※1を始めとして、元々日本の文化だったんだからって刺青を推奨する人は
21世紀の現代日本で、日本の伝統的な髪型だったからって理由でちょんまげを受け入れるべきとか思うのかな(笑
53. 匿名処理班
※19
意外に思うだろうけど元々禁止じゃないとこって多い
※16
元がそうだったとしても普通に893=刺青の印象だからだよ
記事にも書いてあるけど江戸時代から犯罪者に入れるってのが流行のきっかけだったし
違法ではなく流行ってたとしても一般人はいれなかったんじゃない?
解禁されても入れるのは893くらいだったから
浴場で禁止なのも一般客が893怖がるからだし
54. 匿名処理班
刺青もタトゥーも彫り物も受け入れたくない!
無理!
55. 匿名処理班
彫りを入れて、それを芸術に昇華できるかは、入れた本人の生き様も伴わないと難しいと思う。
56. 匿名処理班
皮膚に絵が乗ってるのは単純に美しいし面白いと思う
掘るのはハードルが高いのでシールでもヘナ等のペイントでももっと流行ればというかファッションの一部として許容されて欲しい
どうも刺青=覚悟を見せるもの、みたいな風潮が強いせいでシールやペイントでやろうとすると覚悟が伴わないハリボテみたいな扱いになってしまうのが残念
脅しの道具というがファッションと許容されれば脅しにも使われないんじゃないかな