
これは巨大衝突説とも呼ばれ、数十億年前に原始地球と火星サイズの大きさの天体が衝突したことにより月が形成されたという説だ。
だが新たに判明した事実がこの学説に疑問を投げかけている。
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ジャイアント・インパクト説の矛盾
米カリフォルニア大学デービス校のサラ・スチュワート(Sarah Stewart)博士とハーバード大学のサイモン・ロック(Simon Lock)氏が『Journal of Geophysical Research』に掲載した研究は、月の形成に関する新たな仮説を提唱している。それによると、いわゆる「ジャイアント・インパクト説」には矛盾があるという。現在、有力とされる仮説では、45億年前に地球が「テイア」という火星サイズの天体と衝突したことで、その一部がえぐり取られ、月が形成されたと説明する。
だが、地球に火星サイズの天体1個が衝突して月が形成されたのなら、月の成分の5分の1は地球に由来し、残る5分の4は衝突した天体に由来することになる。
しかしながら、実際には地球と月の成分構成(例えば酸素同位体比)がほぼ同一であることから、ジャイアント・インパクト仮説には問題点も存在していた。

回転する雲の環「シネスティア」の存在
しかし新しい月起源モデルからは、地球が発達するごく初期段階に、気化した岩石で構成される「シネスティア(synestia)」という回転する雲の環が形成され、ここから月が出現したと示唆されている。スチュワート博士とロック氏の唱える新説では、テイアと地球の巨大衝突後、月が地球のシネスティアの中で形成されたと主張している。月と地球の組成が似ていることも、これによって説明できるという。
「新説は、現在の仮説では解決が難しい月の特徴を説明する。月は化学的に地球とほぼ同じであるが、いくつか差異もある。本モデルは、そうした月の組成パターンに一致する初めてのもの」とスチュワート博士は声明を発表している。

天体衝突によりシスティアが月となった
新説によれば、惑星サイズの2つの天体が衝突したことで、岩石・ホットダスト・液体が高速で回転するシネスティアと溶けた核が形成された。シネスティアはやがて自らの重力によって崩壊し、月のような惑星になった。衝突の後、地球の10パーセントほどが蒸発し、残った液体の岩石の中に小さな月の原型が誕生した。やがて構造全体が収縮し、雲の中から月が出現。さらにシネスティア全体も凝集し、回転する液体岩石の球が残された。これが今日地球と呼ばれる天体となったとロック氏は説明する。
References:onlinelibrary / rt/ written by hiroching / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
どっちにしても追突説ではある。
2. 匿名処理班
巨大衝突そのものを否定してるわけじゃないんだな。
3. 匿名処理班
いやいや、月は今は無き惑星ミネルバのモノでしたから、はい。
ミネルバ崩壊後に地球の軌道に収まった物ですから、はい。
4. 匿名処理班
月って地球に生物が住めるようにするためのシステムの一部みたいなんだよなぁ、偶然にしては出来過ぎな要素が多すぎてロマンがある
5. 匿名処理班
ジャイアント・インパクト説と差がないように思えますが?
6. 匿名処理班
よう、わからんよ??
7. 匿名処理班
地球より月の方が出来たの早かったんじゃなかったっけ
8. 匿名処理班
矛盾に対して都合の良い話を持ってきたと言う事か
9. 匿名処理班
ついこないだ月の内部が空洞だって判明したらしいけどどうなんだろう
10. 匿名処理班
月はプリンセスセレニティが作りました。
11. 匿名処理班
あんな遠いところで収斂するの?
12. 匿名処理班
ないないw
ジャイアンと印旛クンは「組成が近い」が高いんだよ。
当たり前だろ、生成時期も場所も似通っているんだから。
13. 匿名処理班
地球にもリングがあった時代か
14. 匿名処理班
ちょっと何言ってるかよくわかんない(サンドウィッチ感)
15. 匿名処理班
この案はきちんと検証されるのかな
月含め太陽系の成り立ちは解ってない事だらけ