
ヒョウの子が見つかったのはサトウキビ農園の畑の中だった。発見した農夫が気の毒な3匹をどうにか母親の元に返してやりたいと現地の救助スタッフに助けを求めた。
母親をおびき出す作戦は難航したが、その5日後、ようやく母親が現れた。母親は大事そうに我が子を口にくわえて森の中へと連れ帰っていた。
母子の感動の再会の瞬間が暗視カメラにとらえられていた。
Three leopard cubs reunited with missing mother
サトウキビ畑の中にいた3匹のヒョウ赤ちゃん
昨年11月初め、インド西部のマハラシュトラ州ナシック市近郊にある小さな村、ブラーマンワーダのサトウキビ農園でヒョウの赤ちゃんが3匹見つかった。発見者は農園で作業中の男性である。野生のヒョウにとって背が高いサトウキビが密集する畑は絶好の隠れ場所だ。だが子どもを置いておくと、畑で働く人に発見されてしまうことがあるのだ。
母子を再会させる為の作戦が決行される
しかし母親は一向に現れず赤ちゃんは放置されたままだ。心配になった男性はなんとか母子を再会させたいと思い、森林局に協力を仰いだ。その連絡は森林局から野生動物救助団体を通じて州内のヒョウ救助センターに届き、すぐに救助スタッフが現場にやってきた。
動物学者が3匹を診たところ、彼らは生後3週間ほどのオス1匹とメス2匹でみんな健康だった。
きっと母親はこの子たちを探しているはずだ。
スタッフはヒョウの母親が自然に子どもたちを発見できるよう3匹を畑に置き、しばらく様子をうかがった。しかし残念なことに母親は現れなかった。
5日後、ついに母親が現れる!みんなで森に戻っていきました
そこで救助者たちは、今度はもっとヒョウが気づきやすい場所に3匹を移動させ、天敵に襲われないようプラスチックのカゴをかぶせて母親を待ちつづけた。
image credit:WILDLIFE SOS
すると5日目、ついに母親が森の中から姿を現した

image credit:WILDLIFE SOS
設置した暗視カメラに映った母親は、警戒しながらカゴに近づき中をうかがう母ヒョウ。カゴをひっくり返し、元気な3匹を発見!やっと見つけた!赤ちゃんの無事を確認しつついとおしそうに舐めていた。その後幼い我が子をくわえ、大事そうに運びつつ森に戻っていった。

image credit:WILDLIFE SOS
人間と野生動物の衝突回避にも役立つ
現地のヒョウは繁殖地が激減しており、インドヒョウは絶滅危惧種としてレッドリストにも含まれている。だがヒョウの中には、家畜を狩る個体もいるため農民との対立が生じており、農家の人間がヒョウに襲われる事件も起きている。
しかし今回のような手助けが問題を緩和させる可能性もある。野生動物に詳しい地元の専門家は、わが子を探す母親に子どもを会わせることが人間と野生動物の衝突を避けるのに役立つと話している。
サバイバルスキルを教わりながら育つヒョウ
現地の野生動物救助団体はヒョウたちを可能な限り助ける意向を示している。彼らはヒョウが野生に帰り自由に生きられる日を願っているのだ。団体はヒョウの救助の他にこうした母子の再会にも力をいれている。なぜならヒョウの子は生後18カ月までの間に母親からサバイバルスキルをきちんと教わりながら育つからだ。
彼らが習う技はこっそり獲物の跡をつけたり獲物を見つける方法などで、野生で生きるヒョウにとって不可欠な成長過程でもある。
やっと母親に会えた3匹の子どもたち。母親もきっと喜んでいることだろう。彼らの環境は厳しいけれど、みんな元気に育ってほしいものだ。
via:dailymail / express / youtubeなど / translated by D/ edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
日本でも田畑の草刈りをしているとタヒバリの巣や雛を発見しまうことがあります。
草むらの地面に隠されているので、そこだけ刈らずに残すのですが、大抵は猫やカラスに食されているみたいです。
2. 匿名処理班
そりゃまあそこだけ刈らずに残したらバレバレですからな
3. 匿名処理班
子供の声が聞きたくて音量上げたら最後爆音になってビビったわ
4. 匿名処理班
割と大雑把な方法なのに
有効だったので驚き
5.
6. 匿名処理班
こういう姿勢は日本も見習わないとな。
少なくとも目下の危険と単調な理屈で先に対して思考停止してる日本よりは意識高いわ。
7. 匿名処理班
インドでは最近、街中に現れるヒョウが増えてるらしいね
8. 匿名処理班
人間や薬品のにおいでも付いてるんじゃ・・・と思ったけど、育児放棄されなくて良かった
9. 匿名処理班
スカイフィッシュ飛んどるやん!
10. 匿名処理班
くまモンや!
11. 匿名処理班
サバイバルスキル「人間の手を借りる」
12. 匿名処理班
お母さんは食べ物を捜しにいって、
なかなか見つからなかったのかもしれないなー。
やさしい農園の人でよかった。
売り飛ばして劣悪な環境でペットにされたら
悲惨すぎる。
13. 匿名処理班
可愛いなぁ
14. 匿名処理班
インドではこのヒョウより下に扱われる人間の生がある
申し訳ないけど、インドの動物愛護の記事を見るとモヤっとします
15. 匿名処理班
心配になる気持ちは分かるけど、周囲の人の気配に感づいていたせいで
5日間も回収出来なかったんじゃないかと思ったり