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驚くべきハリケーン対策。巨大イカダを作り上げ戦略的移動を始めるヒアリたち

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(著)

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 2017年8月25日にアメリカに上陸した巨大なハリケーン「ハービー」はテキサス州に史上まれにみる大洪水を引き起こしたことでも話題になった。

 その頃日本では、数か月前に発見された南米原産の特定外来生物ヒアリが次々と目撃され、その生態が一般にも知られつつあったが、すでにヒアリが定着している北米においては、今回の洪水で侵略的なヒアリの恐ろしさがよくわかる衝撃的な画像が拡散していた。

 水害に遭ったヒアリは群れてイカダを作り、再び地面に達するまで水面に浮かぶ性質がある。だが、それが大規模な洪水になった場合、生き残りをかけたヒアリたちはもっと分厚く巨大な群体を形成し、戦略的な移動を始める危険な存在になるというのだ。

ハービーの洪水でヒアリが巨大なマットに!

 現地では湾岸沿いに洪水が発生するたびヒアリの被害が起きることは過去にもあったが、今回のような大洪水ではヒアリの群れかたもハンパなかった。

 米テキサス大学の昆虫学の学芸員であるアレックス・ワイルドは、ツイッターユーザーのBill O’Zimmermannがシェアした、氾濫した川に広がるヒアリの群れの画像を見て「なんてことだ!こんなに巨大なイカダは見たことがない!」と、ツイッターでつぶやいた。

茶色いだろ?これみんなヒアリなんだぜ

 だが研究者であるワイルドはこの出来事をとても論理的だとみている。なぜならヒアリは移動手段となる洪水が大好きだからだ。が、そんなヒアリの性質を熟知する彼からみても、今回のイカダのサイズは型破りなものだったという。

洪水で毒の量が増加し、侵略的で危険なアリに変化?

 米ルイジアナ州立大学の昆虫学者リンダ・ブイは、2005年8月末に上陸したハリケーン 「カトリーナ」が去った後、避難した人々が脚や腰の周りに発疹ができて病院にやってきたのを覚えている。彼らはみな洪水に遭った人だった。

  その症状はどの医療専門家も見たことのないものだった、と彼女は語る。「彼らは文字通り”火の蟻”なんですよ」

 これが気になった彼女は、後に浸水したヒアリの毒について調べた。すると 浸水したヒアリが持つ毒液の量は通常のヒアリの1.65倍という2011年の論文が見つかった。それは彼らが洪水の影響で通常よりも侵略的かつ危険なアリになることを示す。

洪水のせいで危険なアリに変身?

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 またブイは、ハリケーンの後の清掃でもヒアリには気をつけるべきだという。洪水中に群れるヒアリたちは、ごみのようにも見えるからだ。

 だが、水の上で群れたヒアリには苦手なものがある。それは食器洗い洗剤だ。それはちゃんとした駆除剤ではないが、洗剤でイカダの表面張力が崩れて沈むだろう、とブイは語る。

溺れて激減したヒアリの再上陸を防ぐ

 ニューオーリンズ周辺のヒアリの群れは、カトリーナによって恒久的に抑制されたとブイはみている。

 水に浮かんだヒアリのイカダは3週間程度は持続するが、大部分は1週間で崩れ始めるからだ。しかも一部の地域は、水が汲み出されるまで何週間も浸水していたため、多くのアリが溺れたのだ。

生き残りを賭けて水に浮かぶヒアリたち。その行先は・・

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image credit:brant_kelly/flickr

 洪水後、ブイと彼女の同僚は、陸に戻ったヒアリが水が引いた地域に再びコロニーを作るのを防ぐ農薬プログラムを開始した。今のところそれは効いているようだ。

テキサス州の洪水でヒアリはどうなる?

 テキサス州のヒアリのイカダがどうなるかは、浸水が引く早さにもよるし、イカダの中にいるヒアリの種類にも影響されそうだ。

 ヒアリはもともとは一匹の女王の周りにコロニーを形成していたが、いつの間にか一部の個体が他のコロニーを認識する能力を失ってしまった。

 突然変異したこのヒアリは、複数の女王がいて互いに行き来ができる大きなコロニーに住む。こうした複数群は新たな場所に上陸してもうまくやっていける。

 だが、一匹の女王しかもたないヒアリのコロニーは、上陸した先で別のヒアリと領土の取り合いを始めるだろう。

複数の女王をもつヒアリのほうが生存には有利なのか?

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 まあ、住んでいる土地を占領しようとするのはヒアリに限った話ではないが、ヒアリにまつわる朗報が一つだけある。

 実はヒアリの大好物はダニなのだ。ワイルドによると、ヒアリが上陸した場所は、ヒアリに注意しなければならないがダニは完全にいなくなる。それは素晴らしい点といえそうだ。

via:TheAtlantic / Boing Boing など・written by どくきのこ / edited by parumo

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この記事へのコメント 23件

コメントを書く

  1. 写真見て洗剤垂らしたいなーと思ってたら本当に浮いてるヒアリの弱点だったのね

    • +12
  2. 本当そうプログラムされてるんじゃないかってくらいに賢く凄まじいな

    • +3
  3. 浸水したヒアリは毒が倍になるだと…?火に油注いだみたいな事になるのか…

    • +6
  4. ダニに噛まれるかアリに噛まれるかだな…
    アレルギーで死ぬかライム病で死ぬか
    難しい二択だな…

    • +8
  5. 可哀想だが団体で浮いてるところをバーナーで焼き殺しちゃうのも手なのではないかなあと思った
    でもやりすぎると生態系に影響でちゃうんだろうから加減が難しい

    • +2
  6. アマゾンからの外来種だから絶命させても問題ないよ

    • +9
  7. アップにするのやめてくれ・・今回別に必要なかったろ

    • -2
  8. こうやってかたまってくれたら逆に駆除が楽そう
    そのまま目の細かい網で掬って一網打尽に…という発想は安易なのかな

    • +2
  9. これ、待ってたよー。避難した人々も襲われたのか。。。
    しかも毒性強化。ほんとうに気の毒だ。
    絶滅は無理でも、数を減らせたらいい。
    アリクイは。。。ムリなんだろうな。

    • +3
  10. こいつらだけを吸い込める掃除機で、水面に群れてるのをガーッっとやれたら最高にスッキリしそう

    • +7
  11. 人類にとっては迷惑な話だがすごいなヒアリ

    • +2
  12. ダニ食べるなら、もうちょっと性格穏やかで毒がなければ目の敵にされることもなかっただろうに……

    • +1
  13. アントマンで見た。
    でも実際には僕らにとっては敵なんだなぁ…悲しい

    • 評価
  14. 食器洗い洗剤を5倍の水で希釈して霧吹きで噴霧がコスパ良し(笑)
    ボウフラに吹き掛けると沈む沈む!
    誤ってゲンゴロウ迄、殺虫してしまったが・・・・・・彼の尊い犠牲は無駄ではない!
    今年、蚊に刺されなかった・・・・・・自宅では。
    職場で3回程刺されたぐらい。

    あと、ベランダに蜘蛛が巣を張り易いようにすると蚊防止バリアーになると友人が言っていたが普通の人には無理!(笑)
    アレ?ヒアリがなぜ蜘蛛や蚊に・・・・・・

    • +1

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