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古典的な量子力学の実験によって人間の心の境界を明らかにする

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(著) (編集)

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 心と物質の境界を、量子力学においてよく知られた実験の応用で検証できるかもしれない。

 過去20年の間、「ベルの試験」という実験によって量子力学の奇妙さが確認されてきた。これはかのアインシュタインをして「不気味な遠隔作用」と言わしめたものだ。

 今、このベルの試験を応用した前代未聞の実験が提唱されている。それが対象とするのは意識である。仮にここで量子力学からの逸脱が確認されれば、人の心が非物質であることをほのめかす最初の手がかりが得られたことになる。

不気味な遠隔作用とは?

 不気味な遠隔作用とは「量子もつれ」という量子効果を指したものだ。2つの粒子がもつれていた場合、片方の粒子の状態を測定すると、何光年先であろうとも即座にもう片方の粒子に状態が伝わる。

 しかし、それには宇宙の速度の限界である光速を超えてシグナルが伝わらなければならない。このためにアインシュタインは量子理論のどこかに不完全な点があり、瞬間的に距離を超える効果なしに粒子の振る舞いを説明するさらに深遠な理論があるはずだと考えた。その深遠な理論は今もなお一部の専門家が捜し求めている。

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デカルトの実証

 1964年、物理学者のジョン・ベルは粒子が実際に互いに影響し合うのかどうか検証する方法を考案した。彼が考案した実験ではまず1対のもつれた粒子を作り、A地点とB地点に送る。A地点には粒子のスピンを計測する装置が置かれている。

 装置は45度かマイナス45度のスピンを計測するといった具合に設定を変えることができるが、それは乱数生成器によって決められる。また、実験は計測時点においてAがBの設定を知ることはできないし、その逆もありえないように実施される。

 いくつものペアを計測したとき、もし量子力学が正しく、不気味な遠隔操作が確かにあるのであれば、計測結果はアインシュタインが正しい場合よりもはるかに高い相関性のあるものとなる。そして、これまでの実験では量子力学に軍配が上がっている。

 しかし乱数生成器は完全にはランダムではないのではないかという議論もある。まだ理解されていない物理に従っている可能性もあり、この”超決定論”によってこれまで観測されてきた相関関係が説明されうるかもしれないのだ。

 カナダ、ペリメーター研究所のルシアン・ハーディは、AとBは物質世界とは別の何かによって支配されているかもしれないと主張する。すなわち人間の心である。フランスの哲学者デカルトは心と体の二元論を発展させ、心は通常の物理の外にあり、物理世界に干渉すると考えた。

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自由意志の存在

 この仮説を検証するため、ハーディはある実験を提唱する。そこではAとBを100キロ離れた場所に設定し、それぞれの地点で被験者100人に脳波計をつけ、それぞれの脳の活動が読めるようにし、各地点における測定機器の設定が脳波信号で切り替わるようにした。

 その狙いは、AとBにおいて膨大な回数の測定を行い、粒子が最初の位置から出発してから到着し計測されるまでの間に、脳波の信号がAとBの設定を変化させた割合を調べることだ。

 その際の相関関係がこれまでベルの試験によって確かめられた結果と一致しない場合、それは量子理論からの逸脱を意味し、AとBでの計測が標準物理学の範囲を超えたプロセスに支配されていることが推測される。

 これが確認されれば、自由意志の存在について議論が白熱することは間違いない。物理学は物理世界を説明するものであるが、人間の心は同じ物質でできていないということになる。したがって物理を自由意志で克服できる可能性を示唆するのである。

 はたして結果はどうなるだろうか。何も起きないという可能性も相当にある。その場合、今まで通りの量子力学が残る。だが、もし驚きの結果が得られば、その意味合いは計り知れない。科学者が史上初めて心と体の、意識の問題に触れた瞬間となるのだ。

via:A classic quantum test could reveal the limits of the human mind/ written hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 41件

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  1. アインシュタイン博士曰く
    良心無き科学は身体の一部欠損
    科学無き良心は不自由(奴隷)らしい

    • +5
  2. 負けることを期待しながら「なにもおこらなかった」に賭けることにしよう。

    • 評価
  3. 絶対零度下にある量子は時空が停止している為に物理法則も停止する
    量子の非局所性が生じる為に物理法則は適応できない

    崩壊寿命が無限の光子も光速で運動している以上は時空が停止している状態にある
    量子テレポーテーションは時空が凍結している為に最初の位置から一歩も動いていないだけ

    ベルテスト(笑

    • -14
    1. ※5
      [指摘1]
      絶対零度下 (エネルギーが最低の状態) でも不確定性原理のため、原子の振動は止まることはなく零点振動をしている。
      [指摘2]
      「量子テレポーテーション」は物理的な移動を意味する現象では無い。
      [指摘3]
      「ベルの試験」は光子の移動速度に関する試験では無く、記事にあるとおりシグナルの光速度を無視した伝達を試験する。
      その原理や理論を確認する試験では無い。

      • +8
    2. ※5
      ちょっと面白いw
      思わずマイナス押しちゃった

      • +1
  4. 仮にそうであるなら
    AとBの間に隙間なく何かがあって、排他的に双方同士にしか関与しない係数になるんだろうよ
    距離をいくら離しても物理的に距離が0ならば挙動は同時になるんじゃねーの

    例えば形の変わらない長さ2光年の棒を捻ったら2光年離れた両端は同時に捻られるわけだ
    その棒は光よりも早く情報を伝えられるがその情報が伝わるのは光の速さで2年後

    つまりアナクロが最速って事だな

    • -5
  5. よく分からん!
    結局まだ何も分かってないってことではないの?

    • +5
  6. ”こうした場合の確率はこうなる”という様な数値が
    はじめから決まってるんだよ。
    「量子もつれ」などと言っているのは
    決まった数値に収束していってるだけなんだよ。

    • +1
  7. 実際は伝達しているのではなくて人間の知能で理解できない何かがあるだけ
    アインシュタインの言ってる事の方が正しいとは思うよ
    人間は理解できないものはそういうものに結び付けたくなるけど
    理屈がわかればたいしたことはなかったってのが科学

    • +8
  8. 実際に宇宙空間の真空に直に触れて感じてみるってのもいいんじゃない?宇宙の他の特性に気づいたりして。ただ終わる方が確率高いけど。

    • 評価
  9. 何かあったら超能力の存在が否定できなくなるってことかねこれ

    • 評価
  10. 最近、量子力学って実は非常に文学的な分野なんじゃないかと思い始めてる
    この記事のような、量子や素粒子に関する難解な説を理解しようと
    無い頭をフル回転させるたび、
    深遠な文学作品を読んでる気分になってしまう

    • +6
    1. ※13
      理論物理学の数式とか実際の観測事実と合わなくなると毎回書き換えるので文学と変わらん(笑

      • -3
      1. ※15
        文学は観測事実に合わせて書き換えたりしない

        • +3
        1. ※31
          社会や時代がちょろっと変化しただけで装丁変えて出し直したり
          新訳やら超訳やら「よく分かる」やらが大量に出る
          んですが文学も…。

          • -2
  11. 全宇宙の中で人間と動物の意識とそれに基づく行動だけが物理法則以外の自由意思で動く
    その他の太陽の核融合だろうが木星の大赤班だろうが全部法則通り
    というわけで意識が量子に影響もたらしてもそれほど不思議じゃない

    • +1
  12. 多分一回の実験で分かるようなものではないだろうな。
    これで結果がでなければ謎は暗雲に包まれるだけ。

    • +1
  13. 人間に予測できないくらい量子はランダムに動く
    だから、タイムパラドックスが起きない範囲で未来から過去に情報を伝達できる(情報の伝達がランダムなので人間の通信には使えない)
    っていう話だと思う

    量子力学の革命は物質の本質がランダムであることの発見で、これがわかっていれば量子もつれの超光速を自然に説明できるんだと思う

    • 評価
  14. 全然よくわからんのだけど、量子コンピューターを脳から直接操作できるかもしれないってこと?

    • 評価
  15. 量子が、本質的に高次元空間に存在していると考えるならば、3次元上で離れていても、より高い次元の中では繋がったままかもしれない。情報が高次元空間を伝わると考えれば、3次元の外に無時間のネットワークを想定できるかもしれない。

    • +3
  16. マスエフェクトというゲームでの、とある情報伝達方法がまさにこれ

    • 評価
  17. 是非後日、実験の結果も漏らさず
    記事を載せてくださいお願い致します

    • +2
  18. 量子さん キスさせてぇ~ いいじゃないのさ~ 何故、逃げるのよぉ~♪

    • +1
  19. なんかこれだ仮説と実験が対応してない気がする
    俺だけ?

    • +2
  20. 「流れよわが涙、と警官は言った」でそんな感じの実験を繰り返してた

    • 評価
  21. 良く判らないのだけど
    箱1での変化が、距離の離れた箱2に同時に現れるって事でいいのかな
    これで完成させたら、宇宙科学の通信問題や他惑星の調査が超楽になるよね
    コマンド送って受信15秒 受信して再度データ送信して15秒 往復30秒
    地球に居ながら探査潜のボックスの変化を 地球で分析してリアルタイムで対処したり
    火星の探査潜をラグなしで見られるなら、凄い役に立つと思う

    • 評価
  22. 感覚だけど、量子学と脳の関係性ほどかけ離れてるもんはないだろ。意識なんて複雑に現象が絡み合いすぎて立てたペンがなんで倒れるかを証明しようとするくらい無茶な気がするんだが。こんなもんに時間割いてる暇があるんなら量子コンピューター作りに専念して意識の仕組みを計算した方がよっぽど有意義だよ。

    • -3
  23. 不確定の粒子が光の速度を超えて情報伝達されると思えるけど、実は不確定の粒子が移動するときに物理現象の速度限界範囲で目標地点まで運ばれてる。この時点ですでに移動エネルギーとかかる時間は消費されてるので、瞬時に情報が伝わったとしても、すでに時間とエネルギーは前借りされてるので、何の不都合もない。とか言うてる人いたわ

    • 評価
  24. 仮定だとしても進化の過程で必要だから「自由意志」を獲得した訳だよね?
    なんかもう生存するためなら何でもありな気がしてきたな。

    • 評価
  25. 記事のは量子が脳波に影響を与えるかを調べる実験だけど、逆に意識が量子に影響を与えるかの実験はテレビで見たな
    光子がふたつのスリットのうち片方だけ通るように念じる実験や、世の中の大きな出来事と世界中に設置した乱数発生器の乱れを調べる実験などね

    • 評価
  26. こないだモーガンフリーマンの番組でやってたけど
    量子力学はさらにミクロの2進法のような単純な法則に支配されている可能性も高いみたいだよ

    • 評価
  27. 実験結果はいつごろ発表されるんでしょうね。

    • 評価
  28. サイコキネシスの存在が実証されちゃう?

    • 評価
  29. 結局この実験どうなったんだ
    まさかまだ実施されてないとか?

    • 評価
  30. 高次元でつながっているかもとの指摘がありましたが、私も同意したいです。
    量子論はまだ基礎段階なのではないでしょうか。

    • 評価
  31. 昔から言われてる量子テレポートだよね
    これって結局調べてなかったんだ・・・

    • 評価
  32. 脳波の数値が物理法則的じゃないのか。
    とにかく結果を教えろ。

    • 評価

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