チェルノブイリの原子力発電所の事故(1986年4月26日)から28年が過ぎた。今やこの地は人気の観光スポットとなりつつある。ガイガーカウンターを片手に多くの人が、時が止まった状態になっているこの地を訪れているという。
人の心の奥底には、惨劇が起きた場所を見てみたいという本能的欲求があるようだ。それは自らの身の危険を犯してでも惹きつけられるほど強烈な欲求なのかもしれない。
映像は今年2月、チェルノブイリツアーに参加した人々が撮影したものである。
Happy travelers at Chernobyl in February 2014
ウクライナの首都キエフから100キロほど離れたチェルノブイリ原発周辺の立ち入り禁止区域には、外界から遮断され、時が止まった空間となっている。チェルノブイリのツアー参加者はバスガイドにこう告げられる。「高濃度の放射性物質を含むキノコ、植物類には触らないこと。戸外で物を食べたりたばこを吸ったりして、放射線を発する物質を体内に取り込まないこと。」
以下の写真はフォトグラファーであるゲルト・ルードヴィッヒがツアーに参加して撮影したものだ。
1986年の原発事故以来、ウクライナのプリピャチ近郊のチェルノブイリはゴーストタウンと化した。しかし今、うち捨てられたこの町には観光客が頻繁に訪れる。観光客によって置かれた人形がたたずむ。
事故の5日後、メーデーの日にオープン予定だった遊園地。今はまた違った意味でのアトランクションとなっている。
訪問者の中には、福島の原発近くに住んでいた人もいる。記念碑にガイガーカウンターを立てかけて、新設された3万2000トンのアーチ状保護壁によって反応炉からの放射能がいかにブロックされているかを示している。
床に散らばるガスマスクの山。ソ連の学校では普通に使用されていた。こうした現場も人気の観光スポットになっている。ひとりの観光客が写真を撮るためにマスクをかぶっている。
廃品回収業者が使える物を運び去り、自然は元の静けさをとり戻りつつある。子供の遊び場の近くにぽつんと捨てられた人形が、ここが消滅した町であることを不気味に彷彿とさせる。
訪問者がたびたび風景にそれとなく手を加える。無人の学校で、残されていた子どものおもちゃや、ウラジミール・レーニンのような象徴的な人物の本を使って奇妙な情景が作られていた。
かつての人口は5万人、ソビエトのモデル都市だったプリピャチはゆっくりと朽ち果てている。現在は立ち入り禁止区域に200人ほどの村人が住む。
草が生い茂る遊園地で、アルミホイルで覆ったヘルメットをかぶって、雨も気にせずにバンパーカーで遊ぶフィンランドの学生。
via:acidcow・原文翻訳:konohazuku
こちらの映像はゴーストタウンと化したプリピャチの建物の上から観光客が撮影したものである。
Chernobyl-Rooftops of Pripyat (2014)
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コメント
1. 匿名処理班
行きたくねぇ。
2. 匿名処理班
福島とかも野生動物が戻ってきて世紀末感でてて良い感じだよ
3. 匿名処理班
そろそろコンクリ変えないと駄目なんだっけ?
4. 匿名処理班
完全にSTALKERだな
5. 匿名処理班
福島の先輩だから学ぶことは多いね
どうすれば金になるのかとか
6. 匿名処理班
STALKERやってから一度行って見たい場所
しかし今は情勢が良くないよね いけるのかな?
ソ連だから起きた事故で、ソ連だから収束できた事故
7. 匿名処理班
こういうのは見習ってはいけない
わざわざ観光地にするくらいならさっさと除染して元の姿に戻さなければならない
8. 太郎
海外はFPSのゲームにも登場させるけど、日本じゃ商業利用は絶対に無理だろうね。
「被害者の心情がー」とか「風評被害を助長する」とかの一方的な発言ばっかを取り上げて、観光に利用するような逞しい考え方を全否定しちゃうし。
事実は事実と受け止めて、それによって新たな価値へと昇華させることこそ、地元のためにも供養にもなると思うのに ┐(´ー`)┌
9. 匿名処理班
たまに思うんだけど地上で盛大に核実験してたときと
原発とじゃ危険性はどちらが上なんだろうと考えるときがある
自分は勝手に核実験の方がリスク上だと思ってる
そのあと世界中でやたら癌の多い世代がいるから
幸い自分はその世代ではないけど
だから福島は危険とは言え
過剰なほど危険じゃないような気がします
現にガイガーカウンターで計ると
ほとんど危険地域はないし
自然に放射線が強いところもあるわけでしょ?
まあそれでも発電所は危険だろうけど
風評被害がね・・・なんとかならないものかと思う
10. 匿名処理班
行ってみたいねえ。
11. 匿名処理班
>>4
新設された―ってあるからもう変えたんじゃない
12. 匿名処理班
※9
本当にそうだよね
原発銀座の地域育ちだけど福島で事故があってから何か複雑だわ
13. 匿名処理班
福島のダチョウは冬を越えたのだろうか・・・
14. 匿名処理班
悲劇が起こった場所に物見遊山で訪れるなんて、悪趣味以外の何ものでもない。
他人の不幸を見聞きして、自分の幸運を噛みしめるような品性の下劣さを感じる。
15. 匿名処理班
居住禁止区域の残留放射能の値は十分に下がっており、
当初の数千年人が住めないというイメージはまったく誤解だったことが分かっている。
けれど、居住禁止をやめるためのデータもなければ、
やめた後の生活手段もないことから、
いつまでもどこまでも居住禁止という話となっている。
16. 匿名処理班
まあ、火山災害と言う違いはあるが有珠山なども観光地になってるしね。
現地のガイドの人の話を聞いたり、保存された被害状況を見る事で
このような被害を二度と出してはいけない…と考えたりするのは良い事だと思うよ。
単に話を聞くだけ映像で見るだけでは伝わらないものもある
ところで、赤い人形は昔のものでは無さそうだね。風雨に晒されたにしては新し過ぎる感じ。
17. 匿名処理班
トランスフォーマーの映画にも出てきたな
18. 匿名処理班
あそこまでがんばっちゃだめ
19. 匿名処理班
※8
除染と言っても土を削って他所に持って行くだけだからなあ・・・
持ってく先から見れば「押し付け」にしか見えないだろうし、どうしようもない。
コスモクリーナーDでも作れれば良いんだけどな。
20. 匿名処理班
緑の森に動物がたくさん、でも放射線の影響ですぐ死んで周囲から流入してるだけ……っていうドキュメンタリやってたな。
動物はなぜエサが豊かなのに既に縄張り張ってる天敵や同族がいないかとか気にしないからな……。
21. 匿名処理班
※22
生き物は基本的に新天地へってのが本能的にある。
そして動物(人間も含めて)は未来より今を優先する。
人間のしてきた歴史は農耕、牧畜と書物(印刷含む)以外は基本的にこの繰り返し。
22. 匿名処理班
※16
といいつつ内心行って見たいと思ってる16であった
23. 匿名処理班
チェルノブイリで絶滅危惧種の動物が繁殖してるって聞いたんだが本当なのか?
24. 匿名処理班
もう28年も経ったのか、、、。当時は聖書の黙示録の予言が成就したと言って、戦慄を覚えたな。
25. 匿名処理班
福島も観光地化すればいいんだよ
風評被害商法なんて悪どいことやってないで、原発事故をポジティブに捉えれば観光資源にだってなる
26. 匿名処理班
後から故意に置かれたおもちゃはどうかな?って思う。
27. 匿名処理班
コッペリオン思い出した
28. 匿名処理班
※25
それはひとまず石棺とかで最低限の安全を確保してからな
あとあの当たりが故郷の身から言わせてもらうと。やっぱり怖いもの見たさでくる県外ナンバーの車とかみると複雑だよ
震災後、一年位は本当に酷かったわ
29. 匿名処理班
福島県民の自分からすると、チェルノブイリの現状はどう受け取っていいのか今一わからないんだよね・・・。
これを観光にするというのはなんだかなぁと思うし、でも現状を知って欲しい気もするし。
ただハッキリ思うのは、何処の県でも原発再稼働とか本気でやめてほしい。
もう二度と同じ事は起こらない、そんな訳ないじゃないか。
今まで何を見てきたの。
取り返しがきかないんだよ、原発事故って。
30. 匿名処理班
こういうのは海外は逞しいな。まあ事故処理はスリーマイルでも相当揉めたと聞くから、やはり旧ソ連の影響下だからこそなのかね。
31. 匿名処理班
石膏の表情がやらないかの阿部さんに見えて仕方ない・・・
32. 匿名処理班
チェルノブイリがヤバいのは、放射能が地下水脈に達してること。
33. 匿名処理班
まあ所詮他人事ですよ
34.