世界に名だたる有名な絵画や彫刻。誰もが一度がみたことはあるであろう作品には、様々なエピソードや見識、サイドストーリーが存在する。ちょっとしたうんちくとか、トリビアとか、知っておいた上で改めて見ると、また違った一面が見えてくるかもしれない。
1. モナリザ
言わずと知れたレオナルド・ダ・ヴィンチの傑作。これは作者自身の女装した自画像だと主張する人もいるが、研究では、フィレンツェの名家出身で裕福な絹商人の妻であるリザ・ゲラルディーニという女性の肖像だという結論が出ている。レオナルドの父親がリザの父親をよく知っていて、父親から肖像画の依頼ががあったと言われている。
2. 最後の晩餐
ダ・ヴィンチのもうひとつの傑作は、イタリア、ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院で見ることができる。もともとはキリストの足が描かれていたが、1652年、絵が描かれたこの大食堂に戸口を作るため、建築業者が絵の中央下の壁のを切り崩してしまい、結果的にキリストの足がカットされてしまったという。
3.星月夜
ヴィンセント・ヴァン・ゴッホのこの作品には、南フランスのサン・レミ・ド・プロヴァンスの小さな町が描かれている。ゴッホがサン・ポール・ド・モゾルの精神病院に患者として入院している間に描かれた。現在、病院にはゴッホの名前のついた棟がある。
4. ミケランジェロのダビデ像
1504年にミケランジェロの手によってダビデ像が生まれたが、使用された大理石の板は、その43年前にアゴスティーノ・ディ・トゥッチオという彫刻家が、フィレンツェの大聖堂を飾るヘラクレス像を彫ろうとしていたものだった。だが、ディ・トゥッチオはこの彫刻を諦め、大理石は10年間使われずにいた。
その後、アントニオ・ロッセリーノという彫刻家がそれで制作を始めようとしたが、大理石の扱いの難しさにやはり断念し、ついに1501年にミケランジェロが彫刻に着手することになった。
5. アダムの創造
システィーナ礼拝堂の天井に描かれたミケランジェルの有名なフレスコ画で、神が最初の人間であるアダムに生命を吹き込む場面を描いている。ミケランジェロは礼拝堂の壁に特別に設計した張り出し棚のついた足場を組み、弟子たちと共に天井に頭を近づけて描けるようにした。
6. 叫び
表現主義の芸術家、エドヴァルド・ムンクの有名なこの絵には、全部で5点のバージョンがある。1893年から制作された最初の2点は、ボール紙にテンペラとクレヨンで描かれたもので、それぞれオスロの国立美術館とムンク美術館に所蔵されている。1895年制作のパステル画は個人が所蔵していたが、最近オークションで1億2000万ドルで売りに出された。1895年のもうひとつのバージョンは、モノクロのリトグラフ版で、最後のバージョンは人気にあやかって1910年に改めて制作されたもので、やはりムンク美術館に所蔵されている。これは2004年に盗難にあったが、2006年に発見されて話題になった。
7. アビニヨンの娘たち
バルセロナの5人の娼婦たちを描いたピカソの抽象画が1907年に公開されたとき、不道徳だと思われた。ピカソはこの作品の制作にあたって事前に100枚以上のスケッチを描き、実際にキャンバスに描く前に研究を重ねた。習作バージョンでは左隅に男性の姿があった。
8. 考える人
オーギュスト・ロダンのこの有名な彫刻は世界中にたくさんのレプリカがあるが、もともとはもっと小さいものだった。ロダンは1880年に、ダンテの「神曲」地獄編に着想を得た大作「地獄の門」一部として70センチバージョンのものを作った。
最初は「詩人」と名づけられていて、ダンテ自身を表していると考えられていた。1888年に「考える人」に改名され、1904年に今日のような大きなものになったという。
9. 真珠の耳飾りの少女
モナリザのように、ヨハネス・フェルメールのこの作品のモデルについてはさまざまな説があるが、フェルメールの娘マリアだというのがもっとも有力だ。
10. アメリカン・ゴシック
アメリカの画家グランド・ウッドの有名なこの作品は、シカゴ美術館で見ることができる。良くも悪くもアメリカの田舎の理想を表わすために、ウッドは本当は絵のモデルに母親のハッティーを使いたがったが、長時間立たせておくのは酷だと思い、妹ナンに母親のエプロンをつけさせてポーズをとってもらった。男性はかかりつけの62歳の歯医者、バイロン・マッキービィ。
11. ナイトホークス
シカゴ美術館にある、エドワード・ホッパーの作品。ニューヨークシティのグリニッチ・ヴィレッジにあるダイナーの様子を描いたものと言われているが、実際には深夜営業のコーヒーショップを描いたもの。場面を極力シンプルにして、レストランを強調した。無意識のうちに大都会の孤独を描いていたのかもしれないと本人は言っている。
12. 記憶の固執
個性派芸術家サルバドール・ダリは、自分の作品について詳しく説明しようとはしないが、その後の作品においても象徴的となった“軟らかい時計”について、太陽の熱でカマンベールチーズが溶けるのを観察していて着想を得たと言っている。だが、彼のことだから冗談かもしれない。
13. 秋のリズム(No.30)
抽象表現主義の芸術家ジャクソン・ポロックは、多くのドリップ・ペインティングで有名。床に水平に置いたキャンバスに絵の具を落としてそれを丁寧に重ねて描いていく。この作品は棒切れ、こて、ナイフなど従来の絵の道具ではないものを使って制作された。
14. ブロードウェイ・ブギウギ
オランダのアーティスト、ピエト・モンドリアンは1940年にニューヨークに移り住んだ。この有名な作品は、ニューヨークの通りの碁盤の目のレイアウトをベースにしている。
15. キャンベルのスープ缶
アンディ・ウォーホルの1962年のこの作品は、実際は32のシルクスクリーンキャンバスのセットとして発表された。当時、キャンベルが売り出していた32種類のスープを表した。ウォーホルから展示の指示がなかったため、ニューヨーク近代美術館はそれぞれのスープが発売された年代順に並べた。
via:mentalfloss・原文翻訳:konohazuku
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コメント
1. 匿名処理班
偏屈な日本職人に見えてしまう医師
2. 匿名処理班
7
>キャンバスに描く前に研究を重ねた。
漏れも研究したい!
3. 匿名処理班
ナイトホークスは初めて見たけど何とも郷愁を感じると言うか憂鬱感のある感じで本当にいい絵だね
4. 匿名処理班
10番、ガンダムの監督の富野さんにしか見えない(笑)
5. 匿名処理班
確か、チュッパチャプスのロゴの原型は、花(ひな菊)のモチ
ーフに文字を入れて描いた、サルバドール・ダリのデザイン
・・知った時は衝撃を受けたなぁ・・。
6. 匿名処理班
画の一部を切り落としてしまうなんてとんでもない!
実用のものの宿命だったのね
7. 匿名処理班
ムンクの叫びは叫んでいるんじゃなくて「叫びが聞こえる」だからな
8. ローム
予定通りや(⌒0⌒)/~~
9. 匿名処理班
ミケランジェロのダビデ像の鼻には逸話がありましたよね。
10. 匿名処理班
「少し鼻が高くないか?」と言われたので、あらかじめ大理石の粉を隠し持って梯子に登り、鼻を削るふりをして大理石の粉を落とし「これでどうだい?」と言ったとか。
依頼主は「ずっと良くなった」と言って満足したそう。
若き日のミケランジェロの性格がよくわかるエピソードですね。
11. Hannibal
☆『アダムの創造』はシスティーナ礼拝堂の天井画・壁画の一部分で、単独の絵とは言い難い。で、この天井が結構高くて、しかも照明が無くて見え辛い。オペラグラス必携。
『ブロードウェイブギウギ』と『星月夜』はNYの近代美術館所蔵だけど、特に後者は屡々他所に貸し出されるので、訪れた時にあるとは限らない。
『真珠の〜』は別名“北方のモナリザ”、昔は『ターバンの少女』と呼ばれていた。
12. 空缶
扉の星月夜が聞こえるコラには突っ込みなしかw
ダリも当然好きだけど、歳食ってきて濃い味が苦手になってくると
ポロックやモンドリアンのフリージャズみたいなケレン味が好ましく思えてくる。
13. 匿名処理班
美の巨人で見たな
14. 匿名処理班
考える人は実は考えていない。地獄へ向かう人間を見て苦悩している番人の姿。どちらかといえば思う人。
15. 匿名処理班
去年MOMAに行って、全部見たはずなんだが
出たあとスープ缶見てなかったことに気づいた
あれが一番見たかったのに…何ではずしてんだよ
ちなみに自宅ではウォーホル柄のステテコ履いてる(ユニクロで売ってた)
16. 匿名処理班
ダリと言えば溶ける時計と「群がる蟻」だ
17. 匿名処理班
10はお禿様だな…どう見てもw
18. 匿名処理班
キュビズムは未だに理解できない
難解すぎ
19. 匿名処理班
教養の講義を受けたが、ブロードウェイブギウギとかそこらへんのはどうにも理解が追いつかなかったな。。。
20. 匿名処理班
ウォーホルのキャンベル缶の絵はもともと友人から届いた絵ハガキにあったもので、ウォーホルがその友人に金を払って(100ドルだったっけか)、デザインを売ってもらったそうだ。その絵をコピーしただけで作品にして、しかも代表作になったんだから、ウォーホルらしい話。
21. 匿名処理班
ダリといいウォーホルといい、逸話がいかにもで笑えるw
※16
燃えるジラフも追加させてくれ
22. 匿名処理班
リトグラフ版の「叫び」は線画だからなおさら怖いんだよな。テンペラでざっくり塗られた男の表情が克明に描かれてるから。