夢わくわく！「アンティキティラ島の機械」が見つかった沈没船を最新機器で調査するプロジェクトが遂に始まる

　世界最古のコンピューターと称されている「アンティキティラ島の機械」が見つかったエーゲ海に眠る沈没船を、徹底調査する考古学プロジェクトが始動したそうだ。

　特に注目されるのは、調査で使用されるジェームズ・ボンドの映画に登場しそうなロボットにも似た金属製の潜水スーツ「エクソスーツ」である。

　2000年前に沈没したとされるこの船がギリシャ、アンティキティラ島沖で発見されたのは1900年のことである。ここからは青銅の像や腐食した大理石の彫刻、金の装飾品が発見されたが、中でも有名なのが最古のコンピューターとしても知られるアンティキティラの機械という歯車式の天体運行計測器だ。 　発見当初、調査チームが重さ240kgの強化外骨格スーツで305mもの深さに潜って、しかも減圧症の危険を冒さずに何時間も探索を続けることなど不可能だった。米マサチューセッツ州にあるウッズホール海洋研究所の海洋考古学者ブレンダン・フォレイ氏によれば、堆積物から多くの発見が見込まれるほか、シーザーの時代から一度も人間の目に触れることのなかった遺物が眠っている可能性も高いそうだ。

　そこで今回注目されるのが、カナダの深海探査研究所ニュイコ・リサーチが開発した、水深150メートルでも緻密な作業が可能な潜水服「エクソスーツ」である。従来の調査では、水深60メートルまでしか潜ることができなかったが、エクソスーツは6馬力の推進器で自由に水中を移動することができる。また空気圧を維持することで、浮上時に発生する減圧症からダイバーの身を守る。そのため水面までわずか2、3分という短時間で浮上できるという優れものだ。 エクソスーツを身に着ける探検隊 　深度60mの水中で眠るアンティキティラの沈没船は紀元前1世紀頃に沈没したもので、その貨物には紀元前4世紀頃のものまであるという。歴史家は、シーザーの時代にギリシャからローマへと運ばれる途中だった戦利品が積まれていると考えている。 　このスーツによって調査が進めば、沈没船が沈んだ時の状況など多くのことが判明するはずだ。2012年に実施された事前調査では、フォレイ氏のチームがソナーを使って探りを入れたところ、一見岩石にも似た巨大な像が発見されている。同チームは、沈没船に同伴していたと見られる付近に沈む別の船や、遺物が転がり落ちた可能性がある水深120mの崖の下まで調査を進める予定である。 The Secrets Hiding 1,000 Feet Under the Ocean
via:livescience・原文翻訳：hiroching

▼あわせて読みたい
世界最古、2100年前のコンピューター『アンティキティラ島の機械』


なんかかわいい。なんか未来的。潜水服の歴史がわかる潜水服図鑑


14の謎の古代遺物


発見できたら巨万の富が！世界10の失われた秘宝


オーパーツ？ロシアの川で発見された450万年前の電子チップ？