この画像を大きなサイズで見る「男の子は数学が得意、女の子は苦手」という固定観念は、いまだに多くの教育現場や家庭で根強く存在している。しかし、こうした思い込みは本当に正しいのだろうか。
フランスで行われた数百万⼈規模の児童を対象とする調査によると、確かに小学校に入学してからほんの数ヶ月で、男子生徒の数学の成績が伸び始めることが明らかになった。
だがその差は生まれつきの能力ではなく、学校の教育環境や社会的な影響によるものである可能性が高いという。
この研究は『Nature』（2025年6月11日付）に掲載された。
入学直後は同じだったが、4か月後には大きな差
この研究は、フランス、パリシテ大学、フランス国立情報学自動制御研究所、パリ経済学校、クレルモン・オーベルニュ大学大学など、複数の機関による共同プロジェクトとして実施された。また、アメリカの ハーバード大学など、海外の研究者も参加している。
対象となったのはフランス国内の5〜7歳児、2018年から2022年までの4学年分のデータで、社会経済層や地域、学校種別を問わず幅広い層が含まれている。
その結果、小学校入学初日（子どもたちが5〜6歳）の時点では、男女の間に数学能力の差は平均して見られなかった。
ところが、わずか4か月後には男の子の成績が女の子を上回り始め、その差は年度末にかけてさらに広がっていった。
また、誕生日が数日違うだけで別の学年に属する子ども同士を比較した結果、この差が年齢そのものではなく「学校生活の開始」がきっかけとなって生じていることが明らかになった。
この画像を大きなサイズで見る学校が始まると数学の能力に男女差が生まれる理由
こうした結果は、男の子が生まれつき数学的な才能に優れているわけではないことを示している。
では、なぜ学校生活が始まると男女差が生じるのだろうか。
もちろんこれは平均値であって、最初から数学が得意な女子や苦手な男子もいることはあらかじめ留意したい。
研究チームはその明確な原因を断定してはいないが、いくつかの可能性を指摘している。
ひとつは、「男の子は数学が得意」という固定観念が女の子の自信を損ない、学習意欲や成績に影響を与えているかのうせいがあるという。
たとえば教師は、数学が得意な生徒を目にしたとき、女子なら努力のたまもの、男子なら才能とみなし、無言のうちにこうした偏見を伝えているかもしれない。
親もまた、男子が数学に向いているという先入観を持ち、子どもとの接し方を変えている可能性がある。
こうして女子生徒に「自分には数学に向いていない」というメッセージが伝われば、それが自信を奪い、成績に影響することもあるだろう。
そういう影響もあってか、女子生徒の方が数学に対して不安を抱きやすい傾向が、数学の成績の差につながっているケースも考えられる。
この画像を大きなサイズで見る適切な介入が差を縮めるカギに
今回の研究は、保護者や教育現場への重要な警鐘でもある。
だが学習の初期段階で適切な介入が行われれば、男女差を縮め、本来の力を発揮できる可能性があるという。
たとえば、数学に不安を感じる女子生徒に、安心して授業を受けられるサポートを行うことで、その子は成績を伸ばすことができるかもしれない。
親が一緒になって論理ゲームで遊んだり、好奇心や問題解決力を育むよう働きかければ、成績が改善されるかもしれない。
さらに、「生まれつきの数学能力に男女差はない」「失敗は学びの一部である」といった前向きなメッセージを伝えることで自信を取り戻すことができるかもしれない。
こうした介入策の効果を実証し、教育現場で役立てるには、研究者と学校が引き続き連携して取り組んでいく必要がある。
この画像を大きなサイズで見る社会全体で意識を変えていく
今回の研究結果は、学校教育がジェンダーギャップのきっかけになることを示しているが、その背景にある固定観念や価値観は、教育現場だけでなく社会全体から生まれている可能性が高い。
すでに難しいと感じがちな数学の学習が、こうした固定観念によってさらに困難になることがないよう、家庭でも学校でも、そして社会全体でも意識を変えていくことが重要だろう。
References: Rapid emergence of a maths gender gap in first grade / Close the mathematics gender gap: huge study prompts urgent call to action
AIを教師にしたときに性別による成績の差が小さくなった話もそうだが、俺の持論が証明されつつあり嬉しい。
親からしてこの子は男の子だからとか女の子だからとか性別で教育を変え、向上心や責任感の成長機会を損ない、それが結果として社会で活躍する女性を減らすことにつながっている。
でも、実際は頭脳面に関しては女の子だって優秀な人はいるわけで、くだらない思い込みで可能性を潰すのは社会的損失だと思う。
とっても難しいけど、あらかじめ数学（算数）に強い女の子群と特に選別していない男の子群の学校を黙って作って女の子は（男の子と比較して全体的には）数学に強いという（学校の中だけだけど）社会を作ってみたときにどうなるのかなと。
少なくとも体格は女の子のほうが早熟で思春期に入る前くらいまでは大きいようですから、勉強もそういう傾向がみられてもおかしくないと思うんですよね。 特に数学は若い時に才能がスパークするみたいなので他の研究者よりも早熟傾向がありそうに個人的には思ってます。 とっても面白い記事でした
入学初日時点での数学難易度じゃそりゃあんまり差ないでしょ
なんなら、「50m走のタイム」や「身長」でも、就学の時点ではそう大きな男女差は無さそう。
もともと性差らしい性差が現れるのは思春期以降で、幼体は性別の特徴って少ないし。
フランスは超学歴社会なのも影響の一因だろうねぇ。
そんな固定観念があるんだなあ
自分が小学生の頃だったら男子はお勉強より外で元気に遊んでるのが正しい女子は室内で静かに過ごしがち、くらいが固定観念だったよ
そんなに子供自身が周囲から「男の子は数学が得意」とか言われるかな。
直感だけど学校で集団生活が始まることの影響とかもありそうな気がする。
男子と女子で同姓の仲間うちでの自分の立ち位置の決め方の違いみたいな。
確かに数学得意教科だったけど、中学の時の教師に、
お前は女なのに数学の成績良くて偉いな！ものすっっっごく努力してるんだろうな！みんなも××（私）みたいに苦手なものに対しても取り組む努力をするんだぞ！
的なこと言われ続けたの凄い嫌だったなあ。
そういう先入観で語るやつのせいで苦手意識が強まるのはあると思う。
「男は数学が得意で女はダメなんだぜ！」なんてドストレートなセリフ言うわけないじゃん。あと、男に対して「男は数学ができる！」って言う話じゃねえわ。そんなのどうでもいい。
問題は「女の子なんだから出しゃばるな」「女の子はお人形遊びでもしてな」「女の子は文系がいい」「女の子のくせに数学なんてやらなくていい」という固定観念で頭を押さえつける老害が今もいっぱいいるってこと
男女問わず、女で理数系っていうのを嫌がる人一定数いるよね。
理数系選んだ女の人で、
心配するふりして、「女の子で理数系選ぶと頭硬いと思われるよor可愛げないと思われるよ」を連呼する婆さん、
「女で理数系選ぶってそんなに男に張り合いたいの？女捨てたいの？」みたいな自分のポジションを脅かすと思ってる爺さん
と遭遇した事ない人いないと思う。
お年玉の見積もり計算だけは早い
だってそれ簡単に言えば「考え方」だもの
親の影響一番デカいと思うんよ
親と云うか幼少期に一番接してる知能発達の糧になった人の事ね
男性ホルモンが論理的思考力を伸ばすんだから当然だな
小学生の頃は大差ないが中学、高校で決定的となり
将棋や囲碁でも男には全く勝てなくなる
成長による性差がではじめるのが小学生からってだけでは
記事のどこを読んでそんなコメント出てきたの…？
何も読んでなくて草
タイトルすら読んでないだろ
にほんでは「さんすう＝おとこのこがとくいなかもく」といういんしょうはないんじゃないかな
さんすうは、 おとこのこもおんなのこもみんなにがて
だとおもうが
うがちすぎじゃないかなぁ
個々人への評価はともかく、はたして小学一年生が「男子は数学が得意で女子は苦手」なんて固定観念をもつだろうか？
環境もあるだろうが、、男女の差というのもある。
どちらかといえばもって生まれたものの方が大きいか？
こういう話はなんでどれも「男脳・女脳が同性能」を大前提にしているんだ？
それこそ「思い込み・（逆）差別」ではないのか？
この話だって単に男脳は理論立てて計算することに適正があって、女脳はそうではない。で済む話だ（女脳にも他の切り口で長所はたくさんある）。
男女の脳のつくりとその機能の差は、調べれば調べるほどほぼ差がないって事が判明してる
「ほぼ」から外れた僅かな差も男女差じゃなく個人差としか言いようのないレベルだそうだ
平均知能も差はないし、強いて言えば男性の方が女性よりも知能が高い・高い人が多い、そして低い人も同じように多い、ってことくらい
あんたが正解です
ホルモンの違いがあれば思考の違いがあるのは自然なことなのに
性差などまったくなく
何でもかんでも同じとする思考自体が差別です
ホルモンが思考に影響及ぼすとしたら、体つきや筋肉量からくる自己イメージによるもので、ホルモン自体が思考の差るってのはよくわからんが。女で暗い色が好きで戦隊ヒーロー好きで格闘技習ってる人の思考は女性ホルモンによるもの、ってことになる。そんなバナナ。
女子だけど数学は苦手でした、他の科目はもっと苦手でした…
サッカーやドッジボールも数学的物理的運動力学的な素養の場と言えるし、その時間の代わりに会話を行なって言語野社会性を勤しむとも言える
脳の性差は近年宗教的なポリコレのタブーとなってるからこの考えは異端なんだろうな
こういうの、本当に天性の得意不得意きは関係ないんだろうか。「女子が数学苦手なのは社会通念が悪いんだ！」っていう主張を散々聞くけど、今どきの小中高でそんなステレオタイプな指導はしないでしょ
算数数学の好きな子供を男女関係なく素直に伸ばしてやればいいじゃん
小学校の頃「女の子なのに詳しいんだね！普通の子は興味ないのにね」で要するに変な奴だねというちょっと小馬鹿にした言葉をかける担任の先生がいて、その先生の意図することが読めず褒められたと喜ぶような子の通信簿の生活態度を低く評価していて、空気を読むことに長けた子の生活態度には高得点つけてた
偏見なく読んではみたけれど、いまひとつ釈然としません。
男女共学ではない「小学校」があって、そこでの検証があればまだ説得力もあるのですが。
入学初日で男女差がないのは、そもそも学んでいないのだから当たり前。
学校が始まると数学の能力に男女差が生じるのは、この調査からもわかるように事実のようである。
この記事の論理に違和感を感じるのは、なぜ数学（算数）を理解する能力に性差がある可能性を排除して、環境要因や心理要因によるものと断定しているのか。
入学初日では男女の差異をないことにより、「男の子が生まれつき数学的な才能に優れているわけではない」ことを示していると結論つけているが、「男の子が生まれつき数学を理解する能力（学習能力）に優れている」可能性については、何も言及していない。
数学を論理の基礎とするなら、その理解力と応用力あるいはその思考力に性差があるのではないか。
確かに記事の調査だけでは何も言えないような気がする
むしろ「男女で差は無いはず」という先入観に囚われてる恐れも
大仰なこと言っててもアジア人は数学が得意なんだろwと平然と言い放つんだろ
数学が得意で数学科も薦められてたけど確かにいつも変人扱いされてたな
「モンティ・ホール問題」で検索してもらえばわかるが、マリリン・ボス・サバントっていう女性がいて、この人はそこらへんの数学者たちより数学ができた、数学者でも理解しがたい問題を理解していた、ということが判明している。
女性だから数学が苦手なはずだ、という意見には、わたしはまったく同意しない。
平均的な統計の話であって個別のレアケースの話じゃないんよ
フランス以外の国でもやってみて欲しい
そして各国の結果をジェンダー開発指数と並べてみたい
単純に男女で脳内の処理が違うだけだと思う。
男は自閉傾向が高く、女性は解放型と言う点も関わってくるんだと思う。
男の子は、言語処理が言語優位の思考で女の子は画像優位の処理になり易いから、言語優位の処理の男性の方が得意に出やすいんじゃないかと勝手に予想している。
数学を教える人間は圧倒的に男性の方が多いと思うから、女性に女の子を教えたらどうなるのかな？
こう言う問題は、脳内の処理の性差について考えた方が、正確じゃないか？
昔は理数系を女が学ぶなんて！って考え方や、結婚したら女は仕事を辞めるものって考え方があったけど、
今は普通に結婚後も勤め続けてる女性数学教師もいるから女性数学教師に数学を教わった女子生徒なんてそこらじゅうにいるでしょ。
圧倒的に男性教諭が多かったよ。男教師4に対し女教師1
私の時代だけれどね。
数少なくても女性数学教師に教わったなら男性数学教師に教わった時との違いは一応比較できるじゃん
自分も女性数学教師に教わったことあるけど、授業のわかりやすさは普通だった
同性だと親近感が湧くからか、
ここ解らないんですけどって気軽に質問に行く女子生徒は多かったな
そもそも性別が違うのはそれぞれ別の役割を任されてるから
男が空間認識に優れてるのは生きるのに必要だからだし家を守るように特化された女は必要ないから地図が読めない
それを無理矢理に平等にしようとするから軋轢が生じる
数学の能力に関しても男の場合は元々必要な能力として持ってるが女の場合は後に必要になって努力して得なければならない
その分精神的な負担やとっさの判断力の違いなどデメリットが出てくる
要するに適材適所を外れるとそりゃ不具合が出るって事
記事と言ってることずれてるよ
性差で生じる適材適所の話じゃなくてレッテル貼りによって成績に影響が出るって研究結果の話だよ
何か仕事作る為に「教育現場に問題在り」と無理矢理結論付けている様に見える
男女差がどの程度あるかは別として
数学能力は生まれ持った適性があると思う
適性がある人が順当に伸ばせることが重要
映画「ドリーム」（原題：Hidden Figures）の主役・三人の女性や、計算手の女性達。
アポロ計画ソフトウエア開発責任者：マーガレット・ハミルトン（数学の学士号持ち）。
いったい誰が言い出したんでしょうね「女の子は数学が不得意」だって。
総数での話をしているのに、特定の人だけを取り上げるのもどうかと思うよ。
男性にも、4色型色覚の人間が は居る！と言っているようなものじゃないの？
「第一次世界大戦中、「弾道計算手」と呼ばれた男女は、ライフルや機関銃、戦場でのモルタルの強度を計算していた。大恐慌の時代にアメリカ政府は公共事業促進局の一員として四五〇人のコンピューターを雇用しており、うち七六人は女性だった。」
『ロケットガールの誕生: コンピューターになった女性たち』より
理系の両親だったから男女で算数が〜とか一回も聞いてないけど、算数は苦手だわ。
単に私がアホなだけか、男脳女脳とかホルモン的なもんかは知らんが。
この問題について思案していて、いま思い出したのだが、私の場合、中学と高校の数学担当教師が
男性教師二人
女性教師二人
だった。数学の女性教師ってそこそこの人数がいた記憶
外国語の会話能力は
圧倒的に
女性に軍配が上がる
英語の先生に男性教師が少ないってのなら、そうかもね、と言えるんだけどなぁw
サッカーなんかのスポーツは数学的考え方が必要だからサッカー好きが多い男の方が数学は得意並の俗説だけど
女はおしゃべり好きだから、留学なんかしたらおしゃべりする機会が多いので言語習得が早いみたいな話は聞いたことあるわ
江戸時代の教育の基礎を築いた貝原益軒も女子教育で算術は重要だと説いている。家計を取り仕切るのは一家の主婦に依るところが大きいという現実と伝統的男女観のズレを憂えてのことだけれども。
西洋だと家計を取り仕切るのは夫の仕事で（主婦には一定期間の小口現金をその都度与える）、男女の役割って必ずしも世界共通ではないけどね。
それはそうと、算数（生活に根差した四則演算レベルが主）と純粋数学（高度に抽象化された概念や数式など「それ何に役立つの？」な理論を楽しむ学究的要素が強い）って、必要な能力が別ジャンルな気もする。前者は男女差ないか、むしろ女の子のほうがチマチマ地道にキッチリやるけど、後者は圧倒的に男のほうが得意なイメージある。昭和の頃よく言われていた俗説だと、「算盤を習うと数学ができなくなる」なんてのがあったり（力技で素早く暗算できてしまうから、公式を立てて効率的な計算方法を考える方向へ習熟しなくなり、中高と進むにつれて伸び悩む）。
じゃあなんですか、数学の苦手な男子はもう、それはもう本物の・・・
おいどんは家庭科の成績がよかったでごわすが、なにか？
フランスっていつもこう言う統計を、科学的じゃなくて思想的な面から取るよね。
何故なのかな？
何というか、フランスって「理性で何もかもが決定されているから、理性でどうにでも出来る！」と言う思想が強い性なのかねぇ…
普通に脳神経とか脳発達とか、生物学的アプローチを取ればいいのに…
小1の内容でしょ？指折り数えて足し引きくらいじゃないの？
座学より膨大な量の実践の方が大事な内容じゃねって事で家庭的要因のほうがでかいと思うわ
やってる遊びとかに何か関連ないかな？
苦手意識ついたらアカンってのはそうだと思う
小学校低学年の頃に使っていた算数の教科書だけど、文章題に出てくる人物が9割方男の子が正解を出し、女の子が間違える役割になっているのが気になった記憶
人物の名前が昭和前半ぽかったからその頃に作られた問題だと思うけど、当時はそれが当たり前のような空気があったんだろうな
自分の周りでは中学の数学の上位者は女子が目立ったけど高校の理数科の男女比は6：4くらいだったかな