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男女の平均寿命の差は縮まりつつある

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 世界的に見ても男性より女性の方が平均寿命は長いが、それが徐々に縮まりつつあるという研究結果が報告された。

 これは1990年から2010年にかけて、世界194カ国の国連のデータ分析から明らかになったもので、全体的に寿命は延びていること、さらには男女の寿命の差が縮まっていることがわかったという。

世界的に男女の寿命の差は縮まりつつある

 国連のデータに基づくこの統計分析は、194カ国を対象としたもので、1990年から2010年の間に、全ての国で平均寿命が安定または向上しており、男女間の死亡率の差も縮まっていることが明らかになったという。

 北米、ヨーロッパ、日本、オーストラリア、ニュージーランドなど長寿だと言われる国々に注目してみると、1990年の女性の平均余命は77.17歳、男性は72.23歳だった。

 それが、2010年には女性83.10歳、男性78.37歳に延びていて、男女差もおよそ0.2年とわずかに縮まっている。

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PLOS ONE.

 寿命の男女差が狭まっているのは、男性の寿命が女性の寿命よりも速いペースで延びているためだと言うのは、スペイン、アルカラ大学の経済・経営管理学教授デヴィッド・アタンス氏だ。

「女性の死亡ペースの低下、言い換えれば、長寿化のペースが鈍化しているということです」

今後も世界的に平均寿命が伸びると予想

 2030年の平均余命は、女性が86.54歳、男性が83.13歳になるだろうと、研究者たちは予想している。

「この研究は、世界の平均余命が延び、時間の経過とともにその男女差も縮まりつつあることを示す疫学的傾向と一致しています」というのは、カリフォルニア大学サンフランシスコ医学校の医師、ブランドン・ヤン博士。

 世界保健機関(WHO)によると、2000年に66.8歳だった世界の平均余命は、2019年には73.4歳まで延び、1998年から2016年の間に10ヶ国での男女の平均余命差が縮まっているという。世界レベルでこの傾向が続いているようだ。

 しかし、ヤン博士は昨年、米国での平均寿命の性差ギャップに関する報告書を発表しているが、そこでは世界データとは対照的に男女差が広がっているという。

 米国人の平均寿命の男女差は、2010年の4.8歳から2021年には5.8歳と広がっている。

 『PlOS ONE』誌に発表された新たな世界的研究では、さまざまな国の死亡率の傾向を追跡し、どの地域が長年にわたって同じ傾向を示したのかを特定したと、アタンス氏は言う。

 こうしたデータは、国連人口部から提供されたもので、さまざまな国のさまざまな年齢の人の平均余命と死亡率データが含まれている。

 研究チームは、1990年から2020年までのデータを調べ、死亡率に関連する9つの指標の類似性に基づいて、世界194ヶ国をクラスターにグループ分けした。

 これら指標には、出生時および65歳時点での国民の平均余命、最頻死亡年齢、つまりもっとも多くの人が死亡する年齢の総数が含まれる。

 このデータは、各国を5つのクラスター、つまりコンバージェンス・クラブ(特定の特徴や指標に基づいて、類似の傾向やパターンを示す国)に分類していて、それらは5大陸と大きく相関している。

「それぞれのコンバージェンス・クラブは、同じような死亡率や寿命指標を示しているため、ますます似通った傾向になります」アタンス氏は言う。

 分析によると、時間の経過とともに各クラスターの国の間の差異は少なくなるという。

 注目すべきは、コンバージェンス・クラブのうち、おもにアフリカを含むクラスターが、死亡率指標がもっとも大幅に改善したことだ。

 これはおそらく、HIV危機への対応改善や、この大陸でのさまざまな紛争の終結を反映した結果だろうと報告書にはある。

 2000年以降、データは男女の長寿格差が縮まっていることを示してきたが、新たな研究はこれを裏づけていて、その差は今後も縮まりつつあるという。

 研究チームは、既存のデータをうまく使って将来のパターンを予測することで、この結論を下すことができた。寿命格差の縮小と平均余命の全体的な増加は、2030年まで続くだろうと予想されてい
る。

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photo by iStock

それでも男性が女性の平均寿命より長くなることはないと予測

 とはいえ、相変わらず女性のほうが男性より平均余命は長い。たとえこの格差が縮まったとしても、こうした違いはこれからも続く可能性はあるとのことだ。

 その理由は、多くの男性が年齢とともに細胞の一部でY染色体を失っていくことが原因のひとつだ。

 染色体の喪失は加齢に伴う病気や死と関係していて、男性が女性よりも若くして死ぬ傾向がある理由のひとつとして、とりあげられている。

 この研究は『PLOS ONE』(2024年1月17日付)に掲載された。

References:Worldwide, the life-span gap between the sexes is shrinking | Live Science / Women Still Typically Outlive Men, But That Gender Gap Is Slowly Closing : ScienceAlert / written by konohazuku / edited by / parumo

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この記事へのコメント 10件

コメントを書く

  1. 世界的な働き方の見直しによる、生活習慣レベルでの寿命延長もありそう。
    なんだかんだ、ヨーロッパでも家父長制には否定的でも、男性の稼ぎが中心の社会は現代まで続いてたし、それによる男性(働き手)の負荷は女性に比べて高かったのは事実だからね。
    逆に、女性の成長率鈍化は、社会進出の増加に伴う負荷の増加が関係してそう。

    • +5
    1. >>2
      自分もコレだと思った。
      あとは昨今は男性も健康に対して向き合う傾向が強くなったのも要因としてあると思う。

      • +6
  2. 日本において、フルタイムで働く女性は男性の平均寿命に近くなるというデータがあったはず

    • +5
  3. 寿命伸びなくてもいい、ぽっくり逝きたい

    • +7
    1. >>7
      ほんとこれ
      死ぬことよりも、何年も苦しみながら病気の治療をすることのほうが怖い

      • +4
    2. >>7
      キリよく50歳になったら無条件でぽっくりと寿命を迎える世界になったら
      限られた人生を精一杯生きようとして良い意味でポジティブな世の中になるかもそれませんね

      • +2
    3. >>7
      私は長生きした上で老衰でスーッと死にたい。
      寝てる時に。

      • 評価
  4. 平和な証拠かもしれない
    戦争で若い男性が多く死ぬ国ではもっと差が多くなるはず

    • +4
  5. 女性の寿命が長いんじゃなくて、男性の寿命が短かったって考えの方が正解ってコト?

    • 評価

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