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アフリカが引き割かれている原因は、地下から湧き上がる「スーパープルーム」

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(著) (編集)

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エチオピアのエルタ・アレ火山のような火山活動を引き起こしている東アフリカ地溝帯この画像を大きなサイズで見る
Photo by:iStock
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 広大なアフリカ大陸は東西に引き裂かれつつある。

 これまでの仮説によるなら、地球の奥深くから巨大な”スーパープルーム”が上昇しており、これが激しい火山活動と大陸の分裂を引き起こしているのだという。

 このほどスコットランド大学環境研究センターをはじめとするチームが、スーパープルームの実在を示す地球化学的な証拠を提示した。

 それによると、アフリカを引き裂く上昇流は、地下2900kmの地球の核とマントルの境界からやってきている可能性があるそうだ。

この研究は『Geophysical Research Letters』(2025年5月12日付)に掲載された。

数百万年後、アフリカは引き裂かれ、新たな海が誕生する

 「東アフリカ地溝帯(East African Rift System)」は、現在地球上で最大規模の活発な大陸地溝帯であり、アフリカ大陸を3,500kmにわたって引き裂いている。

 大地に亀裂が走り始めたのは、およそ3,500万年前のこと。そのおかげで現在、北は紅海から南はモザンビークまで、複雑な渓谷のネットワークが形成されている。

 信じられないと思うのなら、エチオピアに広がる広大な砂漠に行ってみるといい。そこにはジリジリと遠ざかる大陸の裂け目が動かぬ証拠として存在する。

 一体どのような力が、このような亀裂を作り出しているのか?

 これまでの仮説によるなら、地球の奥深くから巨大なマントルプルーム(地球内部のマントルから上昇する高温の物質の流れ)が上昇し、アフリカの地殻を押し上げているのだという。

 たとえば過去の研究では、希ガス(ヘリウムやネオンなど)の同位体(同じ原子番号を持つのに中性子数が異なる原子核の関係)を分析して、マントルプルームの存在を示したものがある。

 希ガスは化学反応を起こしにくい。そのため地質学的なきわめて長い時間が経過しても、そのまま保存されている。ゆえに地球奥深くで起きていることを探る手がかりになるのだ。

 だがスコットランド大学環境研究センターのチェン・ビイン氏によれば、これまでのサンプルは数が少なく、その解釈にはまだまだ議論の余地が残されていたのだという。

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東アフリカ地溝帯の西支脈を形成するアルバーティーン地溝帯の人工的な再現図 image credit:
Christoph Hormann
j / WIKI commons / CC BY-SA 3.0

原始的な深部マントルの痕跡を発見

 そこでチェン氏らは、マントルプルームの存在を裏付けるもっと確かな証拠を探すべく、ケニア、メネンガイ地熱地帯で採取されたネオンガスの同位体を分析した。

 そこに深部マントルプルームの化学的な痕跡を発見したのだ。

 その特徴は、やはり深部マントルプルームの上に位置するとされるハワイで見られる原始的な痕跡とよく似ていたという。

 ただしその痕跡はかすかなもので、確認には非常に長い時間がかかった。チェン氏は、「これだ! という瞬間はなく、何度も何度も疑い、繰り返しデータをチェックしました」と語る

 だがその甲斐はあったようだ。

 ネオンガスの化学的特徴が、北の紅海や南のマラウイの火山岩で見られるガスの特徴と一致しており、これらの地域は同じ深部マントルの岩石の上に位置しているだろうことが突き止められたからだ。

 チェン氏によれば、東アフリカ地溝帯プルームは、地下2,900kmの奥深くにある核とマントルの境界から上昇している可能性が高いという。

「スーパープルーム」の正体は?

 研究チームが突き止めたこの地球深部からの上昇流は、一般的に「スーパープルーム(superplume)」と呼ばれている。これは、地球内部の深い層にある高温で密度の低い物質が、浮力によってゆっくりと上昇してくる現象である。

 マントルプルームは直径数百km程度の比較的小規模なものだが、今回アフリカで検出されたスーパープルームは、それよりもはるかに大規模で、幅数千kmにも及ぶ可能性がある。

 チェン博士によれば、「大量の熱くて軽い物質が地球の深部から浮上し、東アフリカ地溝帯の下に元々あったマントルを置き換えながら、冷たく硬い岩石圏にぶつかって横方向に広がることで、大きな圧力が生じ、地殻を引き裂いている」とのことだ。

 このようなスーパープルームは、単なる火山活動にとどまらず、大陸そのものを分断するような地質規模の変動を引き起こすエネルギー源となると考えられている。

 この研究は『Geophysical Research Letters』(2025年5月12日付)に掲載された。

References: Neon Isotopes in Geothermal Gases From the Kenya Rift Reveal a Common Deep Mantle Source Beneath East Africa - Chen - 2025 - Geophysical Research Letters - Wiley Online Library / Geothermal gases offer strong evidence of a Superplume beneath East Africa / Africa is being torn apart by a 'superplume' of hot rock from deep within Earth, study suggests

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この記事へのコメント 6件

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  1. インドのデカン高原はインドが島だった時代に起こったスーパープルームの跡だけど鯨偶蹄類の祖先は生き残った。アフリカで大規模なマントル物質の噴出が起こったら生き物はどうなるんだろうか。

    • +3
  2. 谷が出来るだけで火山が生まれたりしないのかな?

    • +3
    1. ジュラ紀末期のスーパープルームの噴火の後 大西洋ができたが、その後 海嶺の一部、アイスランドやカナリア諸島のような形で火山が残っている。それと同じようなことになるのではないかな。まあ、確認することはできんがw

      • +6
    2. 上昇するホットプルームと下降するコールドプルームの両方とも、通常時は深さ670kmの所でいったん停滞するんだそうです
      その境界を越えるものがスーパープルームなので
      どこに火山ができても不思議ではないんですよね

      • +5
    3. 一応今も谷の中に火山はあります。 そしていつか谷の中に海水が流れ込んで紅海とつながるとされています。 その時に海水面よりも上なら火山島、下なら海底火山となるでしょう

      • +1
  3. スーパーホットプルームの話だね
    下降する方向のスーパーコールドプルームというのもあるそう
    現在はユーラシア大陸のアジア大陸側の下に存在していて、このままなら陸地を1か所に集めてアメイジア大陸という超大陸を形成するらしい

    • +2

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