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うれしいニュース。絶滅危惧種、ブーラミスの生息数が子供たちの協力で回復中

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(著) (編集)

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image credit: Instagram @nswnationalparks
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 オーストラリアで相次ぐ自然災害により、絶滅の危機に瀕していたブーラミス(マウンテン・ピグミー・ポッサム)の生息数が、地元の子供たちの協力で増えてきているという。

 干ばつや山火事の影響で、個体数が700匹にまで減ってしまったブーミラスの為、子供たちは栄養たっぷりの特別な「ビスケット」を作り、州当局と協力して、2年間にわたって給餌を続けた。

 その結果、なんと生息地での彼らの個体数は、劇的に回復していることが確認された。

山火事、干ばつで絶滅の危機に陥ったブーラミス

 ブーラミスはオーストラリアのビクトリア州南部や、ニューサウスウェールズ州のコジオスコ国立公園などの山岳地帯に生息している、小型の有袋類である。

 大きさはネズミほどで、体重はわずか45g。頭胴長は約10cmだが、それよりも尻尾の方が約15cmと長いのが特徴だ。

 もともと限られた高地の岩場でのみ生息していたこの生き物は、2000年代に入ってその生息数が2,000匹未満と推定されていた。

 それが2017年にオーストラリアを襲った干ばつ、さらには2020年の山火事の影響で、その数を700匹にまで減らしていたという。

 そこでニューサウスウェールズ州では、種の保存プログラムの絶滅危惧種担当官と国立公園野生生物局(NPWS)が協力し、ブーラミスの生息地域に餌と水を供給する緊急プロジェクトを開始した。

 彼らの主な食物は、ボゴンガと呼ばれる蛾の一種だ。だが近年の気候変動で、この蛾の数も減ってしまい、ブーラミスたちは餌探しに苦しむことになった。

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ブーラミス(マウンテン・ピグミー・ポッサム)の生息域 image credit: GoogleMap

小学生と協力して特製のビスケットを開発

 そこで当局では「ボゴンビスケット」と名付けた特製の餌を開発。ブーラミスの生息地で、2年間にわたり定期的な給餌を続けてきた。

 ボゴンビスケットは、マカダミアナッツやミルワーム、そして蛾の幼虫に含まれている脂肪分を再現した油脂などを原料として作られた、ブーラミス専用の栄養たっぷりな餌である。

 このレシピの開発には、地元のベリデール小学校、クーマ小学校、アダミナビー小学校、そしてジンダビン小学校の4校の小学生たちが協力して取り組んだ。

 これらの小学校はブーラミスの生息域である、コジオスコ国立公園を構成するスノーウィー山脈の東側に位置している公立の小学校である。

 ニューサウスウェールズ州NPWSの教育担当官ダン・ニコルズ氏は、このプロジェクトについてこう述べている。 

ボゴンガから得られるのと同じ飽和脂肪を作り出すことが、このプロジェクトの目的でした。生徒たちは全員このボゴンビスケットの試食をして、とても興奮していました

 子供たちは毎週このボゴンビスケットを焼き、生息地の岩場へ水と一緒に届け続けたのだ。

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image credit: Inside Local Government

安定した食物を得て生息数が劇的に回復

 同時に州当局は、ブーラミスをはじめとする在来種を保護するため、6,400頭以上の外来種の駆除を実施。

 こういった保護活動の結果、コジオスコ国立公園内で最大の岩場であるスノーリッジヒルでは、107匹の成体が確認された。

 これは一か所での発見数としては記録的な数であり、このエリアでの現在の生息数は、940匹を超えたと考えられているそうだ。107匹のうちメスは78匹で、その多くが4匹の赤ちゃんを抱えていたという。

 州議会議員のスティーブ・ワン氏も、子供たちの貢献を次のように称えている。

ボゴンビスケットは、ブーラミスの保護に熱心に取り組む地元の生徒たちによって作られました。

この種の自然な食物であるボゴンガの栄養価を模倣することで、明らかにこの種の生存に決定的な貢献を果たしました。

生徒たちは、ブーラミスの保護に大きく貢献したことを誇りに思うべきです

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 マウンテン・ピグミー・ポッサムと言う名前から、アメリカ大陸にいるオポッサムと混同されることがあるが、オーストラリアのポッサムとアメリカ大陸のオポッサムは全く別の種類の生き物である。

 1980年代からブーラミスの研究しているリンダ・ブルーム博士は、この生き物について次のように語っている。

ブーラミスは、オーストラリアで唯一、雪の下で冬眠する小型哺乳類で、非常に特別な生き物です。

また、彼らは高山の専門家でもあります。オーストラリアには高山地帯がほとんどないため、非常にユニークな存在なのです

Endangered mountain Pygmy Possum rebounds in the wild | 7NEWS

 近年の気候温暖化により、ブーラミスの生息地では冬季の積雪が減っている。雪の下で冬眠する習性のあるブーラミスは、冬眠できずに冷たい風にさらされて、冬を越せずに命を落としてしまうものも多いという。

 さらにブーラミスを脅かすのは、周辺地域で進むスキーリゾートの開発だ。今回、地元のコミュニティや州当局の尽力で増えた生息数も、このままでは再び減少に転じてしまう可能性もある。

 ブルーム博士は、今回の生息数増加を喜びながらも、個体数の安定には、今後のさらなる努力が必要であるとしている。

2019年から2020年にかけて発生した、夏の山火事による壊滅的な被害の後、ブーラミスの数が再び増加しているのを見るのは心強いことです。

彼らの回復力は、NPWSおよび州の種の保存プログラムチームの献身的な努力と相まって、彼らの生存に決定的な役割を果たしています。これは、この地域の生態系バランスの回復に向けた前向きな一歩です。

この事実は心強い節目ではありますが、回復への取り組みはまだ終わりではありません。

私たちは、これらのポッサムの保護と個体数の増強に引き続き取り組み、この象徴的な有袋類が長期的に生存できる可能性を最大限に高めるための活動を続けていきます

編集長パルモのコメント

パルモの表情、普通

ちいさくてとてもかわいいブーミラス。このニュースを知るまでは存在すら知らなかった。オーストラリアには北半球には生息していない、愛くるしい有袋類がたくさん存在しているんだね。

References: Mountain pygmy-possum bouncing back in Snowy Mountains

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この記事へのコメント 11件

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  1. 「外来種はお前らじゃい!」という気持ちはしまっておこう…
    せっかくののうれニューだからなぁ

    • +6
  2. パルモさんのおかげでまた可愛い子の名前を新たに覚えた!

    • +14
  3. 6400頭以上の外来種を駆除かあ…仕方ないとはいえ、生まれる種ガチャだな

    • +6
  4. 人間が壊したバランスは人間しか維持できないから、外来種駆除は仕方ない
    ニホンオオカミを絶滅させた代償に猟師が鹿等を狩らなければいけないのと同じだな
    エゴだとしてももう通すしかないのだ

    • +18
  5. 外見も生態もネズミみたいなのに遺伝子はカンガルーのがまだ近いって神秘だ

    • +13
  6. こんなかわいい子たちを助けるプログラムを体験できると、自然を愛する心が育ちそうやね

    • +8
  7. こんなに小さい有袋類が居るの知らなかった(・∀・)

    • +8
    1. ほんとだよね

      カンガルー島のチビフクロヤマネ(約10g)が世界最小の有袋類みたい

      やっぱ19~20年の火事で絶滅か?と思われたけど、生存確認できたそう
      (野猫が最大の敵 だからワタシはご主人様たちを外に出せない)

      • +6
  8. >>生徒たち全員は試食して
    ミルワームの入ったビスケットを食べるのは俺にはなかなかハードルが高い

    • +12
  9. 世代交代の早そうな小動物が累代で給餌をされ続けたら将来環境が回復しても自力で餌が取れないなんてことにならないか

    • +1

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