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スタイリッシュ過ぎん?2000年前の古代ローマの靴が意外なほどおしゃれだった件

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(著) (編集)

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image credit: imgur @Macuahuitl
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 ファッションのトレンドは繰り返すと言うが、数年・数十年単位ではなく、数百年、いや数千年というスパンでも、このセオリーは生きているらしい。

 ドイツにある古代ローマの遺跡で発掘された2,000年前の靴が、現代でも通用する画期的なデザインだと話題になっている。

 古代ローマの靴と聞くとグラディエーターのサンダルを想像しがちだが、今回話題になっているのは現代人がイメージする「靴」そのものなのだ。

古代ローマの砦から出土したオシャレな靴

 服飾はもちろん、ジュエリーや車、家具、時計など、さまざまな分野で個性的なデザインが登場して来るイタリア。その伝統は、古代ローマの時代までさかのぼることができるのかもしれない。

 下の靴は、19世紀に現ドイツのザールブルクで発見されたものだ。ここはローマ帝国とゲルマン諸州を隔てる境界に作られた砦跡で、最盛期には約2,000人が居住していたという。

 ここから出土した品々を収蔵しているのがザールブルク博物館で、この靴はその収蔵品の一つである。

 古代ローマの履物には、サンダルやブーツなど、さまざまなスタイルのものがあった。

 グラディエーター(古代ローマ時代の剣闘士)が履いているイメージのサンダルは「カリガ」と呼ばれ、多くのストラップでしっかりと足に固定できるタイプだ。今もグラディエーター・サンダルという名前で、デザインをオマージュしたサンダルが売られているよね。

 サンダルよりも少し閉じたタイプの靴は「カルケウス」と言い、より上流階級の男性に広く履かれていた。ザールブルクで発見された靴は、おそらくはこのカルケウスではないだろうか。

 それにしても美しく規則的に並んだ穴の造形は見事と言うほかない。そのデザインは現代でもそのまま通用しそうである。

今の時代でも通用するファッション性に驚嘆の声

 この靴を見た人たちからも、そのモダンなデザインに驚きの声が上がっていた。 

  • 今でも十分通用するデザインだね
  • 現代のシューメーカーが、このデザインをそのままいただいて使うかも
    • とっくにパブリックドメインになっていて権利は切れていると思う
  • とても2,000年前のデザインだとは思えないよ、すごいスタイリッシュ
  • 昔の人って、映画で描かれるほど汚くはなかったんだな
  • 井戸に捨てられていたって? じゃあ、このあたりの人は靴で汚れた水を飲んでいたのか
  • 2,000年後にプラスチックのビーサンを発見した未来人はどう思うかな
  • なんで私の仕事用の靴は1か月でダメになってしまうんだろう
    • 壊れやすくできてるからさ。消費経済の根幹だよ
    • 30歳以下の人は、自分が買うものがどれだけ粗悪品か理解していないと思うな
  • 一足の靴に一か月分の給料をつぎ込めるか、それとも3,000円くらいの物で我慢しておくか
  • 当時この靴は高価だったんだろうか。どんな人が履いていたんだろう
  • 穴の開け方がキレイだよね。何らかの機械を使って開けたように見える

意外と現存している古代の靴

 実は古代ローマの履物は、意外と今の時代にも残されている。1976年にはドイツで250足以上もの靴が井戸の遺跡から発掘された。

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image credit: X @DrNWillburger

 そして下は、イングランドのノーサンバーランド州にある古代ローマの砦、ビンドーランダで発見された履物たち。

 この砦はローマ帝国の北の境界、ハドリアヌスの長城の南に位置していて、当時多くの兵士たちが駐屯していたと言われている。

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image credit: X @odonnellhugh

 ちなみに現在発見されている中で世界最古の靴は、アルメニアの洞窟で見つかった約5,500年前のものだそうだ。

 こちらは牛革が使われており、サイズは今の日本でいうと約23cm。左右の区別はなく、どちらの足にも履けるようになっていたらしい。

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image credit: Facebook @Armenia,The Museum Under The Sky

 また、下の画像はアルプスで発見された「エッツィ」が履いていたものを再現した靴。牛革と鹿革が使われていて、残りの部分は草で編まれていたようだ。

 この構造は、雪や氷に覆われたアルプスの山岳地帯を歩くのに、非常に効果的に作られているんだとか。

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Alex Lozupone, CC BY 4.0, via Wikimedia Commons

 靴の歴史をたどりたければ、カナダのトロントにあるBata Shoe Museumがおすすめだ。テーマごとに古今東西世界各地のさまざまな履物が見られるし、オンライン展示会も随時開催されている。

 また、先述のビンドーランダで出土した遺物は、遺跡を管理する財団のHPで、オンラインで見ることができる。興味のある人はぜひ訪問してみよう。

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image credit :The Vindolanda Designated collection
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References: A Stylish 2,000-Year-Old Roman Shoe Found in a Well

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この記事へのコメント 28件

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  1. 古代ローマ兵の歩く距離半端ないから 給金の3分の1位は靴代で消えてったって悲しいお話を聞いた事あったなw

    • +28
  2. なーんでみんな、井戸に靴捨てるかなあ!

    • +21
  3. やっぱ本革だから残ってるんだろうな
    現代の靴は2000年どころか5年もしたら加水分解でボロボロ…

    • +38
    1. それそれ。服飾関係の博物館や美術館の悩みの種らしいよ。
      2000年後にプラスチックのビーサンの現物を見つけられる未来人は居無さそう

      • +31
    2. 私もそう思います!!動物愛護だなんだというけど、結局動物の皮で作ったものが長持ちして結局地球環境にも優しいんだと思います。

      • +9
      1. でも革を使うのは人間の都合だからなあ
        牛肉とかの食肉加工の過程で出る革や
        繁殖しすぎた動物の狩猟や食用のついでなら良いと思うんだが
        しかし現実には消費者も靴や鞄に見栄えの良いものを求めるでしょ
        かといって美しい革のために動物の命を奪うのは時代錯誤だしな

        あと革のなめし加工に使う薬品の環境汚染とかも問題になってるから革製品自体が縮小傾向にある
        そんなこんなで革でなくもろく壊れる人工素材の靴のほうが自然にやさしいって流れはこれからも続きそう
        それはそれで本当に環境にやさしいの?マイクロプラスチック含んでない?って気もするけどね

        • +1
        1. 靴はどのみち豚か牛でないと強度的に無理じゃね?

          • +13
      2. 革製品の環境上の最大の問題は
        皮なめしの工程でめっちゃ汚染物質を垂れ流すことだから
        長く保てばいいってもんじゃない。

        • +11
      3. 汚染物質が大量発生するのは主にクロムを使った鞣しね。量産化されだしたのはせいぜいここ60年くらいで、プチプラからハイブランドまで大量生産品はほとんどこれと思っていい
        それまでは特濃の茶渋みたいな液に漬けるタンニン鞣しだったんだけど、時間も手間もクロムよりかかるってんで今は主流じゃないし値段も高め。よく言う経年変化を楽しめるのもこっち
        フェイクレザーがプラの塊なことは言わずもがなだけど、近年ブームのエコレザーやらヴィーガンレザーやらも結局はプラスチックで固めてるだけだし
        個人的には肉食を完全にやめてるとかでもなければ食用の牛や羊の革はきちんと資源として利用できる形で利用した方が環境的にはムダの削減になるんじゃないかな~と思う派です

        • +23
    1. 価格差が違いすぎるからじゃないかな。
      当時の布は、綿なら綿花の栽培から機織まで全て手作業、新品の布とかは資産になるくらい価値が高い、このサイトでも過去に全ての作業を手作業で行った場合下着のシャツがどのくらいの価格になるかという記事があったけど、記事掲載時の資産価値でもシャツ1枚が70万円だったかそのくらいしてたから、出来た布を裁断して縫製してとやっていたら切れ端がでて無駄が生じるからできるだけ布を切らずに服を形成するにはどうやったらよいかを当時の技術や文化から辿りついた結果じゃないかな。服に比べて靴は安価に作る事ができるのでデザインも個性が発揮できた領域ではなかろうか。

      • +15
      1. 革は質を考えなければお肉食べようとすると一緒に入手できるもんね
        穴あきデザインは通気性確保もあるだろうけど
        意図して穴まみれにするなら、材料の革に多少の傷があっても無視できるからね

        • +10
      2. シンプルに「面積の広い(高価な)布を纏う=富の誇示」かと
        動物から剥ぎ取った皮を服飾素材の革に加工するのも手間と技術と時間がかかるよーあまり身分の高い人たちの仕事じゃなかったろうしどういう賃金計算になるかはわからんけども
        服装の型がある程度決まってる(崩せない)から靴で遊んで個性出すとかは普通にありそう

        • +6
  4. 一番上の画像のは普通にかっこいいなw
    ところでジャングルの少数民族は裸足で山林を
    歩き回れるのに最初に靴を作り始めた古代人は
    何故に靴を作ろうと思ったんだろうなぁ?

    • +6
    1. 文明が発達すると、狩りや戦争、移住などの理由で本来の居住地域をはなれて暑い/寒い、あるいは岩だらけの地域などに遠征するようになるから、段々と靴が必要になったんじゃなかろうか?

      • +11
  5. >>それにしても美しく規則的に並んだ穴の造形は見事と言うほかない。

    湿気を逃がす為の換気用の穴では

    • +3
    1. 寒い地域だからなあ
      あと革は呼吸してるので湿気は適度に逃がしてくれる

      • +4
  6.  足の形と用途はだいたい同じなのだから、ほぼ靴の形は完成しているのでしょうね。 あえて言うなら用途特化とか素材の進化で厚底とかになったりハイヒールになったりくらいでしょうか

    • +8
  7. エッツィの靴は考古学者がレプリカ作って実際に山歩きをしてみたら事前の予想より遥かに歩きやすい!ってなってるのをテレビで見たな
    地球ドラマチックだったな確か

    • +17
  8. 何年か前にグラディエーターサンダルが流行ったし、デザインをそのまま復刻しても普通に売れそうだね

    • +12
  9. ははーん、さてはタイムスリップした現代人がデザインしたな?

    • -1
  10. 逆に靴は型に縛られてもっと急速に変化してほしいぐらい。20年前に比べれば女性ものの靴が24.5cmでもお洒落にはなったけど、いまだにワイズが細くて足を痛める人がたくさんいる。逆に工業化が靴の進化を遅らせてるのかな

    • +2
    1. 日本の靴ワイズはどんどん広がってるよ4E5E…
      「楽」と勘違いして幅広靴を選ぶ日本人は多い
      そして悩んで中敷き等買い足すもまた靴を求め靴難民に…
      独の靴メーカーが日本進出にあたり調査した処によれば「日本人の足は特に幅広ではない」 そのメーカーの日本での靴幅展開はC~D中心とか
      靴は縦横囲どこが余っても駄目で靴の中で足が泳ぐとまともに歩けない 踵パカパカで靴ズレ、足の裏は擦れて魚の目、ハイヒールなら前滑りして足先は外反母趾、そして足をまともにホールドしない靴を履き続けると足のアーチが崩れさらに幅広扁平足に…
      靴業界の怠慢は酷い JIS企画も旧いまま
      メーカーは誰でも入る(が合わない)型で作る方が楽で返品もなく他の用品も売れるので作るらしい
      義歯と同じで靴の具合も健康に直結しようにまともな啓蒙もされない 売り場もあまり知識がないとか
      等々問題を指摘した学術論文まである 革…

      • +6
  11. かっこいい靴だなあ
    リメイクして売り出してくれないかな

    • +7
  12. 阿部寛が現代に来て過去に戻りデザインをパクって作ったに違いない

    • +4

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