この画像を大きなサイズで見る科学者たちが、マウスの脳の中でも視覚をつかさどる「視覚野」を対象に、かつてないほど詳細な神経細胞回路の地図を作り上げた。
再構築されたのは、わずか1mm³という砂粒ほどの脳の断片に含まれる84,000個の神経細胞と、5.4kmにも及ぶ神経線維、さらに5億個以上のシナプス(神経の接続部)だ。
どこか銀河の星々を連想させる「視覚野」3D配線図は、1.6ペタバイトという膨大な情報量を含んでおり、そのサイズたるや22年間HD動画を再生し続けたのにも匹敵する。
過去7年間150人以上の科学者が参加した「MICrONSプロジェクト」の成果は、あのヒトゲノム計画に匹敵する偉大なものであるという。
マウスの脳の3D地図の作り方
この研究の正式名称は「MICrONSプロジェクト(Machine Intelligence from Cortical Networks)」という。
アメリカの情報機関IARPA(国家情報高等研究計画局)と、NIH(アメリカ国立衛生研究所)のBRAINイニシアティブによる支援を受けて進められた。
このプロジェクトを行ったのは、ベイラー医科大学(テキサス州)とスタンフォード大学(カリフォルニア州)、そしてアレン研究所(ワシントン州)などの研究機関だ。
研究チームはまず、マウスが映画やYouTubeの動画を見るあいだ、視覚野の脳活動を特殊な顕微鏡で記録。
その後、同じ脳の1mm³の部分を2万5000枚以上の超薄切片に加工し、電子顕微鏡で撮影する。
この画像をもとに、プリンストン大学(ニュージャージー州)の研究者たちがAIと機械学習の技術を駆使して、脳内の細胞と接続の立体構造を再構築した。
完成した神経配線図は、データ量にして約1.6ペタバイト(約22年分のHD動画に相当)という膨大な情報を含んでいる。
この画像を大きなサイズで見る3Dマップからもたらされた数々の発見
膨大な情報量を含むこのデータからは、新しい細胞型や特性、組織や機能の原則などさまざまなことが明らかになっている。
だが、とりわけ驚くべき発見の一つは、神経細胞が脳内の活動を抑制する仕組みであるという。
これまで神経活動を抑制する細胞(抑制性細胞)は、ただ単純にほかの細胞の働きを弱めていると考えられてきた。
ところが、実際にはずっと精緻なコミュニケーションが交わされていたのだ。
抑制性細胞はただ適当に働きを抑える細胞を選んでいるわけではなく、その相手を厳密に選んでおり、調整と協調のネットワークを形成していた。
複数の興奮性細胞を同時に抑える抑制性細胞があるかと思えば、特定の細胞だけをターゲットにする抑制性細胞もあった。
この画像を大きなサイズで見る脳の仕組みの解明や新たな治療法の開発に期待
この3D配線図は、脳と知能を解明する強力なツールになると同時に、アルツハイマー病、パーキンソン病、自閉症、統合失調症など、脳の病気の治療にも進展をもたらすと期待されている(なおハエの脳の完全なマップも存在する)。
アレン脳科学研究所のヌーノ・ダ・コスタ博士は、「ラジオが壊れても、その回路図があれば、修理もしやすいでしょう」と語る。
同博士によれば、彼らが作成したものは、ごく小さな脳組織のGoogleマップのようなものだそう。将来的には、健康なマウスと病気のマウスの脳の回路を比べて、病気の理解を深め、新しい治療法を考案する土台として役立てられるだろうとのことだ。
DNAの二重螺旋構造を発見したフランシス・クリックは1979年、「1mm3の脳組織でさえ、正確な配線図やその全ての神経細胞の活動状態を作成するのは不可能だろう」と述べた。
アレン脳科学研究所の主任研究員クレイ・リード博士が脳を生涯の研究対象として追い続ける原動力となったのは、この言葉であったそう。
そして彼らはクリックが「不可能」と述べたことを見事にやり遂げた。砂粒ほどの大きさの脳組織から作られた3D配線図は、思考・感情・意識といったこの地球でもっとも不思議なものの1つを解明する貴重な手掛かりになることだろう。
この3D配線図からもたらされた発見は、『Nature』に掲載された一連の研究で解説されている。
References: Nature / Medicalxpress / Goodnewsnetwork














記憶方法が解明されれば
記憶を録画して再生できるようになるね
ブレードランナーの「それはタイレル博士の名の記憶だ」ができるようになるのかー
名→姪でした
正しいAIの使い方
大きな一歩には間違いないと思うけど、構造を記載しただけでは機能は理解できない。そう考えると生命や精神の理解への道のりの遠さに愕然とします
牛は親友を作りネズミは仲間を助け
魚は鏡に映った自分を認識でき
植物もコミュニケーションを取り種を飛ばす方向を決める
実験動物も食材も必要なものだけど知れば知るほど心苦しくて生きづらくなるんだよな…
それは正しい認識だと思う、みな知能を持ち、かわいくなっていく
いずれ訪れる拒食主義
植物化する人類、水を飲み砂を食べる
しかし水もまたかわいいスライムに!
そして尚も密かに捕食する存在が人狼として定義される
アメリカの先端的な研究もこのあたりが最後になりそうだな
砂粒の中に5kmって理解が追い付かない
5億↔523万 5.4km↔4km
一体どっちなの
マウスの大脳皮質を3D化したみたいだね
あまりにも神経線維が多くて驚き