この画像を大きなサイズで見る今から4億年以上前、植物が陸上に進出し始めた時代の原初の森には植物でも菌類でもない、未知なる巨大な生命が存在していたようだ。
1843年に発見された巨大な化石「プロトタキシーテス」はこれまで、菌類であるという見方が一般的だったのだが、最新の研究によるると、既存の種のどれにも当てはまらない、すでに絶滅した独自の系統だった可能性があるという。
一体、プロトタキシーテスとは何ものなのか?研究の詳細を見ていこう。
原初の森に高さ8mの巨大な生物
「プロトタキシーテス」は、シルル紀からデボン紀にかけて生息した、樹木に似た形状をした生物だ。
シルル紀(4億4370万年~4億1600万年前)は、ちょうど植物が本格的に陸上に進出し始めた時期で、当時の植物は現在地上をおおっている種とは比べ物にならないくらい小さなものだった。
ところがプロトタキシーテスだけは例外だ。並外れて大きく、高さ8m、幹の太さは1mにも達していた。
それゆえに発見当初は針葉樹の一種とされたものの、その後の調査でキノコやカビの仲間、すなわち「菌類」に分類されることになった。
だが今回の英国エディンバラ大学をはじめとする研究チームは、巨大な菌類ですらなく、新たな独自の系統であることを結論づけている。
この画像を大きなサイズで見る菌類には見られない特徴を発見
研究チームが調査したのは、スコットランド北部にあるデボン紀前期の地層「ライニーチャート」で発掘された4億1000万年前の「プロトタキシーテス(Prototaxites taiti)」の化石だ。
この化石は細胞レベルまで調べられるほど保存状態がよく、過去の分析ではトリュフやビール酵母も分類される菌類「子嚢菌門(しのうきんもん)」の仲間だろうとされていた。
ところが研究チームが改めて化石を分析したところ、子嚢菌門はおろか、ほかの菌類とも一致しない特徴が複数見つかったのだ。
プロトタキシーテスは、菌類が細胞壁を作るのに利用する「キチン」と「βグルカン」を持っていないのだ。
これらの化合物は4億年という時間のせいで失われたわけでもなさそうだ。
たとえば、ライニーチャートで発見された同時期の菌類の化石では、芳香族炭化水素「ペリレン」の痕跡が確認されているが、プロトタキシーテスの化石では見つかっていない。
こうしたことは、「キトサン」と「βグルカン」もまた最初からなかっただろうことを示唆している。
さらにプロトタキシーテスが菌類とされてきた根拠の1つにも、ユニークな特徴があった。
それは菌類と同じような繊細な管状構造のことだ。今回の研究では、その特徴を詳しく調べ、いかなる菌類のものとも違うことが確認されている。
この画像を大きなサイズで見る既存のいかなるものとも違う系統
研究者たちはプロトタキシーテスの特徴を詳しく分析し、現在のどの生物グループとも一致しないことを確認した。
その理由として、以下の3つの特性が挙げられる。
(1) 多様な種類の管状構造を持つ巨大な多細胞体を形成していた
(2) 細胞の成分に、芳香族フェノール類を多く含んでいた
(3) 死んだ有機物を分解する腐生性の生活を送っていた可能性
これらの特徴を持つ既存の生物は見つかっていないため、プロトタキシーテスは「絶滅した独自の生命系統」に属する可能性が高いと研究チームは結論づけた。
ただし同じ地層からから発掘されたその他の生物は、現存する系統に関連しているとのこと。
そうした太古の生態系を支えたプロトタキシーテスは数千万年に渡り繁栄したが、それが絶滅した後、その空白を同じ系統が埋めることはなかったようだ。
この画像を大きなサイズで見る今回の研究はまだ査読前の段階にあり、今後の議論次第で結論が変わる可能性もある。
しかし、もしプロトタキシーテスが既存の生物グループに属さない「独自の生命系統」だと証明されれば、進化の歴史に新たなページが加わることになるだろう。
4億年前の地球には、現在の生物にはない、全く異なる進化の道を歩んだ巨大な生命体が存在していたかもしれないと思うとワクワクするね。
この研究の未査読版は現在『bioRxiv』(2025年3月17日投稿)で閲覧できる。
編集長パルモのコメント

4億年前、デボン紀は魚の時代とも呼ばれ、海にはサメやエイの先祖が登場しだしたころだ。そしてなんといってもシーラカンス!脊椎動物はまだ誕生していなくて、陸には初期の節足動物がいた時代だ。タイムトラベルができるなら、その時代の生態系を見てみたいよね。
References: Livescience / Newscientist / Biorxiv














なるほど。現在この星に生えている樹木は収斂進化の可能性が出てきたということか?(もちろんこの謎生物群がマネた側の可能性もある)
収斂進化こそが生物を次のステージに進める鍵だと仮定すると、人類はコレ以上の進化を目指すときに何をマネるかで枝分かれするのかね?
収斂進化って、
同じような環境に適合するに当たって、同じような形状(対処)になった事を言う。
例えば、蛙の足の水かき、水鳥の足の水かき。モグラの手、おけらの手。
どちらも、水を効率的に蹴る、土を効率的に掘る為に似た構造になっている。
あと、樹木は、効率よく光合成するために背を高くし、折れない強固な体(木質化)を得た。
こいつは、何のために背を高くしたのか(この姿になったのか)が不明だから何とも。
そもそも、直立していた(断定)と言うのも…もしかしたら蔓みたいに地上をうねってたかもしれんし…。
3枚の想像図がけっこうバリエーションに富んでないか?
つまり「界」レベルで絶滅した生物ということかな?
だとしたら初の確認例かも
自分が疑問に思うのは何故絶滅してしまったのかと言う事と何故同じ系統(有機物を取り入れて繁殖する菌や植物)の天下が来なかったと言う事かな? 激しい気候変動なのか地磁気変化とか大気の問題とか種全体に共通して起こる問題が有ったのだろうと思うが、気になるな(ロマンだけど)
そのまま真菌にニッチを奪われたからだと思うな
プロトタキシーデスは真菌ではないが、やってることは真菌と同じ生物だったということだろう
多細胞生物は大きく3系統(動物・真菌・植物)に分けられるが、滅びた第4極が居たってことだね
個人的には多細胞性+細胞壁が無いという特徴に合うのは動物なので、もしかしたら動物の親戚だと思う
動物!?って思うだろうけど動物そのものではなくて、それにごく近いなにか
動物と真菌は共通祖先がいてオピストコンタというグループに属する親戚どうし、逆に言えばオピストコンタは多細胞生物を2タイプも輩出している優秀グループなので、滅びた3種目、動物にとって真菌より歳の近い2人目の兄弟がいた可能性はある
想像図の黒い塔が異物感凄くてゾクゾクする
細胞性粘菌や変形菌の巨大な子実体で、デボン紀の林床はカラフルなアメーバ状の物体に覆われていたのかも。真菌がセルロースやリグニンを処理できるようになって立場が逆転したとか。
これ、手塚治虫の「火の鳥」に出てきて読者の子供たちにトラウマを植え付けたアレだ
ナウシカの粘菌みたいだ。
お魚さんは脊椎動物なんやで…
これがやがて木の幹になるんだよ!
最初は葉っぱと幹で別の種族で幹が次第に葉っぱに寄生されるようになったんだよ!
どうやって8メートルもの巨体を支えていたのか気になる
現代の植物はセルローやリグニンで細胞壁を強化して巨大化したけど、この生き物はどんな物質を合成していたんだろう
案外これの子孫がオベリスクとかだったりしてな
何だかツクシのボスみたいな外見だな
これはヴォイニッチ手稿に出てくるやつなのでは?