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アマゾンのサルたちが安全に道路を渡れるよう空中に橋を架けた女性

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(著) (編集)

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Photo by:iStock
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 サルたちの命がけの横断を防ぎたい。アマゾンの熱帯雨林を貫く道路では、行き交う車をどうにか避けて渡ろうとしては、命を落とすサルが絶えない。そうした悲しい事故を防ぐユニークな取り組みが近ごろ注目を集めている。

 その取り組みとは、ブラジルの動物保護活動家で研究者のフェルナンダさんが設計した、樹上性のサルたちを救う橋、その名も「キャノピーブリッジ」の設置だ。

 サルたちの空中通路となるロープの橋が、地元の人の協力で設置され、絶滅危惧種のサルたちも道路に降りずにわたれるルートが少しずつ増えている。

 自然をつなぐ橋の普及を呼びかけるフェルナンダさんは、自然保護分野の「オスカー」とも称される「ホイットリー賞」も受賞。その取り組みにせまってみよう。

サルたちが命がけで渡る自動車道

 アマゾンの広大な森を縦断する自動車道。それは人間にとって便利なインフラだが、野生動物にとっては命がけで渡る道だ。

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 道路生態学者でスミソニアン保全生物学研究所の博士研究員でもある動物保護活動家のアブラ・フェルナンダさんも、そこに足を踏み入れざるを得なくなったサルたちが、次々と車にひかれる悲惨な事態を目のあたりにしてきた一人だ。

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アマゾン川流域に生息するオマキザル科のアカテタマリン

 そのたびに心を痛めていた彼女とって、とてもショックだったのが、初めて目にした絶滅危惧種の霊長類でブラジルの固有種でもある広鼻小目のグローブス・ティティ(Groves’s titi)がアスファルトの上で息絶えていたことだった。

ブラジルの固有種で絶滅危惧種のグローブス・ティティ(Groves’s titi)

森の哺乳類のため橋を架けるプロジェクト

 ショックを受けたフェルナンダさんは、分断された彼らの生息地である自然をもう一度つなげるプロジェクトを立ち上げた。

 本来なら広大な森林の樹上で生きる哺乳類。その暮らしが道路で断たれたために起こる事故を減らすためだ。

 そこから「キャノピーブリッジ」という画期的なアイデアが生まれた。キャノピーとは木々の樹冠同士が接してできる、森林の上層部分を意味する。

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完成したキャノピーブリッジ

 その橋は、森林の上部に水平のロープやワイヤーを張り巡らせたもので、樹上で暮らす動物たちが道路を安全に横断できる仕組みになっている。

伝統の知恵とスマートな技術を活用

 幸いなことに橋の建設には助成金が支給され、設置に関しても地元の先住民族ワイミリ・アトロアリの人々が協力してくれている。

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橋の説明をするアブラ・フェルナンダさんと先住民族ワイミリ・アトロアリの人々

 森をよく知る彼らが、伝統的な知識で動物たちの道をつきとめ、橋を架けるべき場所を決めてくれるのだ。そのおかげで30か所に橋を建設できた。

 完成した橋はまもなくサルたちが使い始めてくれた。

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 さらに監視カメラをつけ、動物たちの利用状況を記録している。

 そのデータは個体数の推定や、次の橋の設置場所の候補など、保護に役立つ情報として活用されている。

橋を渡るサルたちの映像を見るたびにとても嬉しくなります。それが路上で起きる悲しい事故を防げた証になります (フェルナンダさん)

Fernanda Abra | Sir David Attenborough presents 2024 Whitley Award winner | Brazil

絶滅危惧種の死亡率が減り設置がさらに拡大

 猿サルたちが橋で行き来してるところを見るだけでもほほえましいが、うれしいことに橋ができてからは、オマキザル科のシュナイダーマーモセット、クモザル科のスピックスアカホエザルといった絶滅危惧種の路上の死亡率が大幅に減るなど、すでに効果が表れてるそう。

 現在このプロジェクトは、ブラジルの他の州にまで広がっており、フェルナンダさんはこうした橋をさらに建設できるよう、大学や、慈善家、政府に資金援助を呼びかけている。

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このように群れ同士を会わせることで、その種はより強靭になり大きくなるでしょう。私はこの素晴らしい生物多様性を守るため、できる限りのすべてをしたい。それが私たちの未来をより良くするカギだと思います(フェルナンダさん)

 フェルナンダさんと橋のプロジェクトは2024年に、地域の霊長類の保護活動として高く評価され、自然保護分野の「オスカー」とも称されるイギリスのホイットリー自然賞を受賞するなど、国際的にも注目されているようだよ。

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アカテタマリン Photo by:iStock

References: Goodnewsnetwork

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この記事へのコメント 10件

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  1. いいことだとは思いますが
    橋の高さがけっこう低い気がするので、引っかかる車両がないかどうか気になります…!

    • +11
  2. 人間や飼い猫が殺した一匹が最後の一匹だったという
    絶滅の歴史はチラホラあるので人による不用意な殺生が
    少しでも減るに越したことはない。

    • +13
  3. こういうプロジェクトは本来、国家が100%の資金を出して大規模にやるべきことだが、経済効果が無いことには小銭しか出さないだろうな

    • +20
    1. 野生動物の生育域に配慮して、
      道路を計画する段階で識者を招いている国もあるけど、
      残念ながら少数だと思う。

      • +4
    2. アマゾンの周辺国ってそれほど裕福な国家でもないし大金出すのは難しいでしょう。
      広さも半端じゃない。
      しかも自然環境を守るより破壊したほうが国は繁栄するし仕方ない。

      • +1
      1. ブラジルのパンタナールでジャガーを見たり、
        アフリカのサファリとか、できるだけ自然や野生動物に負担をかけない
        グリーン・ツァーで収入を得る方法もあるけど、
        鉱山とか運搬用道路とかドカーンと儲かる方に目が行っちゃうだろうね

        密猟者と取締まりはイタチごっこだし、悪徳ツァー会社もある
        スペインが不況で苦しい中、あろうことか王がゾウ狩りをした時は
        腹が立ったな~

        • 評価
  4. カメさんは、木登りできないんやで。せや、お猿さんに運んでもらうか!

    • +6
  5. 次は休憩所としてサルノコシカケを是非

    • +6
  6. 日本でもごく一部ではロードキルで命失う在来種減らそうってことで小さいアンダーパス設けたりしてるけど…やろうとしてる方々にお金出す人いないと苦しいだろうね。

    • +5

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