この画像を大きなサイズで見る地中海の研究施設では、長年不可解な問題に悩まされていた。研究用のエサを持ったダイバーが海に入ると、特定の魚が後をついてまわり、エサをもらおうとするのだ。
奇妙なのは、そうした魚たちが以前にエサをくれたことがあるダイバーにばかりつきまとうことだ。他のダイバーには見向きもしない。
もしかして魚たちは人間の姿を認識できていて、誰が誰だか覚えているか?
そこで、ドイツ・マックスプランク動物行動研究所の研究チームは、魚たちが本当に人間を見分けているのかどうかを確かめる実験を行った。
人間が魚を観察するとき、魚も人間を観察している
魚類学者の仕事は魚をじっくり観察することだ。そんな彼らが、まさか自分たちも魚からも観察されているとは思いもよらなかったようだ。
マックス・プランク動物行動研究所の博士課程の学生マエラン・トマセク氏は、「野生の魚が私たちを認識しているかなんて、気にしたこともありませんでした」と、ニュースリリースで語っている。
深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを…の魚版じゃないか。
これまでの、魚が”人間”の顔を認識する能力についてほとんど研究されていなかった。
テッポウウオという飼育下の魚が、コンピューター画像上の人間の顔を識別できるという研究結果は報告されているが、野生環境で魚に同様の能力があるかどうかについては、調べたことはなかった。
なお、シクリッド(Neolamprologus pulcher)という魚が仲間の魚の顔を見分けることができることは、2019年の日本の研究で明らかになっている。
この画像を大きなサイズで見る魚が人間を区別しているかどうかを確かめる実験
実験場所は地中海に設られたマックス・プランク動物行動研究所の施設だ。被験者はそこを泳ぐ野生の魚で、自由意志で参加してくれたボランティアだ。
実験者は、赤いカラーがよく目立つウェットスーツ(魚の注意を引くためのもの)を着て、50mほど泳ぎながら、魚たちに餌を与える。
こうして魚が慣れてきたら、少しずつ地味なウェットスーツに戻し、エサを与える頻度も減らす。
最終的には普通のウェットスーツを着て、50mずっとついてきた魚にだけエサを与えるようにする。
この画像を大きなサイズで見るこうして最後まで残ったのが2種(オグロダイとメジナモドキ)のタイ科の魚20匹ほどだ。この魚たちは、人間のダイバーについていくとエサがもらえると学習している。
次の第二段階では、2人のダイバーが海に潜り、まったく別々の方向に泳ぐ。
魚にわかりやすいよう2人は色が正反対のウェットスーツを着ており、50m泳いだ時点で片方のダイバーだけがエサを与えた。
最初、魚たちはどちらについていくべきか迷っているようだったという。だが、これを繰り返すうちに、エサをくれるダイバーにだけついていくようになったのだ。
トマセク氏は、これについて「じつに興味深い結果」と語る。
魚は、今までの癖でそうしたわけでも、ほかの魚がついていくからそうしたわけでもありません。両方のダイバーを意識し、それぞれを試し、最終的にエサをくれる人間を学習したのです(トマセク氏)
魚は視覚情報を手がかりに人間を区別している
なおこの実験で、2人のダイバーがまったく同じウェットスーツを着ると、魚は両者を区別できなくなったという。
このことは、魚が特にウェットスーツの色で人間を区別しているだろうことを示している。
じつはこうした見分け方は人間でも同じなのだという。
水中に潜ると視界が歪んでしまう。そこで人間のダイバーは、ウェットスーツやフィンの特徴などでお互いを見分けようとする。
魚たちも水中で見やすい特徴に注目していると考えられるのだ。
だが魚たちが慣れれば、髪や手といったもっと繊細な特徴に注目するようになる可能性はある。
ダイバーとして参加した、マックス・プランク動物行動研究所の学生カティンカ・ソラー氏によれば、実際にそのような兆候があるのだという。
魚は私たちの顔に近づいて、じっくりと観察していました。まるで私が研究者ではなく、魚たちが研究者であるかのようでした(ソラー氏)
この画像を大きなサイズで見る進化の壁を越える絆
魚が人間を見分けているというのは驚きの結果であるが、この研究を率いたアレックス・ジョーダン氏は当たり前のことかもしれないという。
そもそも動物たちはこの複雑な世界を生きる中で、さまざまな生き物たちに出会っている。
だから彼らが外見で人間を区別できるのは、ちっとも意外ではないのだという。
むしろ、そのことに私たちが驚くのは、水中の生き物たちの能力を過小評価しているということではないでしょうか(ジョーダン氏)
そういえば、ダイバーと魚の間に絆が芽生えた、なんて話もよく聞くから、魚が人間を見分けられるのは当然のことなんだろう。
なお今回の結果は、魚のみならず、さまざまな動物たちの種を超えた特別な関係の基礎になるメカニズムであるとのこと。
地球上の生物たちは長い時間をかけて、それぞれ独自の進化を遂げてきた。
だが「注意を払えば、何百万年もの進化の距離を克服することができます」と、ジョーダン氏は語る。
今、彼らが私たちを見ていることがわかりました。次は私たちが彼らをじっくりと見る番です(ジョーダン氏)
この研究は『Biology Letters』(2025年2月19日付)に掲載された。
References: MPG / Royalsocietypublishing














ホントだよ、冗談じゃないよ
他種どころかヒト同士でさえ相手を過小評価しがちですからね
通勤で3年くらい川沿い歩く時期が有ったんどけど1年目過ぎた当たりから同じ場所で魚が跳ねる事が時々有ったんだけどそういう事か。
魚さばきにくくなるな・・・
>>じつはこうした見分け方は人間でも同じなのだという。
SNSでアイコン変わるとこの人誰だっけ、ってなるやつ
まあダイバーにはよってきたりするとか、奥さんを見分ける金魚とか聞くからね
浅いところにいる奴は視認する(記憶も)だろう
目で見て餌を探す能力と大型の魚におこぼれをもらえることを理解できるなら
船やダイバーを識別するはず
深海魚はできないだろうな
水族館の飼育員さん見分けるかな?
むしろ足音とかで…あっオペラント条件づけだわ、それ
いつも出勤するルート上におおよそ月3回位にいるカワセミが挨拶してくれるよ。いつも同じ声で鳴く。二回鳴くんだ。二十年も歩いてるとそういうことにもなる。
ちなみに都度おはようって俺は言ってる。
おおん?思い込みは人間の特権だよ。
誰にも迷惑かけてないんだわオホォン?
釣り上げた魚の目線が恨めしそうな事(~_~;)
人間は尾びれがない
代わりに二本足がついてる
他で出てきた魚と仲良しダイバーが装備一式新調したらどーなるんだろ?
ナマズと仲良しさんは潜ってないから、服装にバリエーションあるだろうし
この手の記事読むごとにタコだけでなく魚全般までも食い辛くなってきた
写真のフィンは色が違うのが分かるけど、スーツはまったく同じに見える。
サカナはどう見えるんだろう・・・
飼ってたプレコはいつもはのんびり手前でくつろいでるけど、知らないお客さんが来ると土管に隠れてたな