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コガタペンギンの離婚率は人間の約10倍!本能に正直に生きていた

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(著) (編集)

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 鳥類は一夫一妻制で死がふたりを分かつまで添い遂げる種が多い。ハクトウワシ白鳥ガチョウなんかがそうだ。

 だがそうじゃない種も少なからず存在する。その代表例がペンギンで、これまでの研究でペンギンは浮気しがちで、三角関係のもつれまであることが判明している。ただしペンギンの種によっても大きく異なることもわかっている。

 今回調査対象となったのは、オーストラリア・フィリップ島に生息するコガタペンギンだ。彼らの場合、非常に性を謳歌しているようで、その離婚率はアメリカ人の年間離婚率の10倍に上ることが明らかとなった。

コガタペンギンの離婚率を12年間追跡調査

 オーストラリア、メルボルンにあるモナシュ大学の研究チームは、フィリップ島に生息する約1,000組のコガタペンギンたちの繁殖期を、2000年から2013年の間の12年間にわたって調査した。

 その結果、約1000組のコガタペンギンのペアのうち、年間平均21組、累計250組が離婚していたことを確認した。

 前年の繁殖期にタグをつけたペンギンが、翌年に新しいパートナーとペアになった場合、これを離婚と定義した。

 離婚大国と言われるアメリカ人の離婚率は年間1000組あたりおよそ2.4組で、コガタペンギンのほうが約10倍も多いことになる。

 コガタペンギンが浮気しやすいことは知られていたが、これほどまでに多いとは、研究者たちも驚いたという。

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一生同じパートナーと過ごすことが珍しいくらい離婚率の高いコガタペンギン Photo by:iStock

コガタペンギンとは?

 コガタペンギンはその名の通り、ペンギンの最小種で、体長約30〜40cm、体重約1kgほど。オーストラリア南部やニュージーランド沿岸に生息し、夜行性で、夜に陸に戻る習性がある。

 青みがかった羽毛が特徴で、英語圏では「フェアリーペンギン」とも呼ばれる。主に小魚やイカを食べ、巣穴で繁殖する。

 寿命は野生下では6-20年、飼育下では20-25年ほど。

 コガタペンギンは他のペンギンの種と違い、直立でペンギン歩きせずにやや前傾姿勢で歩行する。このことから、最も原始的な種類のペンギンであると考えられている。

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夜になると陸に上がるコガタペンギンたち Image credit: Phillip Island Nature Parks

コガタペンギンの離婚率が高い理由

 フィリップ島の巨大コロニーには、3万7000羽以上のコガタペンギンが生息しているが、離婚率が高いのには何か理由があるのだろうか?

 ペンギンの離婚率は、繁殖の成功率に深く関係しているという。

 「子宝に恵まれると翌年も同じパートナーと繁殖を繰り返します。しかし、繁殖がうまくいかなかった場合は、翌年に新しいパートナーを探すことが多いのです」とモナッシュ大学の生態生理学者、リチャード・レイナ氏は説明する。

 だがそれとは関係なしに浮気もしっかりするという。

 ペンギンは一応、繁殖期ごとに決まったパートナーとペアを組むが、実はその関係が絶対的なものではないのだ。

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このカップルは夫婦なのだろうか?不倫なのだろうか? Photo by:iStock

ペンギン界は一般に性に奔放

 この発見は、コガタペンギンはパートナーに対してあまり忠実ではなく、”鳥たちは生涯愛を貫く”という人間の勝手な幻想を打ち砕くことになるかもしれないが、ペンギン界ではこうした浮気は決して珍しいことではない。

 コウテイペンギンやアデリーペンギンも決まったパートナーがいても浮気することがわかっている

 一方で、ガラパゴスペンギンの場合、89%が繁殖の相手を変えないそうだ。

気候変動とペンギンの浮気率の関係

 彼らが繁殖の成功を目指してパートナーを取り替えるのは、種が滅びないためには必然だろう。

 そのコロニーの出生率が低いと「離婚」が増え、高いと大幅に減ることもわかっていて、これはコロニー全体の繁殖成功率と密接に関わっている。

 近年、地球温暖化の影響でフィリップ島のコガタペンギンの繁殖のタイミングが早まっているそうだ。

 モナシュ大学の海洋科学者アンドレ・キアラディア氏によると、繁殖期が早く終わることで「浮気」が増えている可能性があるという。

早く繁殖を終えると、ペンギンたちは『もう1回子作りに励めるかも』と考えるのです。実際には、1晩で4〜5羽の異なるパートナーと交尾することもあります(キアラディア氏)

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Photo by:iStock

離婚率と繁殖成功率の関係

 興味深いことに、この研究ではペンギンの「離婚率」が繁殖の成功率に大きく影響することも判明した。

 離婚率が18%以下の時には繁殖が成功しやすいが、逆に離婚率が高くなると繁殖の成功率が低下する傾向にあった。

ただし、離婚が必ずしも悪いわけではない。研究チームによると、離婚は長期的な繁殖成功率を向上させる適応戦略かもしれないという。

  • 前の繁殖期で失敗した場合、新しいパートナーを探すことで繁殖のチャンスを高める
  • より優れたパートナーが見つかると、そちらに乗り換える
  • 環境の変化によって、パートナーが戻ってこられない場合に仕方なく新しい相手を選ぶ

 といった理由で「離婚」が起こるのだ。

 動物の場合、つがいの離別の要因には繁殖という最大の原因があるが、互いの相性の問題ももちろんある。

 より複雑な相互関係を築く人間の場合と似ていなくもなく、ペンギン界を観察するのは実に興味深い。

本研究は『Ecology and Evolution』誌(2025年1月11日付)に掲載された。

References: The secret lives of Phillip Island’s divorcing penguins - Monash University

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この記事へのコメント 16件

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  1. 多分だけど、、そういう種というだけで浮気という概念では無いんだろう。

    • +16
  2. ペンギンもオシドリの夫婦だったか。
    まあ遺伝子プールをかき混ぜるという点ではその方がいいのかもしれないが、添い遂げる種もあるのだからそう単純でもないのだろうな。

    • +21
  3. 人間の場合だと、
    離婚の労力より婚姻を継続する方がマシって話もあるけど
    そこら辺どうなんでしょうね?
    離婚したペンギンさん、離婚って大変でした?

    • +5
  4. 人間も一夫一妻固定は無理があるような気がするなあ
    一夫一妻も含めた色んな選択肢があっていいと思うけどね

    • -7
    1. ペンギンですら同性愛含めてドロドロのペンギン関係になるのは割と有名なので
      人間だと殺人すら増えそうだから無理

      • +5
    2. 選択肢あるじゃん。アフリカやアラブ諸国には一夫多妻できる国があるんだから移住すりゃいい

      • +8
  5. 人間と比較するなら、法的な結婚・離婚よりも
    一定期間 性行為のパートナーになっていた相手と
    別れた回数でカウントすべきではって気もする。

    • +4
  6. 不妊治療で苦労されているみなさんを思うと、落差がすごい。

    • +1
  7. そういや水族館でもペンギンのカオスな相関関係は人気だな…

    • +11
  8. 法の認める婚姻制度がないから離婚率はゼロ倍だな!

    • +6
  9. ふふふ、東京の離婚率には負けてるがな

    • 評価
    1. まさに
      英名でフェァリー(妖精)ペンギンとも呼ぶそうですね。

      • +1
  10. 子孫を残すために必要なことだからね…離婚とか浮気とかそういうのとはまた別じゃない?野生の動物だし

    • +2
    1. 例えば夫の浮気現場を目撃すると正妻と愛人で闘いが勃発したりするらしいので、全く同じとは言えずとも遠からずな所もあるかもですな

      • +3
  11. 一方ニンゲンは三割が最初の結婚すらできないのであった。

    • +3

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