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なぜ会話中に目を合わせるのが難しいのか?脳の処理に原因があった

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(著)

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 日本人は特にそうかもしれないが、会話中に相手の目を見つめるのが苦手だという人は多い。

 だがそれは単なる恥ずかしさだけのせいではないという。京都大学の研究によると、目を合わせながら会話を続けることは、脳にとって意外に負担の大きい作業なのだという。脳が複数のタスクを同時に処理しきれないことに起因

 相手の視線を避ける行動が脳の自然な反応であることを知れば、視線を合わせてくれない人に対する不信感も和らぐかもしれない。

脳は複数のタスクを同時に処理しきれない

 京都大学の研究チームは、26人の被験者に単語の連想ゲームを行わせる実験を通じて、この現象を調査した。

 被験者たちはコンピューターで生成したアニメーションの顔と目を合わせながら、ある単語に関連する別の単語を考えた。

 その結果、目を合わせていると、連想するのが難しい単語に特に時間がかかることが分かった。

 例えば、「ナイフ」に関連する動詞を考えるのは簡単だ(「切る」や「刺す」など)。しかし、「フォルダー」に関連する動詞(「開ける」、「閉じる」、「埋める」など)は多くの選択肢がありより難しくなる。

 京都大学の研究者たちは、視線を合わせることと言葉を考えることが、脳の同じ認知リソースを使用しており、これが干渉を引き起こす可能性を指摘した。

 実際、被験者が簡単な単語連想を行うときは目を合わせても問題なかったが、難しい単語になると時間が長くなった。

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Photo by:iStock

10分間他人の目を見つめると意識に変化が起きることも

 さらに、2015年にイタリアの心理学者ジョバンニ・カプートが行った研究では、他人の目を10分間見つめると意識に変化が起きることも確認された。

 被験者たちは、怪物、親族、自分の顔といった幻覚を見るようになったのだ。

 この現象は「神経順応」というプロセスによるもので、脳は変わらない刺激に対して徐々に反応を変えていくのだという。

 例えば、机に手を置いた瞬間に感じる感触が時間とともに薄れるのと同じだ。

 京都大学の研究においても、目を合わせながら単語を考える際、同様の神経順応が何らかの形で影響している可能性があるとされている。

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image credit:unsplash

目をそらすことは失礼ではない?

 こうした研究結果は、視線を合わせることで、円滑に会話ができなくなる可能性を示唆している。

 このため、話をしている相手が目をそらす場合、それは必ずしも失礼な行為はなく、むしろ脳が情報の過負荷に陥っている可能性があるのだ。

 この研究は26人という少ない被験者数で行われたが、非言語的コミュニケーションと言語処理の関連性を探る重要な一歩となった。今後さらに大規模な研究が必要だと研究者たちは述べている。

 だからもし次に誰かが会話中に目をそらしても、それを個人的に受け取る必要はない。彼らはただ自分の脳を調整しているだけかもしれないのだ。

 この研究論文は『Cognition』に掲載された。

※この記事は2018年5月に掲載したものを加筆、編集したものです。

References: This Is Why It's So Hard to Maintain Eye Contact While Having a Conversation : ScienceAlert

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この記事へのコメント 26件

コメントを書く

  1. 男とは要所要所で合わす感じかなあ…男同士はプレッシャーになる場合もあるらしいので。
    女の子だと勝手にめっちゃ合うからこっちも合わせまくる
    どっちかが喋ってる時はずっと目が合ってる感じ

    • 評価
  2. 子供の頃から変わらんのだけど、「話を聞いている姿勢」を作ると内容が入ってこないから結構困るんだよね

    • +20
  3. 「目を見て話しなさい」って言われなかった?
    あれなんだったんだろう

    • +3
    1. 子供の時以外言われないことやけど
      目を見ろ(適度に)って意味やで
      あとは空気読むしかない

      • +7
      1. 実際には相手の方を向いて話せってのが正しい所だと今でも思ってる

        • +10
    2. まぁ躾として嘘をつかない、正直に話すってのと同じ事かな
      目を見て話す事で相手は嘘をついてるとか焦ってるとかわかるから

      • +1
      1. 自分は逆に、誠実にきちんと考えた答えを返す時ほど
        視線を外すことが多いんだよな。
        目線を上に向けて思い出したり、
        下向き気味に筋道を組み立てながら訥々としゃべったり。

        でも、それやってて
        「目を見て話しなさい! やましい事でもあるの!?」とキレられたら
        (そういうタイプって女の先生に多かったような気がする)、
        もう真剣に向き合うのを諦めて
        いかにも殊勝そうなポーズで 通り一遍の紋切り型返球をする役者になっていた。

        • +1
        1. 目線には心理学的な面もあるからなあ。男は作り話や嘘つく時に、目線外すってのがあるので

          一番良くないのはキョロキョロさせること
          不安緊張自信のなさ、社交力の不足全部見抜かれて、これだけで相手に不信感を抱かせてしまう。目は口ほどに物を言う

          • +1
  4. 野生動物なら目合わせたら挑発扱いだから敵意無ければ逸らすもんだよ
    人間にも多少残ってても不思議じゃないと思うが

    • +7
    1. 元々はそうだったんだけど人間が集団で社会を作るようになって信用が大事になった時に目を見て相手に本意を伝える必要が出てきた
      例えば営業職なんてしてる人は目を合わせる事が当たり前になるし引きこもりはまったく目を合わさなくなる

      • +2
  5. 連想自体が割と不思議だよね、真っ暗な感じにしててポンって出てくるよね
    出てこない場合は、文字数とかそのリズムとかアクセントだけとかになってるよね
    連想ってそもそもアウトプットだから
    目を見るってインプットがあると邪魔なんだろうね

    • +1
  6. 目を見て話してると瞳に吸い込まれてしまうよね
    瞳孔が開くんだよ!

    • +1
  7. 小学生の頃先生に「相手の目を見て話なさい」なんて言われたけど実は間違ってたって事?

    • 評価
  8. 目を見つめられたら
    喧嘩を売っているのと同じ

    無礼討ちじゃ

    • 評価
  9. 実はマルチタスクだったのか
    自然体でできる人とそうでない人がいるんだろうな

    • +9
  10. 子供の頃、親にいつも怒られてたから目を合わせるのがコワイ

    • 評価
    1. これ多そうだなと思ってた。幼少に親から自己肯定感削がれまくった結果伏し目がちになるパターン
      自分が怒る時すら明後日の方向いて俯きながらだったり
      目以外の部分から顔色を伺うクセが付いてる

      • +3
  11. 単にタスクの問題
    例えば音楽を聴くときは部屋を暗くして視覚情報を少なくした方が良く聞き取れる
    食べるときも目を閉じた方が味覚を感じやすい
    それと同じで相手の目を見るという情報の塊を避ける事で脳の情報処理能力が上がるって事
    逆に言うと相手の目を見る事で余計な情報が入りすぎて考えがまとまらなくなる
    特に日本人は相手の目から多くの情報を得る習性があるからな

    • +5
  12. しゃべってる最中目をつぶるクセがあって直さなきゃってずっと思ってるんだけど話すのに集中すると視覚情報がすっごいノイズになるから遮断したくなっちゃうんだよね

    • +2
  13. 人と話すときは目を合わせろって躾は
    複雑な思考を奪うことで優位を取らせないための制約なのか
    人間関係なんて難しいこと考えない方がうまくいくって経験則か
    逆に複雑なやりとりにはお手元の資料をご覧くださいとか誘導して
    うまく視線を外しあいながら話し合うか
    一人で考えて後日テキスト提出のほうが合うのかもなあ

    • 評価
    1. 社会で必要なスキルを養わせようとしてるんだよ。交友、就職、仕事、恋愛と何にでも役立つスキルだし

      会話はキャッチボールであって、全力投球じゃない。球速落ちるのはみんな当たり前だから、気にしなくていいってことさ

      • +1
  14. 逆に目を見ないと落ち着かなくて、相手の目をしっかり見つめてしまうんや…
    顔覚えられやすい理由それじゃない?て友達に言われて、やっと気付いたかも

    • +1
  15. 人の目をガチでガン見して話す人はほぼいないような…相手に余程興味がない限り
    見てるようでそれほど見てない
    表情の「変化」の方を何となく把握しようとしてるだけじゃないかな
    記憶を辿ったり意識が内に向いた時はまさに視線が外れるだろうし

    • 評価

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