メインコンテンツにスキップ

シベリアの永久凍土から保存状態の良い絶滅種、サーベルタイガーの幼獣が発見される

記事の本文にスキップ

20件のコメントを見る

(著)

公開:

サーベルタイガーの復元イメージ図この画像を大きなサイズで見る
Photo by:iStock
Advertisement

 気候変動の影響か、最近では北極圏にあるシベリアの永久凍土から続々と絶滅した動物たちが、当時の姿そのままの状態で発掘されている。

 そして今回発見されたのは、3万5千年前に絶滅したサーベルタイガーの幼獣だ。

 永久凍土と言う場所柄冷凍となっており、、毛皮、頭、胴体、手足はそのままの状態で残っている。失われた時代の生物を理解するうえで貴重な発見となった。

永久凍土で眠りについていたサーベルタイガーの幼獣

 2020年、ロシアのヤクーチア北東部、バディアリハ川付近の永久凍土層で、サーベルタイガーの一種、Homotherium latidens :ホモテリウム・ラティデンス)の冷凍遺体が発見された。

 サーベルタイガーはネコ科に属する食肉獣の中で日本語では剣歯虎(けんしこ)と呼ばれる、上顎犬歯がサーベル状となったグループである。

 その中の1種、ホモテリウム属は、約500万年前から約1万年前にかけて、ユーラシア大陸・アフリカ大陸・北アメリカ大陸・南アメリカ大陸に生息していた絶滅種だ。

 今回発見されたサーベルタイガーの遺体は、生後3週間の幼獣で、長大な上顎犬歯はまだ発達していないものの、毛皮、頭部、胴体、四肢がほぼ完全な状態で保存されていた。

 極寒の気候がその保存を可能にしたと考えられる。

この画像を大きなサイズで見る
シベリアの永久凍土で発見されたサーベルタイガーの幼獣の頭の側面画像 Image credit: A V Lopatin/Scientific Reports, 2024 (CC BY 4.0)  

現代の大型ネコ科との違い

 ロシア科学アカデミーの研究者たちは、この発見を「古生物学史上初めて、現生の動物には見られない絶滅哺乳類の外観を初めて研究できた」と報告している。

この幼獣の特徴は、現代の同年齢のライオンの幼獣と比較すると大きく異なっていることがわかるという。

 鼻口部の形状、大きな口、小さな耳、長い前肢、太い首回り、暗い毛色といった、寒冷地への適応が見られるという。

この画像を大きなサイズで見る
発見されたサーベルタイガーの外側の毛皮(左)とCTスキャンで骨の部分を表した画像(右Image credit: A V Lopatin/Scientific Reports, 2024 (CC BY 4.0)

 今回発見されたのはユーラシアに生息していたホモテリウム・ラティデンスに属し、これまで発見されていた、北アメリカのホモテリウム・セラムやアフリカのホモテリウム・プロブレマティクムとは異なる種である。

 ヤクーチアで発見されたホモテリウム・ラティデンスの幼獣の冷凍遺体は、後期更新世にユーラシア大陸にホモテリウム属が存在していることを裏付けるものだと研究者らは語る。

 近年、シベリアの永久凍土からは、ホラアナライオンケブカサイマンモス
オオカミパイソンなど、複数の絶滅した動物が発掘されており、いずれも保存状態が良いのが特徴だ。

この時期にはネアンデルタール人やデニソワ人もユーラシア大陸に生息していたと考えられており、もしかしたら永久凍土から、絶滅した人類種が発見される日も近いかもしれない。

 この研究は『Scientific Reports 』誌(2024年11月14日付)に掲載された。

References: World First 35,000-Year-Old Saber-Toothed Kitten Found Mummified In Permafrost | IFLScience

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 20件

コメントを書く

  1. 世界が戦争しとるときも、この子はじっと眠り続けとったんやなあ

    • +24
  2. >古生物学史上初めて、現生の動物には見られない絶滅哺乳類の外観を初めて研究できた

    永久凍土からはマンモスとかホラアナライオンとか
    ちょいちょい絶滅動物が見つかってるけど
    それらとはまた別の扱いなんだろうか?

    • +2
    1. サーベルタイガーは上顎犬歯が極めて長く発達した食肉目という、現在には存在しない特性があって、それに対応して特殊化した軟組織の様子がこの標本から観察されるので、そのことを強調して言っているようだ。

      • +12
    2. この場合の「現生の動物には見られない絶滅哺乳類」は一般名詞ではなく固有名詞、
      「現生の動物には見られない絶滅哺乳(全般)」って意味ではなく「現生の動物には見られない絶滅哺乳類(であるサーベルタイガー)」って意味なんだと思う。

      • 評価
  3. 牙生えてないのにサーベルタイガーだって良く分かったな。

    • +5
    1. スミロドン以外のサーベルタイガーは下顎の先端付近が下に突き出した形状になっており、そこが口を閉じているときに上顎の牙を受けるパッドのようになっている。CTスキャン画像から、この個体の下顎骨にはその突き出した部分があることがわかった。その他の下顎骨の形態(顎関節突起が低くて短い等)もあわせ、ホモテリウムとしている。
      他に上顎の唇が幅広くまた口裂が大きく口を大きく開けるのに適しており長い牙に対応している・首の筋肉量が多い等のサーベルタイガーに予測される特徴がこの個体から確認されたとのことだ。

      • +21
  4. みんなみんな人間が滅ぼしたんだよ
    ごめんね

    • -15
    1. サーベルタイガーの絶滅理由はまだはっきりしてない。寒冷化で獲物が少なくなった説もある。

      • +16
    2. この世は弱肉強食。謝るのは生物としておかしい。

      • +1
  5. どうして大きな口と暗い毛色が寒冷地への適応なの?
    空想じゃなくて事実を知ってる人いる?

    • -2
    1. たぶんだけど
      大きな口は少ない獲物を逃がさないため
      暗い毛色は日光を吸収するため
      ホッキョクグマも白く見える毛は透明の中空で地肌は黒いんだよね
      換毛で色が変わることができなくてもアムールトラは生きていけてることだし
      保護色を優先しなければならないってことはないのでしょう

      • 評価
  6. もしかしたら可愛い感じ?

    ワクワクするニュースですね!
    お母さんのミイラもあったら大興奮だよ。

    • 評価
  7. 寒冷地に住んでるのもあってかやはりモフモフ感が凄い

    • 評価
  8. 赤ちゃんが1匹で凍えながら死んだと考えると悲しい気持ちになる

    • +3
  9. 世界各地の原住民族の伝承や古文書などに記録として残っているnoahの大洪水によって・・・

    • 評価
  10. >永久凍土から、絶滅した人類種が発見される
    地球温暖化も悪いことばっかじゃないな

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

絶滅・絶滅危惧種生物

絶滅・絶滅危惧種生物についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

動物・鳥類

動物・鳥類についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。