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IQの高い子供たちは、ADHD(注意欠如・多動症)の診断が遅れがちであるとする研究

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(著) (編集)

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高IQを持つ子供はADHDの診断が見逃されやすい事実この画像を大きなサイズで見る
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 英国臨床心理学ジャーナルに掲載された新しい研究によると、IQが高い子供は、「注意欠如・多動症(ADHD)」の診断が遅れがちであるという。

 ADHDの多くは、子供の頃に診断されるが、IQ(知能指数)が高い子供たちにおいては、成人後に初めて診断が下されるケースが多いことが明らかになった。

 今回の研究はカナダ、オンタリオ州の発達障害ネットワークのデータをもとに行われたものだが、他の国でも同様の結果となるという。

なぜ特定の人はADHDの診断が遅れるのか?

 「注意欠如・多動症(ADHD)」は、気が散りやすく集中することが苦手、落ちつきがない、うっかりミスが多く忘れ物をしやすい、衝動的に行動してしまうなどの特徴を持つ発達障害の1つだ。そのせいで日常生活にも問題を抱えるようになる。

  ADHDの症状は大抵の場合、子供の頃から気づかれ、その多くは12歳未満で診断される。ところが、ADHDであることを周囲から気づかれず、大人になってからADHDと診断される人もいる。

 なぜ特定の人の診断が遅れることがあるのか?

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診断の遅れは性別、IQの高さと関連

 今回カナダ、ウェスタン・オンタリオ大学の研究チームは、オンタリオ州の発達障害ネットワークを使い、1380人の子供のデータを分析し、ADHDの診断を遅れさせる要因がどのようなものなのか探っている。

 その結果明らかになったのは、女の子は男の子よりも診断が遅れがちであるということだ。

 ADHDの女の子は、症状が男の子とは症状が少々違っており、そのせいで見過ごされがちなのだという。

 また、過度に活発だったり、衝動的な行動を示す子どもは早期に診断されやすいが、注意欠如だけの症状の場合は見逃されやすいこともわかった。

 より目立つ行動の方が親や教師、医療専門家の注意を引きやすいからだ。

 さらにIQが高い子供ほど、診断が遅れがちであることもわかった。

 ADHDの症状でわかりやすいのは、落ち着きのなさや、衝動的な振る舞いだ。こうした行動は親や教師の目につきやすく、その分診断されるのも早くなる。

 だがIQが高い子は、そうした多動性や衝動性を上手に隠してしまうようなのだ。その結果、周囲に気づかれず、なかなかADHDと診断されにくいという。

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ただしこの研究には制約されている部分も

 ただし研究者たちは、今回の調査にいくつかの制約があることも指摘している。

 これらのデータには、ADHDであるにもかかわらず、ADHDの診断を受けていない子供たちが含まれていないため、未診断の子どもと診断された子どもとの比較ができていない点だ。

  今後は、より多くのデータと未診断の子どもも含めた研究が必要であるという。また、外に現れない内面的な症状や人種のデータをさらに充実させることで、ADHDの診断における公平性を向上させることができるかもしれないという。

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ネットの反応、思わず納得との声が続々

 こうした結果に膝を打つ思いの人もいたようだ。海外メディアによれば、SNSにはこの研究を知って思わず共感するこんな声が投稿されていたそうだ。

・めっちゃ腑に落ちた。自分も30代になってADHDと診断された。周りの人よりうまく立ち回れたので、自分の欠点を隠せたんだ。同じことをやるにも、手際よくやらなきゃいけなかった。おかげで学校の勉強は簡単、知識欲で飽きることがなかったからね

・まさに自分がそう。学校では勉強が楽しくて大好きだった。やることがはっきりしていて、テストでいい成績を取るのも楽しかった。大学や大学院はだんだん難しくなって、最悪だった。30代になって、なんで何もかもこんなに大変なんだ? って思っていたら、医者にADHADかもって言われて、薬が処方されて…あ、そうだったのかって思った

・自分の人生の要約そのものだ。子供の頃にIQテストを受けて平均以上だったから、親は安心していた。子供の頃は空想が大好きで、勉強が楽しくて(今でもそう)、好きな科目なら成績が良かった。30代の今、注意欠如型のADHDと診断された

 まあ私、パルモの場合は多動も目立っていたので、授業中じっとしていられず、10歳で先生に指摘されたわけだが、正式に病院で診断されたのはやはり大人になってからだ。

 でも不思議なことに、子供の頃は生きづらさを感じたことはなくて、「やる気がでたらなんだってできる。やる気がでないだけ」くらいに思ってたけどな。

 社会にもまれて初めて「あれ?なんか違うぞ?」と感じ、あの時先生に言われてことはこれだったのか、と納得して病院にいったらそうだったという話で、同じような経験ある人いるかな?

 この研究は『British Journal of Clinical Psychology』(2024年6月23日付)に掲載された。

References: Children with high IQ scores are more likely to be diagnosed with ADHD later in life according to new study / Intelligence, socioeconomic status, and gender impact ADHD diagnosis timing

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この記事へのコメント 22件

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  1. 自分も子供の頃は成績も良くて空想好きで何も問題なかったけど
    成人してから「なんでこんなに集中力がないんだろう」って辛かった
    診断は受けてないけど、あらゆるADHDの特徴が当てはまるので確実にADHDだと思う
    早く診断されて薬飲んでたら仕事と学業に集中できてもっといいキャリアが築けたのかなあって思うことはある

    • +11
  2. 多動部分が目立たないと発見されないよね
    そこに強いしつけが入ってると気づかれずに終わると思う

    • +21
  3. 周囲の人もあの子は優秀だから、何も問題抱えてないって思い込んでてて
    それで自身が診断受けるまでは気付かないってケースは多そう。

    • +6
  4. 実体験に基づいたとても良い記事
    上の人も言うように薬が覿面に効く場合もあるから早期診断できると良いけどねえ

    • +8
  5. >だがIQが高い子は、そうした多動性や衝動性を上手に隠してしまうようなのだ。

    隠すというか、失敗しても事後フォローが上手くて問題が表面化しなかったり
    (衝動性や注意欠陥でミスっても 即リカバリー行動で実害を収束できる)、
    あちこちに興味が散って落ち着きのない行動や 多弁(+博識)なのも
    学業で優秀だと「好奇心旺盛でバイタリティーある」と好意的に評価されたり
    って面もありそう。

    • +13
  6. ADHDとして病気扱いしてる事が間違いだったのでは?
    何かに秀でてても受け入れられない多様性()のない社会の方がおかしいとはならないのが不思議
    そう言う個性として逆に能力発揮出来る職場が増えた方が人類全体の為って気がするが

    • -15
    1. あなたはまるで知識がないまま適当なことを言ってるので、意見を言うならせめてWikipedia程度は読んできて下さい

      • +5
    2. そういう尖った性能の人を全員ぴったりの職場に入れるのは無理だよ。
      あとこの記事に出てくる頭いい発達障害はレアケースでほとんどの人はハンデだけ抱えた性能低い人だよ。俺とか。

      • +12
    3. そのとおりです

      すべての人間は大なり小なりADHDです

      よほどの重病でない限り知らないほうがいい

      病は気からだよ

      • -2
  7. なんだかんだで、学生のうちは
    個人プレーで頭が良ければ、他に多少の難があっても“成功者”の地位を築ける。

    それが社会に出ると、「組織の一員として 皆で足並みを揃えて動く」「勝手な事をするな」
    「自分がどうしたいかじゃなく、上司や顧客の指示・要望に沿った働きをしろ」
    という抑圧的な言動が求められる場面が増え、
    ここに至って初めて問題が噴出するパターンが結構ある。

    あと、生徒のうちはある意味“お客様”側の立場で、
    多少のミスは成長過程として大目に見られたり
    大人からの庇護的な見守り視点で 困り事へ丁寧に対応してくれるけど、
    仕事になると わずかな納期遅れや忘れ物でも大問題に発展する可能性があり
    上長や取引先からシビアな責任を求められるようになる。

    • +10
  8. ・バカなだけの発達障害
    ・一部だけバカな発達障害
    一律でバカとは限らないらしいね
    後者はまだマシだけど前者はちゃんと大人が判断して適切な対応しないと本人が地獄

    • 評価
  9. 幼少期の頃からお上やスポンサー様のいう通りに行動しろとか、営業成績上げて仕事持ってこいみたいな活動してないと発覚しにくいのだろうな
    芸能界とか配信者側にならないと早期発覚は難しいかもしれない

    • +2
  10. 臨床の場では以前から言われていたね
    知能が高いと人の行動や対話を感覚的には理解できずとも上手く組み合わせて模倣して凌げてしまう
    学校のような大勢で似たようなことをする場ではそれでいいが各人が異なることをする場では理解できないということを隠し切れずに破綻する
    全員検査でもしない限りほぼ発見できないけど「知能検査の義務化」なんて現代じゃ無理だしなあ

    • +2
    1. それはADHDというより、ASDの場合な気がする。

      • +4
  11. 下部の体験談によると「IQが高いと」ではなく「勉強が好きだと」じゃん
    実際、授業中の態度や宿題の提出でADHDの判断がされることが多いだろうな
    というか「IQが高い=勉強が好き」ってことか

    • -1
  12. 今思えば
    学校の成績は良いらしいが
    会話をするとなんか変だった従兄弟は
    伯母夫婦に遅くに出来た子だったので
    発達障害があったのかもしれない

    • 評価
  13. 学校や職場で何か問題を繰り返しちゃったり人と馴染めない人は悪いこと言わないから早めに専門医に相談したほうがいい。病んでから病院予約しようとしても3ヶ月先とかザラだから。
    症状によっては薬や通院で改善することもあるし転職もある程度やりやすくなる。

    • +4
  14. パルモさんの文は独創的で大好きだけど
    同じ独創的という特性があっても例えば非常に下品だったり嫌悪感がわくものは受け入れられないんだよ
    最低限のセンスや倫理観がないと、しゃべるたびに嫌われていく
    そういうふうに何かしらの特性は高くても他の面は低くて生きづらいケースが障害とされやすいんじゃないかな

    • +5
  15. 知能で「隠す」んだ?
    コントロールとは別物?

    • 評価
    1. 別物だと思う。

      例えば、平均70点のテストで、
      標準知能はあるけどケアレスミス連発で55点しか取れない子が、
      問題文の重要ワードに赤ペンで印を付けながら
      読み落とさないよう対策して70点取れたら、「コントロールできている」。

      高IQで本来は95点取れる力のある子が
      ケアレスミス連発で80点しか取れてなくても、
      それでも十分「平均より優秀」だと
      間違いのパターンなどをよくよく精査しない限り 特には障害が意識されず、
      問題が「隠れて」しまう場合がある。

      • +1

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