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尻尾ついてる?オーストラリアの奥地で地球最古の動物の一種を発見

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(著) (編集)

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オーストラリアの奥地で発見された円形状のお掃除ロボットのような形状をした地球最古の動物の一種の復元予想図この画像を大きなサイズで見る
 image credit:Artwork by Walker Weyland.
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 まるで丸くした粘土をつぶして平べったくして、少しくぼみをいれてそこに尻尾を付けたかのような、とてもユニークな形状をした古生物の化石が発見された。尻尾の形がクエスチョンマークのようにも見える。

 「クエスティオ・シンプソノルム」と名付けられたこの海洋生物は、約5億5500年前にオーストラリアの奥地に生息していた古生物で、地球上で生命がどのように進化したかを解明するのに役立つかもしれない。

ユニークな形状の世界最古の生物の1種の化石が発見される

 オーストラリア南部にある山脈の奥地に、地球の生命の豊かな歴史をはっきりと記録した化石が眠っていた。

 アデレード北部にあるエディアカラ丘陵は、肉眼で確認できる最古の生物化石がたくさん出土し、これらはエディアカラ生物群と名づけられている。

 そこで発見されたこの化石は、進化の歴史における極めて重要な瞬間、つまり単細胞生物が地球初の複雑な生物へと進化し始めた時期を閉じ込めているといえる。

 米フロリダ州立大学の地質学助教スコット・エバンス氏ら複合研究チームが、およそ5億5500年前に生きていた初期の海洋生物を特定した。

 この生物の化石は地球上の生命がどのように進化したかを解明するのに役立ちそうだ。

 「クエスティオ・シンプソノルム(Quaestio simpsonorum)」と名づけられたこの生物は、進化の重要なサインである左右非対称を明確に示している最初の生き物なのだ。

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ニルペナ・エディアカラ国立公園で発見されたクエスティオ・シンプソノルムの化石の1つ。Image Credit: Evans et al/Evolution and Development, Courtesy of Dr Diego Garcia-Bellido 

左右非対称要素は遺伝的複雑さを表している

この生物は、手のひらよりひとまわり小さく、体の真ん中にクエスチョンマークのよ
うな印があって、体の左右をはっきり区別しているのです。

この時代の化石でこれほど明確な身体構造を表しているものはありません

この生き物は自力で移動できた最初の動物のひとつで、これは大変に興味深い発見なのです(スコット・エバンス氏)

 この化石は、基本的に左右対称であるのに、どこかの時点でクエスチョンマークを形成するという非対称要素がはっきり現れていることを示している。

 このような対称性は遺伝的複雑さを表している。人間も基本は左右対称だが、心臓や虫垂など非対称性が見られるし、現存しているほかの動物にも多く見られる。

ルンバのように海底を這って移動し栄養分を吸い取っていた

 クエスティオは、ロボット掃除機のルンバのように海底を這って移動しながら、微細藻類やバクテリアなどから栄養分を摂取していたようだ。

 微生物の集合体が栄養分で満たされた粘液層のような有機マットを海底に形成し、それがエディアカラ国立公園の化石層を形成する岩盤スラブに取り込まれた特殊なテクスチャーを作り出し、そこにクエスティオの明確な姿を刻印した。

 これは、かつてクエスティオが存在していたときの生態を示す痕跡化石なのだ。

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 クエスティオ・シンプソノルム(手前右)、左上は有機物の層に残されたクエスティオの痕跡。いずれも復元予想図で、紫色の模様は化石の証拠に基づいたものではない。Walker Weyland/Evans et al., Evolution & Development, 2024

 カリフォルニア大学リバーサイド校の地質学教授、メアリー・ドロサー氏は語る。

地球はこれまでのところ生命が存在する唯一の惑星です

ほかの惑星で生命を見つけようとするとき、地球上の時間をさかのぼれば、生命がどのように進化し、気候変動や低酸素など、どのようなプロセスが生命を絶滅させたのかがわかります(メアリー・ドロサー氏)

 こうした化石は生物の初期の発達プロセスについて多くのことをおしえてくれる。

 これら生物の形態を構築するのに必要な遺伝子発現を決定することは、地球における複雑な生命の始まりのメカニズムを評価する新たな方法を提供してくれることになる。

 今日の生物は体の左右を明確に形成するために基本的に同じ遺伝子プログラムを使っているため、5億年以上前に絶滅したクエスティオの体内でもこうした特徴を生み出すのに同じ遺伝子が働いていたことがわかるという。

 この研究は『Evolution & Development.』誌(2024年9月3日付)に掲載された。

References: Florida State University scientist discovers one of the earth’s earliest animals in Australian outback - Florida State University News

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この記事へのコメント 15件

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  1. 今回の記事は表現がわかりやすかったです。カラーの図の緑の部分を勝手に山地のように見てしまって巨大な生物を想像しましたが、手のひらより少し小さいということで思いっきり誤解だったことがわかりました。また栄養摂取もルンバのようにというあたりですごくわかりやすかったです。
    たしかシアノバクテリアの作るストロマトライトが今もオーストラリアにあるのでしたね。今回の発見といい、有袋類の存在とかオーストラリアも魅力ある大陸だなぁと。カラパイア見るとカネと人生の残りの期間の両方が少なくてホント自分に対して残念に思います。いっぱい見に行きたいよ~

    • +3
  2. ?マークだから学名クエスティオか。そのまますぎる。

    • +12
  3. サイトの今日のマスコットの耳辺りに生息しているやつやん

    • +2
  4. 他の天体での生命発見もそうだけど、生命の発生と構造の謎が壁になる
    分子生物学の発展で生命の発生は冥王代という初期にまで遡ったが、それは更に難しくしてる
    そんな早期にすぐ遺伝子という複雑な構造をどうやって組み上げたのか?
    遺伝子というプログラム無しでは発生して一代で消えてしまって生命にならない
    それが種苗伝播説のように他の天体からやってきたにしてもその生命はどうやって?と謎は変わらない

    たぶん、生命の謎を解くのはこの宇宙の存在と解明と同じなんじゃないかと思ってる

    • +6
  5. この時代の生き物には、のちのち動物に進化していく生き物なのか、植物に進化していく生き物なのか、それとも、動物でも植物でもない、跡形もなく絶滅してしまった生き物なのか、
    という謎ロマンがあるね。「動物でも植物でもないかもしれない」って、ほんまゾワゾワする (^^)

    • +2
    1. 動物と植物とが分かれたのは約10億年前とされてるから
      この化石の時代よりかなり昔だよ。
      この生物については明確に動物だと考えられてる。

      • +3
  6. 海綿動物、刺胞動物は左右相称でこの動物より前に発生したと推察されるから、タイトルの「最古の動物」というのに違和感。インパクト持たせるために仕方ない気もしますが。

    • -1
    1. 海綿は非相称、刺胞動物は放射相称じゃないの?

      • +2
  7. スネークを見かけて頭にクエスチョン出たところで化石になっただけだったりして

    • -2
  8. すごく昔に深海で見つかった謎のクラゲに似た生物に似てる?
    その生物は雑な扱い方で破損かなんかして
    DNAなど特定できなくって本当に謎の生物にされその後も発見出来てない超レアキャラなんだけど知ってる人いる?

    • 評価
  9. 円の外側でちょっと突き出している部分が尻尾なのか頭部なのか、丸まった内側の?マークの半円形の部分が尻尾なのか体を丸めて防御態勢の頭なのか、それともぜんぜん違うところなのか見ても判らん。

    • +1
  10. あの丸い痕をみて、これは化石だ、クエスティオ・シンプソノルムだって気づく人ってすごいよね
    専門家だとしても
    自分だったら化石であることさえ気づけない

    • +2
  11. シッキンソニアみたいな名前の奴とは違うの?
    あれも多分こいつの同類

    • +2
  12. エディアカラ動物群は聞いたことあるし興味は多少あったけど、エディアカラがオーストラリアの地名だと今回の記事で知った。

    なんとなくで完結している自己知識を成長させるのも進化と呼べるのだろうか?

    • +1
  13. 内臓を狭い空間に効率よく収めるのに渦巻き状の構造が適していたんだろうね。多くの動物が体長より長い消化管を持っている、その先駆的な進化だったのかもしれない

    • +4

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