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ハイドロゲルで作ったシンプルな「脳」がゲームのプレイを学習することを実証

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(著)

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 このぷるんっとした透明なハイドロゲルには記憶があり、それによってゲームの腕前がアップする。

 英レディング大学の研究チームが実証したのは、このごく基本的な物質には記憶があり、「ポン」というゲームをプレイさせるほど、パフォーマスが向上するということだ。

 人工脳と言うにはシンプルすぎるが、それでも学習して環境に適応する”スマート材料”の登場につながる成果であるという。

シンプルなゲルに記憶が!?

 今回使われたハイドロゲルは「電気活性高分子(EAP)」をベースに作られたものだ。

ハイドロゲルとは、水を大量に吸収してゲル状になる物質のことで、こんな不思議な特性もある)。

 EAPとはごく簡単にいえば、電気信号に反応する高分子のこと。

 電流が流れると内部に含まれた「イオン」(電荷を持つ粒子)が移動し、それによって形状や大きさが変わるという性質がある。

 こうした性質をうまく利用することで、人工筋肉として機能させることができる。

 例えば、今回の研究を率いたレディング大学の林 叔克氏らは以前、ハイドロゲルを心臓のペースメーカーと組み合わせ、本物の心臓のように収縮と拡張させる実験を行なっている。

 だが、この研究を進めるうちに面白いことがわかった。そのハイドロゲルがなんと「記憶」があるらしき振る舞いを示したのだ。

 ハイドロゲルに記憶を刻みつけるには、繰り返し圧縮してやればいい。こうすると、ペースメーカーを停止させても、そのリズムに合わせて振動してくれる。

 それはイオンの動きが、それまでの動きに影響されているということで、ある種の記憶とみなすことができる。

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ゲルがゲームプレイを学習

 今回の研究は、このハイドロゲルの記憶機能を応用したものだ。その結果、ごく基本的な物質でも、人間の脳のような学習ができることが証明された。

 その実験では、「ポン」という卓球のようなビデオゲームが利用された。

 ポンは画面両側にあるパドルでボールを弾きあってスコアを競うゲームだ。

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PONGゲーム / Image credit:
WikiJunkie
/ WIKI commons

 だが、このままでは使えないので、実験のポンはパドル1つでテニスの壁打ちをするようなスタイルに改造されていた。

 さらにハイドロゲルがこれをプレイできるよう、電気的な刺激でボールの位置を伝え、イオンの流れでパドルを操作できるようにした。

 そのうえでハイロドロゲルがミスることなく、壁打ちをどれだけ続けられるのか観察してみる。

 すると段々とラリーが長く続くようになることがわかったのだ。そして20分もすると、そのプレイ技術が最高潮に達した。

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Cell Reports Physical Science/Strong et al.

 これについてヴィンセント・ストロング氏は、ニュースリリースで次のように説明する。

 「ボールが動くと、ゲルには段々とすべての動きの記憶が蓄積されていきます。するとパドルは、シミュレーションされた環境内でそのボールに合わせて動くのです」

A bowl of jelly plays classic computer game Pong when electrocuted

基本的な物質に記憶がある証拠

 研究チームによれば、この結果は、特別に設計されたわけでもない基本的な物質であっても、記憶が残るものがあるという証拠であるそうだ。

 これを利用すれば、シンプルな物質であっても生物やAIのような複雑な動作を実現できるかもしれない。

 ただし、それは物質に感覚が芽生えたわけでも、記憶に基づいて意図的に行動しているわけでもないことに注意が必要だ。

 むしろ、居眠りをしていて、ほっぺに袖や机のアトがつくようなものであるとのことだ。

 それでも、今後の進展が楽しみな研究だ。記憶を機能させるメカニズム解明のヒントになるだろうし、これを応用した”スマート材料”の可能性を開くことになるだろう。

 研究チームの次のステップは、物質の中で学習が実際に行われているかどうかを具体的に示すことであるそうだ。

 この研究は『Cell Reports Physical Science』(2024年8月22日付)に掲載された。

References: Pong prodigy: Hydrogel material shows unexpec | EurekAlert! / Jelly plays Pong and gets better at with practice

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この記事へのコメント 11件

コメントを書く

  1. 脳細胞を培養したらみたいな怖い話かと
    それはそれで前見た気もするけど

    • +1
  2. 脳を手で持ってる!って思ったけど、ほっぺのアトみたいなものなのか
    でもほっぺのアトがゲーム出来るってすごい

    • +3
  3. 何か少し薄気味悪い気がするのは私だけか?

    • +1
  4. 記憶とは何か?って言う哲学的な問題に発展しそう。

    • +2
  5. ハイドロに記憶があるわけではなく
    イオンの動きか。物質にも記憶があるって言うのは
    臓器に記憶が宿るって言うのにつながりそうだな

    • +1
  6. そのほっぺの跡と俺の記憶に明確な違いはあるのか?

    • +2
  7. この研究、すごく面白いですね!ハイドロゲルが「記憶」を持つなんて、まるで人工脳の一歩手前みたい。ゲームで学習するなんて、まさに未来の技術が見えた気がします。こうした進化がどんな形でゲーム業界や医療に応用されるのか楽しみです。ちなみに、最近試した「スプランキー」の音楽ゲームも、反応に合わせてゲームプレイが進化する感じがして面白いですよ。スプランキー公式サイト:https://www.sprunky.org/ja をチェック!

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