この画像を大きなサイズで見るエジプトの象徴である大スフィンクスを彫り出したのと同じ地層から約100年前に見つかった古代ワニの化石が、新しい属のワニだったことが、イギリスなどの国際研究チームの研究で明らかになった。
研究チームが化石を最新技術で分析し直したところ、長い間考えられてきたワニとはまったく別の仲間だとわかった。
興味深いことに、発見されたワニの頭蓋骨の化石は、スフィンクスと同じように鼻先が欠けていた。
この偶然の一致から、新しい属にはスフィンクスと関連が深いエジプトの神にちなんで「ヘルガビアリス(Herugavialis)」という学名が付けられた。
種はすでに名付けられた「カイレンシス(cairensis)」のままで、「ヘルガビアリス・カイレンシス」となる。
この研究成果は『Royal Society Open Science』誌(2026年10月7日付)に掲載された。
参考文献:
- New crocodile species discovered in rocks used to build the Great Sphinx | UCL News
スフィンクスと同じ地層から発掘された古代ワニの化石
紀元前2500年頃に建設されたギザの大スフィンクスや大ピラミッドは、エジプトの首都カイロ周辺に広がる、モカッタム累層と呼ばれる厚い石灰岩の岩盤を彫ったり、切り出したりして造られた。
モカッタム累層は、約4500万年前の浅い海の底でできた岩盤層で、サメなどの魚や初期のクジラなど、太古の海の生き物の化石が数多く残されている。
1920年代、同じ岩盤から、ほぼ完全な頭骨を含むワニの化石が発掘された。
掘り出された場所はスフィンクスから離れているが、スフィンクスと同じ岩盤層に含まれていた化石である。
CTスキャンによる分析で全く別の新属と判明
見つかったワニの化石は「ガビアル」の仲間だった。
ガビアルは、細かく鋭い歯がずらりと並んだ、管のように細長い口先が特徴だ。
現在、ガビアルの仲間はインドガビアルとマレーガビアルの2種しか生き残っておらず、どちらも絶滅の危機にある。
1927年に化石が報告されたとき、見た目がマレーガビアルによく似ていたことから、ワニはマレーガビアル属に分類された。
それから約100年、ワニの化石はドイツの博物館で、マレーガビアル属として保管されてきた。
ところが、スウェーデン自然史博物館のポール・バーク博士らの国際研究チームがCTスキャンで頭骨の中までくわしく調べたところ、マレーガビアル属とははっきり違う特徴がいくつも見つかった。
ガアビルではあるものの、マレーガビアル属ではなく、まったく新しい属のワニだったのだ。
多くのメディアはこのワニを「新種」と報じているが、種そのものは1927年に「トミストマ・カイレンセ(Tomistoma cairense)」という学名で登録されていた。
今回の研究で新しい属が作られ、ワニはその新しい属に移された。
研究を共同で率いたマニオン教授も、ワニはすでに特定の種として認識されていたと説明している。
この画像を大きなサイズで見る偶然の一致。スフィンクスと同じく鼻先が欠けていた
このワニの頭蓋骨は比較的よく保存されていたが、研究者たちの目を引く特徴が一つあった。
それは、吻部の先端が欠けていることだ。
大スフィンクスといえば、鼻が欠損している姿で有名である。
研究を共同で率いたユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのフィリップ・マニオン教授は、この奇妙な偶然の一致に注目した。
そして、スフィンクスのインスピレーションになったとも言われるエジプトの神ヘル(ホルスとも呼ばれる)にちなみ、この新しい属のワニを「ヘルガビアリス・カイレンシス(Herugavialis cairensis)」と命名したのである。
属名の「ヘルガビアリス」は、神の名前「ヘル」と、ガビアルを意味する「ガビアリス」を組み合わせたものだ。
種小名の「カイレンシス」は、化石が見つかった首都カイロにちなんでいる。
学名のルールで、種小名は属名に合わせて語尾を変えるため「カイレンセ(cairense)」が「カイレンシス(cairensis)」となり綴りが少し変わったが、1927年に命名されたものと同じ種である。
この画像を大きなサイズで見る4500万年前の地中海には多種多様なワニが暮らしていた
ヘルガビアリスが生きていた4500万年前、エジプトを含む地中海地域の大部分は浅い海に覆われており、他にも複数のガビアルが生息していた。
研究を率いたスウェーデン自然史博物館のポール・バーク博士によると、約6600万年前から2300万年前の間に、地中海ではヘルガビアリスを含む6種ものガビアルが確認されているという。
地中海のワニの種類は地球の気温や海面水位の変動に影響を受けて増減していたが、約600万年前に地中海が干上がったことで、この地域のワニはすべて姿を消してしまった。
マニオン教授によると、モカッタム累層には、まだ見ぬ化石が眠っている可能性が高いという。
もしかしたらピラミッドやスフィンクスに使用されている岩盤にも、化石が含まれちゃったりしてるのかもしれない。
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誰か近くまで見に行った人いませんか? Wikipedia に「ギザの大スフィンクス」として立項されているので、読むといろいろ面白いです。 写真見ると確かに段々が見えて地層があることがわかります。 この記事を読むとスフィンクスを間近で見ると化石が露出してないかなとか期待してしまいますね。 見に行ってみたいなぁ……
ピラミッドに使われてる石にも
化石が含まれてると聞いたこと
あります。
貨幣石とか含まれてるとか。
昔はその化石は建設労働者の
食べ残しと思われていたとか。
そもそもガビアルなんて種類のワニがいることを知らなかった・・・
まだまだ勉強不足だなあ
4500万年前からスフィンクスがあったのかと思った