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火属性!火を恐れず炎に向かうオーストラリアの鳥たち。効率的な狩りのため。

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火の近くを飛ぶトビの仲間 Image credit:Jacobs et al., bioRxiv, 2026
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 動物は本能的に火を怖がる。山火事などが起きると、ほとんどの動物は炎から逃げていくが、オーストラリアでは、一部の鳥類や猛禽類が火の方へと向かっていく。

 炎から逃げ出してくる昆虫や小動物を狙って狩りをするためだ。

 スウェーデンの研究チームは、先住民アボリジニの人々の協力を得て、土地の管理のための野焼きに立ち会い、鳥たちの動きを観察した。

 その結果、火に立ち向かっていく鳥たちは、火がないときの平均10倍の割合で効率的に獲物を捕らえていたことが分かった。 

 この研究成果は査読前の論文として『bioRxiv』(2026年9月14日付)に公開された。

参考文献:

アボリジニの野焼きに集まる鳥たちを観察

 火災が発生すると、ほとんどの動物は火から逃れようとするが、オーストラリア北部のサバンナに暮らす一部の猛禽類や鳥類は、炎の中に獲物を捕らえるチャンスを見いだし、あえて火の方に向かっていく。

 オーストラリアでは少なくとも1万1000年前から、人間が意図的に火を使って土地を管理してきた。

オーストラリア北部のアーネムランド中央部では、先住民であるアボリジニによる土地管理団体「ミマル・ランド・マネジメント」の管理者たちが、現在も火を使った土地の管理を続けている。

 管理者は乾季の初めに、土地のあちこちで小規模で比較的温度の低い火をつける野焼きを行っている。

 乾季の終わりになると、乾ききった草木により大規模な山火事が発生するため、まだ草木に水分が残っている時期に小さな火をつけて枯草を焼き、燃え広がる材料を減らすためだ。

 スウェーデン、ルンド大学の認知動物学者、イヴォ・ジェイコブス博士らの研究チームは、ミマルの管理者たちと協力し、野焼きの周りで鳥たちの行動を観察した。

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Image credit:Jacobs et al., bioRxiv, 2026

火があるとトビの数は23倍、狩りの効率は10倍に

 野焼きの火の周りには多くの鳥が集まり、中でも猛禽類、タカ科のトビ(トンビ)とモリツバメの数が目立って多かった。

 モリツバメは空中で虫を捕らえるスズメ目の小鳥だ。

 火があるときには、火がないときに比べてトビが23倍、モリツバメが20倍も多く集まっていた。

 火を恐れない鳥たちは、立ちのぼる煙などを目印にして、遠く離れた場所からでも火を見つけているとみられている。

 研究チームは、鳥たちが野焼きを利用して狩りをすると、火がないときに比べて獲物を捕らえる割合が平均10倍に高まることを確認した。

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野焼きの火の周りで観察された鳥たち。A)炎から約1mの場所にいるミナミガラス。(B)オオヒキガエルを食べるトビ。(C)無脊椎動物をくわえたハチクイ。(D)焼けたばかりの草原を見渡すチャイロハヤブサ。(E)焦げて煙を上げる枯れ木にとまるアオバネワライカワセミ。(F・G)火の近くを飛び、または止まり木にとまるトビ。(H)炎の上を低く飛ぶチャイロハヤブサ。Image credit:Jacobs et al., bioRxiv, 2026

鳥たちが捕らえた獲物の大部分は昆虫

 トビの中にはオオヒキガエルやヘビを捕まえる個体もおり、小型のハヤブサの仲間であるオーストラリアチョウゲンボウ(学名:Falco cenchroides)はトカゲを仕留めていた。

 研究チームによると、迫ってくる火の手前では、炎から逃げようとする獲物が多く飛び出してくるとみられる。

 鳥たちは主に、火の手前のまだ燃えていない地面の上で狩りをしていた。

 観察された鳥の中で最も火を恐れないトビは、火の規模が大きいほど数が増え、空中よりも地上で効率よく獲物を捕らえていた。

 ジェイコブス博士らは、火が獲物を見つけやすく、捕まえやすくすることで、鳥たちを引き寄せていると考えている。

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火の回りに集まる鳥たち Image credit:Jacobs et al., bioRxiv, 2026

燃える枝を運んで火を広げる「ファイヤーホーク」

 2017年に発表された研究では、トビを含む一部の猛禽類が、燃えている木の枝をくちばしや足でつかんで別の場所へ運び、意図的に火を広げようとする行動が報告されている。

 火を広げる猛禽類は、ファイヤーホークと呼ばれている。

 この論文を発表したペンシルベニア州立大学アルトゥーナ校の地理学者マーク・ボンタ博士は、アボリジニの人々はおそらく4万年、あるいはそれ以上前から鳥が火を広げることを知っていたと語っている。

 今回の観察では、鳥が火のついた枝を運ぶ行動は確認されていないが、何千年ものあいだ生息地の一部だった火を、鳥たちが賢く利用してきたことを示している。

 火のそばで獲物を捕えているという今回の研究結果は、ファイヤーホークが燃える枝を運ぶ危険を冒してまで火を広げる理由を裏付ける、新たな証拠になるかもしれない。

山火事が鳥に与える影響はまだ不明

 オーストラリアの山火事は、主に気候変動の影響で、年を追うごとに発生する回数が増え、激しさも増している。

 人間が制御できない大規模な山火事は、鳥たちが狩りに利用している小規模な野焼きとは大きく性質が異なる。

 激しさを増す山火事が、火を恐れない鳥たちにどのような影響を与えるのかは、まだわかっていない。

 研究チームは、計画的な野焼きとは多くの点で異なる自然の山火事でも、同じような観察を行う必要があると提案している。

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