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木星の雷の強さは地球の100倍以上!直撃すれば一瞬で体が崩壊する威力

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(著)

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探査機ジュノーの撮影画像をもとに、木星北半球の雷を示したイメージ図 Image credit:NASA/JPL-Caltech/SwRI/JunoCam
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 木星の雷は地球の100倍以上の強さを持ち、直撃すれば体が一瞬で崩壊するほどの威力に達することが観測で明らかになった。

 アメリカのカリフォルニア大学バークレー校の研究チームがNASAの探査機ジュノーで木星の雷を詳しく調べ、これまで知られていなかった巨大なエネルギーの実態を突き止めた。

 この研究成果は学術誌『AGU Advances』(2026年3月20日付)に掲載された。

参考文献:

木星の雷を正確に測定することに成功

 木星では、地球とは比べものにならない巨大な嵐が発生している。

 太陽系最大の惑星であり、大気全体が激しく動き続けているため、とくに有名なのが「大赤斑」と呼ばれる巨大な渦である。

 大赤斑は木星の雲の上に見える赤い斑点で、その正体は嵐である。地球よりも大きく、幅は約1万6000kmに達する。このような巨大な嵐の中で雷が発生している。

これまでにも探査機によって木星の雷は観測されてきたが、多くは夜側で特に明るく強い雷だけだった。

 そのため、木星の雷が常に強いのか、それとも地球のように弱い雷もあるのかはわかっていなかった。

 しかしNASAの木星探査機ジュノーに搭載されたマイクロ波放射計が、雷が出す電波を雲に遮られずに捉えることで、雷の強さを直接測定できるようになった。

 さらに2021年から2022年にかけて、北赤道帯の活動が一時的に落ち着いた。

 研究チームはハッブル宇宙望遠鏡や市民科学者の観測と組み合わせることで、特定の嵐を正確に追跡できるようになった。

 このとき研究チームは、周囲に大きな嵐がほとんどない状態で、1つの嵐だけを詳しく観測することに成功した。

 このように単独で活動する嵐は「ステルス・スーパーストーム」と呼ばれ、ほかの嵐の影響を受けにくいため、雷の強さを正確に測定できる。

 こうして1つの嵐を正確に観測できたことで、木星の雷は地球と同程度のものから100倍以上の強さを持つものまで、幅広く存在することが明らかになった。

 観測では1秒あたり約3回の雷が記録され、1回の通過で200回以上の放電が確認されている。

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2022年8月17日、NASAの探査機ジュノーは木星の大気を北から南へ横切りながら飛行し、その途中で雷が出す電波の信号を複数とらえた。ハッブル宇宙望遠鏡の画像と合わせて解析した結果、これらの雷は「ステルス・スーパーストーム」と呼ばれる、単独で発生していた巨大な嵐によるものだとわかった。 Image credit: Michael Wong et al. (2026, AGU Advances; HST and Juno MWR

地球とは桁違いの木星の雷の強さとエネルギー

 ここで重要なのは雷の「強さ」と「エネルギー」は別の指標だという点である。

 強さは一瞬の出力の大きさを指し、エネルギーはその雷が放出する総量を意味する。

 地球の雷1発が持つエネルギーは約1ギガジュールである。数字にすると10億ジュールという途方もない大きさだ。

 これ1発で、一般家庭200軒が1時間に使う電気をまかなえる。これほどのエネルギーが一瞬で流れるため、人体が受ければ致命的なダメージを受ける。

 一方で木星の雷は、このエネルギーの面でも桁違いだ。

 地球の雷1発は約1ギガジュールだが、木星の雷はその500倍から最大1万倍に達する可能性がある。

 これは500ギガジュールから1万ギガジュールに相当し、地上ではほとんど想像できない規模のエネルギーが一瞬で放出されていることになる。

 これほどのエネルギーが一瞬で放出されるため、もし同じ条件で直撃すれば、人体は焼かれる前に内部から破壊されるレベルの損傷を受けると考えられる。

木星の雷

なぜ木星の雷はここまで強いのか?

 木星の雷が強くなる理由は、大気の性質にある。

 地球の大気は主に窒素でできているが、木星は水素が中心である。この違いによって、雲の中の空気の動きが変わる。

 地球では水蒸気を含んだ空気は軽くなって上昇しやすい。一方、木星では湿った空気が重くなりやすく、上昇するためにより多くのエネルギーが必要になる。

 そのためエネルギーが蓄えられ、上空に達したときに強力な放電として一気に解放されると考えられている。

 さらに木星の嵐は高さも桁違いに大きい。

 木星では100km以上に達するのに対し、地球の積乱雲は約10kmほどである。この高さの違いも、雷のエネルギーを大きくする要因と考えられている。

 また木星では、水とアンモニアが混ざった氷の粒が関わる可能性もあり、地球とは異なる仕組みで雷が発生しているとみられている。

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2022年1月、ジュノーが木星の高い場所にある嵐を撮影。白い部分はアンモニアの氷、赤い雲は下の層の雲。研究では2021年から2022年にかけてこのような嵐4つの雷が調べられた。Image credit: NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS/Björn Jónsson

木星の研究が地球の雷を理解する鍵になる

 木星の雷を調べることは、地球の雷の理解にもつながる。地球では毎年数億回の雷が発生しているが、その仕組みにはまだ多くの謎が残っている。

 近年では、雷雲の上空で発生する一過性発光現象と呼ばれる現象も発見されている。

 これは雷のさらに上の空で一瞬だけ光る現象で、スプライトなどと呼ばれる赤い光として観測されることがある。

 遠く離れた木星の嵐が、地球の空で起きている雷の謎を解く手がかりになるかもしれない。

References: Onlinelibrary.wiley.com

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この記事へのコメント 23件

コメントを書く

  1. 地球最大級の「スーパーボルト」が約500ギガジュールらしいから
    木星はそれが通常レベルということか

    • +5
    1. 木星「今のはスーパーボルトではない…ボルトだ…」

      • +8
  2. 雷はユピテルの武器だからね
    さもありなん

    • +12
  3. 電気取り放題だな
    マイクロ波送電で地球に送ってほしいものだ

    • +8
    1.  雷で充電できればいいんですけどねー。 実用化できると地球でもマラカイボの灯台なんか素晴らしい発電所になると思うんです。
       惑星として木星は大きいので雷も放電距離が長いとか電圧が高いとかで桁が増えるのかなーと思いましたことよ。 それだけエネルギー総量が大きいと発生する反物質も多いのだろうななどと思ったり

      • +6
  4. 何もかもが桁違い過ぎる:((´゙゚’ω゚’)):

    • +12
  5. 地球でもかなり亡くなってるもんね
    米だったか、一度に50頭の牛と数人が亡くなったのは、ほんとに悲しかった

    • +3
  6. 重いから濃いんだね・・・
    全部火山の煙みたいなものなんだろう

    • +1
  7. 雷で安全に充電できるようになればなあ・・・

    • +5
  8. 地動説すらロクに議論されんかった時代に、直感的にでも木星と雷を連想して神話がつくられたって考えるとすごい話よな~

    • +9
    1. 俺らが認識できないだけで、木星には木星人が居て、木星人も同じようなことを思っているかもしれない。

      • +1
    2. 水も空気もなかったこの星に街を作ろうとした人達の沢山の思いが集まって生まれた素敵な奇跡

      • -4
  9. 体内の水分が一瞬で蒸発して爆散するって感じなのか

    • +2
  10. 地球で例えるならハトに落雷するようなものでしょ?
    一瞬で弾け飛ぶ

    • +1
  11. いつか宇宙葬ができるようになったら木星の嵐の中に消えたいなあ

    • 評価

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