メインコンテンツにスキップ

高度約1万mを飛行中の旅客機が謎の物体と衝突しフロントガラスが割れ緊急着陸

記事の本文にスキップ

30件のコメントを見る

(著)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
X@RangerH338
Advertisement

 2025年10月16日、アメリカ上空を飛行していたユナイテッド航空の旅客機が、高度約1万1000mで正体不明の物体と衝突した。操縦席のフロントガラスが割れ、パイロットが負傷し、機体は緊急着陸を余儀なくされた。

 いったい何と衝突したのか?宇宙ごみや隕石、鳥など、さまざまな推測が飛び交ったが、調査が進むにつれその正体が明らかになりつつある。

飛行中の旅客機に謎の物体が衝突

 2025年10月16日、ユナイテッド航空の1093便(ボーイング737 MAX型)が、コロラド州上空の高度約1万1000mを飛行中、操縦席の前方にある右側のフロントガラスに正体不明の物体が衝突した。

この画像を大きなサイズで見る

 デンバーからロサンゼルスへ向かう定期便で、フロントガラスが割れ、破片が操縦席に飛び散った。

 パイロットの1人は腕に細かい切り傷を負っており、ガラスや衝突物の破片が機内に入り込んだとみられる。操縦室内の計器パネルにも多数のガラス片が散らばっていた。

 気圧は維持され、乗客に被害はなかったが、安全のために高度を約8000mまで下げ、ユタ州のソルトレイクシティ国際空港へ緊急着陸した。

 乗客約130人は無事で、別の機体に乗り換えて目的地へ向かった。

いったい何とぶつかったのか?様々な説が浮上

 いったい何が衝突したのか?当初は原因が特定できず、さまざまな仮説が飛び交った。

宇宙ゴミ?隕石?

 機長は報告の中で「スペースデブリ(宇宙ごみ)のようなものが当たった」と述べており、宇宙からの落下物が有力視された。

 宇宙ごみとは、軌道上の人工衛星やロケットの破片などで、稀に地球に落下してくることがある。

 また、地球には年間17000個以上の隕石が落下していることから、隕石衝突説も浮上した。

 だが、今回の機体損傷は比較的軽度であり、もし宇宙からの高速物体であれば、もっと深刻な被害が出ていたと考えられる。

 実際には、窓枠のリベット(鋲)が削がれるように外れていたことから、「何かが機体に滑るようにぶつかったのではないか」との見方もあった。

この画像を大きなサイズで見る
ボーイング737 MAX Photo by:iStock

鳥?それとも自然現象?

 鳥との衝突も航空機事故では珍しくないが、今回はその可能性は低いと見られている。

 通常、大型の鳥がぶつかればガラスに鳥の血や羽毛の痕跡が残るが、そのようなものは見当たらなかった。

 そもそも、高度1万1000mは多くの鳥にとって到達不可能な高さだ。

 世界で最も高く飛ぶとされるリュッペルハゲワシの最高飛行高度は約1万1300mだが、この種はアフリカに生息しており、アメリカ上空での遭遇は現実的ではない。

 また、自然現象としては雹(ひょう)も候補に挙がった。高高度での雹は機体を損傷させることがあるが、当時の気象レーダーでは雹の発生は確認されていなかった。

この画像を大きなサイズで見る
X@DJSnM

気象観測気球の装置の一部である可能性が浮上

 事故発生から数日後、アメリカ国家運輸安全委員会(NTSB)は、調査の中で新たな可能性に注目し始めた。

 航空機にぶつかったのは、気象観測用の気球に取り付けられたデータ収集装置(ペイロード)だったのではないか、という見方が浮上したのだ。

この画像を大きなサイズで見る
気象観測気球に搭載されていた装置の一例。WindBorne社のモデルでは、ソーラーパネルや通信アンテナのほか、バラストとして砂が使われている。窓枠の塗装が削られていたのは、この砂による「サンドブラスト効果」の可能性があると指摘されている。X@DJSnM

 この装置は、気圧・温度・風速などを計測するために成層圏まで打ち上げられる観測気球に搭載されるもので、役目を終えた後はパラシュートで地上にゆっくりと降りてくる仕組みになっている。

 ただし、装置の一部に不具合があった場合、パラシュートが開かずに高速で落下する可能性もある。

 今回の事故に関連している可能性があるとされるのは、アメリカの気象スタートアップ企業「WindBorne Systems」が運用していた気象観測気球の装置だ。

 同社は10月19日夜(アメリカ西海岸時間)に事故との関連性を察知し、翌朝にはNTSBと連邦航空局(FAA)に予備調査の結果を提出した。

 WindBorneの装置には通信アンテナやソーラーパネルのほか、砂(バラスト)が積まれており、これが衝突時に機体の表面や窓枠の塗装を「サンドブラスト」のように削った可能性がある。

 実際、損傷した窓の周囲には塗装がはがれたような跡が見られ、衝突した物体の形状とも一致しているという。

 高度1万1000mという巡航高度で、飛行中の旅客機と落下物が衝突するというのは、きわめてまれな出来事だ。

 気象観測気球は、世界中で毎日多数が打ち上げられており、天気予報や気候研究にとって欠かせない存在だが、その一部が制御を失い、飛行機と衝突するような事態が増えれば、運用体制や安全対策の見直しが求められることになるだろう。

 今後、NTSBによる詳細な解析が進めば、衝突物の材質や落下経路など、さらに正確な情報が明らかになると見られている。

References: Avbrief / Flightaware

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 30件

コメントを書く

  1. 🙍お題です 鳥だ!飛行機だ!いや、それは 〇〇〇

    • -12
  2. 宇宙ゴミ増えすぎっていうニュースが出始めてから
    さらに増え続ける一方なの酷すぎるでしょ

    • +5
  3. 機長が吸い出されて機体に張り付かなくてよかった

    • +14
  4. ギリギリキャノピーに直撃しなかったのは本当に幸いだったなエンジンや尾翼もヤバいけど

    • +9
  5.  写真の通りくらいなら本人も何かの折に「オレ、あの時のパイロットだったんだ」と笑えるくらいで、ちょっとかわいそうだけど怪我だけで済んだのは不幸中の幸いかな。 ……しかし何だったんでしょうねぇ。 巡航中なら時速 800km くらいで飛んでそうで、相手が止まっていたとか遅い速度だと相当に相対速度も大きいから無傷じゃいられないでしょうね。 垂直尾翼にあたってないのかしらん?とも思いました。 なにか黄色い塗料みたいなのも見えるから調査結果に期待ですね

    • +13
  6. 沖縄の那覇ー南大東島便でも似た事案が発生した
    今日のニュース

    • +7
  7. 実はUFOと断定はされたのはいいが地球人にはまだ早すぎると
    して適当な物体にして情報の封鎖をもくろんでいたら面白いけどな

    • -2
  8. たとえ確立が低くても
    起きるときは起きるんだよな

    • +9
  9. カナブンだよ。
    河川敷をロードレーサーで走ると
    ヘルメットにカンカン当たってくる。
    サングラスしてないと危ない。

    • -5
  10. 観測気球は飛行機の航路とは離れた場所で運用されているはずだけど
    風任せの部分はあるからな

    • +4
    1. 一般的なラジオゾンデだと高度が上昇して気圧が低下することで気球が限界まで膨らんで破裂することで観測が終了する
      砂のバラストを使うものはゼロプレッシャー気球といって太陽光による温度上昇の影響を含めて破裂する前にガスを抜き、夜間の温度低下ではバラストを捨てることで高度を一定に保つことができるそう
      近くを通る航空機には知らされているみたいだが
      長い間浮いているから風による影響が大きいんだろうね

      • +4
  11. 吸血鬼ゴケミドロの冒頭
    バードストライクシーン思い出した

    • 評価
  12. 隠ぺいせずに自分から申し出たのはエライ>気象スタートアップ企業

    • +5
  13. フロントガラスが左右に分割してある事にも意味があるんだね。
    一枚ガラスだったら、全面がひび割れた状態になっただろうからね。

    • +6
  14. 宇宙にゴミ捨てすぎなんよw
    地上だけじゃなく宇宙にも捨てるとか人間ひどすぎ

    • +1
    1. 放射性物質を食べる?(取り込む?)宇宙的規模の存在が居て、地球を周回する放射性廃棄物をおいしくいただいてたんだけど
      ある日、別の宇宙的規模の存在に「収穫するばかりじゃなくて育てなきゃ無くなっちゃうよ」と言われて、地球に放射性廃棄物をポイっとしちゃった
      という小説があったな

      • 評価
  15. この手の気球の場合、航空路付近では許可なく飛ばしてはいけないって法律が
    少なくとも日本にはあるんだよな、多分海外でもそうなんだろうけど。
    とはいえ、なんか避ける方法とか無かったんだろうか、レーダー反射板をつけて
    レーダー上で目立たせるとか、衝突防止用の電波を出すようにするとか。

    • -1
    1. 高高度気球は18 kmから53 km程度までの高さに到達するそう
      旅客機の11 kmとの高低差が7 kmから42 km程度で
      まっすぐ落下しないかもって考えると
      レーダーで見えていて十分な間隔を空けていても
      想定外の動きをされたら運頼みかも
      航空機同士だって衝突事故があるんですからね

      • 評価
  16. エンジンのあたりに衝突して吸い込まれたら・・・

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

料理・健康・暮らし

料理・健康・暮らしについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。