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半分トカゲで半分ヘビ。猫ほどの大きさのジュラ紀の奇妙な爬虫類が発見される

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(著)

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トカゲとヘビ両方の特徴を持つ/ Image credit:: National Museums Scotland © Brennan Stokkermans
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 スコットランドのスカイ島で、およそ1億6700万年前に生息していたジュラ紀の新種の爬虫類の化石が発見された。トカゲとヘビの両方の特徴を持ち合わせたその奇妙な姿は、進化の歴史を見直すきっかけとなる可能性がある。

 体はトカゲのように短く四肢がある一方で、口や歯はヘビを思わせる鋭さを備えている。猫ほどの大きさながら、当時の生態系では最大級の捕食性トカゲだった可能性があり、小型恐竜や初期哺乳類をも狙っていたという。

 この発見は、トカゲやヘビの進化について新たな謎を問いかけている。

この研究成果は『Nature』誌(2025年10月1日付)に発表された。

ヘビ?トカゲ?両方の特徴を持つ奇妙な爬虫類の化石を発見

 スコットランド西海岸沖に位置するスカイ島で2015年、奇妙な爬虫類の化石がスコットランド国立博物館の古生物学者スティグ・ウォルシュ氏によって発見された。

 ここはジュラ紀の化石が豊富に見つかることで知られており、恐竜や古代の哺乳類、爬虫類など、さまざまな生物の痕跡が残されている。

 その後、イギリス、ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジやアメリカ自然史博物館を含む国際チームが、約10年にわたって分析を進めてきた。

 見つかったのは、ヘビとトカゲの特徴を併せ持つ奇妙な爬虫類で、その異様な見た目から、研究者たちは当初、複数の動物の骨が混ざっているのではないかと考えていた。

 だが、長年にわたる詳細な分析により、それらの骨がすべてひとつの生き物に属することが判明し、新種として認定され、「ブリュグナサイル・エルゴレンシス(Breugnathair elgolensis)」と名付けられた。

 体長は約40cmほどで、小型の猫に相当するサイズ。1億6700万年前のジュラ紀中期に生きていたとされており、発見された爬虫類としては非常に保存状態が良く、かつ古い時代のものだった。

小型ながらジュラ紀の食物連鎖の上位にいた捕食者

 ブリュグナサイル・エルゴレンシスは小柄ながらも、当時のスカイ島周辺では最大級のトカゲであり、小型の動物を狩る捕食者だったと考えられている。

 研究者たちは、この爬虫類が小さなトカゲや初期哺乳類に加えて、草食性の小型恐竜ヘテロドントサウルス(Heterodontosauridae)や、肉食性の鳥に似た恐竜である原鳥類(Paravian)の幼体なども獲物にしていた可能性があるとしている。

 その証拠となるのが、ヘビのように湾曲した鋭い歯と、広く開くことができる顎の構造だ。

 これらは現代のニシキヘビに似ており、獲物をとらえて丸呑みするような狩りのスタイルを想像させる。

 一方で、体はトカゲのように短く、四肢もしっかりと発達しており、頭蓋骨の一部には現生のヤモリに見られるような特徴も確認された。

 研究チームはこの生物を、さまざまな体の特徴が、予測のつかない形で出現・消失・再出現を繰り返す「モザイク進化」の一例だと考えている。

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  エルゴレンシスは小型爬虫類や哺乳類を食べていた可能性が高い/ Image credit:Mick Ellison/©AMNH

長らく別の種の化石が混じっていると考えられていた

 2015年にスカイ島で発見された化石は、これまでバラバラに見つかっていた複数の断片的な化石に光を当てるものとなった。

 かつてヘビのような骨とトカゲ・ヤモリのような骨が同じ場所から出土した例があったが、長らくそれらは別々の動物に由来すると考えられていた。

 この化石は非常に保存状態が良く、骨の構造が精密に確認できたため、研究チームは高出力のX線やCTスキャンなどを用いて、慎重な分析を重ねてきた。

 その結果、この生物は有鱗目の中のパルウィラプトリダエ(Parviraptoridae)という分類群に属することが明らかになった。

 このグループは以前から存在は知られていたが、これまで知られていたのはごくわずかな骨片のみで、その全体像は謎に包まれていた。

 今回の発見によって、パルウィラプトリダエは再び注目を集めることとなり、この分類群が実在する一系統であったこと、そしてその特徴がどのようなものかが、初めて明らかになった。

 ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジのスーザン・エヴァンス教授は、かつてこの分類群を記述した研究者のひとりであり、今回の発見について次のように述べている。

私がこの分類群に最初に取り組んだのは30年前のことです。当時はほんのわずかな骨片しかなく、全体像は見えませんでした。今回のような化石が見つかることで、ようやくそれが一つの動物だったと確認できたのです(エヴァンス教授)

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ブリュグナサイル・エルゴレンシスの全身と口のイメージ図/ Image credit:Mick Ellison/©AMNH

ヘビの祖先か、それとも似た形を独立に進化させたのか

 研究チームは現在も、ブリュグナサイル・エルゴレンシスがヘビの祖先にあたるのか、それともまったく別の進化の道筋で獲得した生き物なのかを調べている。

 どちらであったとしても、この化石がヘビやトカゲの進化の謎を解くうえで極めて重要な手がかりとなることは間違いない。

 注目されているのは、この生物が「幹系統(stem lineage)」に位置づけられる可能性があるという点だ。

 幹系統とは、ある特定のグループの進化の流れの中で、現存する種(現生種)に至る前に絶滅した、より古い系統を指す。

 たとえば、ヘビやトカゲのような現在生きているグループのことを「冠系統(クラウングループ)」と呼ぶのに対し、幹系統はその外側にあたる、枝分かれした途中の祖先的なグループという位置づけになる。

 もしブリュグナサイル・エルゴレンシスが幹系統に属していたとすれば、トカゲとヘビの両方に進化的な影響を与えた、いわば“共通の古い親戚”のような位置づけだった可能性もある。

 研究を主導したアメリカ自然史博物館のロジャー・ベンソン博士は、今回の発見について次のように語っている。

この化石が解き明かしてくれたことは多いですが、すべてが明らかになったわけではありません。とはいえ、ヘビの起源を探るうえで、これほどワクワクする発見はありません(ベンソン博士)

References: Nature / Cat-sized Jurassic reptile had the jaws of a python / Mysterious 160 million-year-old creature unearthed on Isle of Skye is part lizard, part snake

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この記事へのコメント 11件

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  1. うちの地元じゃこれ、カマンチョロって呼んでる

    • +2
    1.  ヘビやトカゲの仲間は現在 『「ヘビやトカゲの仲間」と「ヤモリの仲間」』のグループと「ムカシトカゲ」に分かれるんだけど、この子はそのどこにも属さない。
       ただ、「ムカシトカゲ」よりはどっちかってーと 『 「ヘビやトカゲの仲間」と「ヤモリの仲間」 』 のグループに近い。

      まぁ、今現在解って居る範囲で分類学に当てはめての話なので、今後は解んないけどね。

      • +6
  2. ヘビもトカゲも似たようなもんじゃねーの?と思いつつよく考えたらアゴがぜんぜん違うんだよな。
    トカゲが下顎を外して獲物を丸呑みってないもんな。

    • +2
  3.  そもそもヘビって脚が邪魔だったんですかね。 なんで退化したのか、どんな環境で脚が退化したのか、すごく疑問です

    • +1
    1. トカゲのしっぽ切りってありますよね
      しっぽならなくなっても生き延びられる
      脚なら致命的なんですよね
      ヘビの体をくねらせる移動方法なら体の上に葉っぱみたいなものがあってもあまり動かさずに音もたてずに移動できる
      木に登ることだってできる
      ウミヘビのように泳ぐのも問題ない
      どこで進化しても不思議ではない気がするんですよね

      • +3
    2. デカい獲物飲み込んだニシキヘビの写真をみてください。アレにトカゲの足生えたところで歩き回れそうですか? というわけで肋骨で歩き回れるように進化したとです。肋骨で歩き回れるようになったら足いらんとなりました。おまけに肋骨を器用に動かせるようになったのでお腹の中に効率よくデカい獲物送り込めるようになり食べ物の選択肢がさらに増えました。デカい獲物が食べれるようになると獲物を探しにインターバルが長くなりエネルギー効率がよくなりました。

      • +4
      1. コモドドラゴンは丸のみだけどあれが世界中に広がれなかったのはその辺の生存競争で負けたせいか

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  4. 大きさはほぼ猫か…じゃあおおよそネコってことでよいニャー?

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