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気候変動で海に沈むツバル。国民の半数近くがオーストラリアへの移住申請に殺到

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(著) (編集)

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オセアニアに位置する9つの島からなるツバルこの画像を大きなサイズで見る
南太平洋のツバル Photo by:iStock
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 気候変動による海面上昇に直面する南太平洋の国「ツバル」が、水没の危機から逃れるため、オーストラリアへの移住計画を立案し、移住ビザを提供する取り組みが始まった。

 この移住申請は、2025年以降、毎年抽選で280人のツバル人がオーストラリアに移住できるというもので、国全体の計画移住は世界初になるという。

 申請期間は2025年6月16日から7月18日のおよそ1カ月だったが、申請者数は国民の半数近くにのぼり、抽選倍率は約20倍とも報じられている。 

ツバルからオーストラリアの移住申請に国民の約半数が応募

 ツバルは、南太平洋にある9つの島からなる立憲君主制国家だ。かつてはエリス諸島と呼ばれていた。

 気候変動による海面上昇で沈みゆく国ツバルで、オーストラリアへの脱出の機会を提供する初の移住申請の受付が実施され、2025年7月18日までの締め切りまでに多数の国民が申請を行った。

 ただすべての申請者がもれなく移住できるわけではない。毎年抽選で280人までの上限があり、2025年の申請期間は6月16日から7月18日のおよそ1カ月だった。

 締め切りを迎えた7月18日時点の報道によると、移住希望者はきわめて多く、受付からわずか4日で、1万1,204人のツバル国民の約1/3に近い3,125人が申請。

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Photo by:iStock

 さらに締め切り当日は5,157人と、国民の約半数もの申し込みが殺到。その倍率はおよそ18.4倍だが、一部メディアでは20倍とも報じられている。

国土の大半が2m以下で海に沈みゆくツバル

 オーストラリアとハワイの中間に位置するツバルは、9つの低地環礁(サンゴ礁に囲まれた環状の島々)で構成されている。

 日本でもたびたび報じられてきたが、その国土の大半は海抜2m以下であり、気候変動などによる海面上昇により、将来的に水没するおそれがかねてから指摘されている。

 2023年時点で、ツバル周辺の海面は、30年前と比べ、15cm上昇したという研究結果もある。このペースだとツバルの陸部分と重要なインフラの大部分が、2050年までに満潮位以下になってしまう。

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image credit:youtube

2100年までに首都がある島も沈む懸念

 ツバルの悲劇的な未来について、国連開発計画(UNDP)も、このままなんらかの対策をとらなければ、2100年までに首都があるフナフティ島(環礁)の95%が、満潮時に海に沈むだろう、との懸念を示している。

 さらにいえば、海面上昇は水の供給も脅かす。海水がどんどん押し寄せると、地下の淡水層や農地に流入してゆく可能性があるからだ。

 実際、ツバルはすでに塩害に悩まされているという。

 オーストラリアのメルボルン大学の博士課程で、気候変動を研究するツバル人学生、バテテバ・アセル氏は、「ツバルの住民はすでに塩分濃度を抑えるために作物を地面から離して栽培せざるを得ない状況にある」とニューサイエンティスト誌に述べている。

移住申請は二国間協定の一環

 こうした事態から、ツバルとオーストラリア政府との間で、 ファレピリ連合条約と呼ばれる二国間協定が2023年に署名され、2024年に発効された。

 なお”ファレピリ”とはツバル語で「隣人」を意味するそう。

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image credit:youtube

 今回の移住申請はその一環で、2025年より毎年抽選で、オーストラリアが最大280人のツバル移民を受け入れるというもの。

 この280人という人数は、ツバルの大規模な人材流出や経済困難を防ぐために規定されたものだという。

 当選し、移住ビザを取得した人々は、オーストラリアの国民と同じ教育や医療サービスを受けられる。

 また一定の条件をクリアすれば、就労もできるようになり、永住権の取得も可能。さらに移住は義務ではなく、ツバルへの帰国も好きなだけできるという。

 この二国間協定の中には、この移民制度のほかに、自然災害やパンデミックや軍事的侵略に対する安全保障が含まれている。

 たとえばツバルが他国と安全保障協定を結ぼうとした場合、オーストラリアが拒否する権限をもつという取り決めも交わされている。

 ツバルのフェレティ・ペニタラ・テオ首相は、この取り組みを「国民のチャンス」と述べ「永住だけでなく、オーストラリアで習得した技能を祖国で役立てることもできる」としている。

気候変動でツバルが消滅、地元民がオーストラリアに移住/Tuvalu is disappearing due to climate change and locals are moving to Australia | 7.30

今後も他の太平洋諸島が協定を結ぶ可能性

 なお海面上昇の危機に瀕する国は、ツバルだけではない。

移住経路が、気候変動と海面上昇に明確に結びつくこの協定は、世界初の前例のないものになりそうです

 オーストラリアのニューサウスウェールズ大学・気候リスク対応研究所の研究員ウェズリー・モーガン氏によると、こうした二国間協定が今後も増える可能性があるという。

 たとえば今後、またオーストラリアが、今度はキリバスなどの他の太平洋諸島と同様の協定を結ぶこともありうるという。

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image credit:youtube

初のツバル移民到着は2025年末

 今のところ、ツバルからオーストラリアが受け入れる移民の数は年間280人まで。その数は恒久的なものではなく、何か問題が生じれば変更の可能性もある。

 2025年以降のツバルの人口の動向について、オーストラリアのニューサウスウェールズ大学の法学部教授、ジェーン・マクアダム氏は、オーストラリアの学術関係者向け非営利メディアThe Conversation でこのように述べている。

(従来の)ツバルからの移民と今回の新しいビザを使った移民の数を合わせれば、毎年ツバルでは人口の約4%が国を離れる可能性があります。

その人数がこれからも一定で、帰国する移民もいなかった場合、10年後にはツバル住民の約40%が国を離れることになります

  またオーストラリア政府代表らはニューサイエンティスト誌への声明でこのように述べている。

気候変動の影響が深刻化する中、尊厳ある移動の道筋を提供する、この種の協定は世界初のことです

気候変動は、とりわけ影響を受けやすい太平洋地域の国や人々の生活、安全、そして福祉に壊滅的な被害を与えています

 各国メディアが注目する世界初の移住申請の抽選結果は、2025年7月末に明らかになる。

 順調にいけば、2025年の年末までには、この申請による初のツバル移民がオーストラリアに到着する見通しだ。

References: Livescience / Abc.net.au / Newscientist

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この記事へのコメント 14件

コメントを書く

  1.  ツバルが日本に声をかけてくれて、日本のツバル県か東京都ツバル区(特別行政区)みたいになったら日本人として日本の国土として保護活動ができるのになと思っちゃった。オーストラリアの方が近いから自然な流れだし土地も潤沢にありそうだけど、海洋国家としての日本の土木技術ならいろんなことができるんじゃないかなと。予想はしてたけどいよいよ始まったのね。

    • -21
    1. 正直、日本にそこまでの財政的余裕がある気がしないわ

      • +28
    2. 大規模護岸するとそれはそれで生態系吹っ飛びそうだしなぁ
      .TVドメインが主要産業だっけ?国と一緒にそれも消えるんじゃ投資回収も難しいだろう
      まあ、そもそも国を渡すような真似はどんな国家もしない

      • +9
    3. 英連邦だしねぇ。そこに割って入るのは問題大きいだろう

      • +22
    4. 主はきっとお金持ちで優しい人なんだろうけど、日本全体としてはツバルに介入してる場合じゃないと思うな。
      日本の限界集落から意地でも離れない人とか多いし、そっちのインフラ整備に寄付してあげて。

      • +5
  2. これ、水没が早い地域から優先的に募集すりゃいいのに……

    • +14
  3. 【たとえばツバルが他国と安全保障協定を結ぼうとした場合、オーストラリアが拒否する権限をもつという取り決めも交わされている。】←債務の罠を世界のあちこちで仕掛けている国の介入を防ぐには必要な手立てなんだろうな。

    • +18
  4. 上空からの写真がかなり細くてここに住む気にならないだろうって感じだけど
    15cm低かったときはもっと幅広な島だったんかな

    • +14
  5. 海が綺麗なところだけに移住しなきゃいけないのはもったいなぁ…島民にとっては死活問題だろうけど。

    • +11
  6. さようなら、と、泣かないで。いまは微笑みを。いつかまた巡り会える、光と影の様に〜。「日本沈没」のテーマ

    • -1

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