この画像を大きなサイズで見る太古のブドウの種子を追跡した研究によれば、ブドウが世界に広まったのは恐竜の絶滅がきっかけだったと考えられるそうだ。
ワインも恐竜も大好きな人には少々複雑な思いがする研究結果は、『Nature Plants』(2024年7月1日付)に掲載された。
この研究では南米各地で発見された6000万~1900万年前の太古のブドウのタネの化石を追跡し、それがどのように広まったのか調査した。
それによると、ブドウが世界各地で繁殖できたのは、恐竜が絶滅し、森の姿がそれまでとは違ったものに変化したことがきっかけだった可能性が高いそうだ。
恐竜絶滅と同時に広がったブドウ
柔らかい組織は滅多に化石にならないため、太古の果物についての研究は、硬いタネの化石に基づくものだ。
ブドウもまた然り。これまでで世界最古のブドウのタネの化石は、インドで発見された6600万年前のものだ。それを利用したワインは5000年前にはすでに作られていたようだ。
この時期、巨大な小惑星が地球に衝突し、それまで地上の王者であった恐竜たちが絶滅した。時を同じくして世界最古のブドウが登場したのは決して偶然ではない。
フィールド博物館のファビアニー・エレラ氏は、プレスリリースでこう話す。
一番派手に影響されたので恐竜ばかりが注目されますが、その絶滅は植物にも大きな影響を与えました
森がリセットされ、植物の構成が変わったのです(ファビアニー・エレラ氏)
恐竜が絶滅して植物の構成が変わるとは、どういうことなのか? それは恐竜がブルドーザーのようなものだと想像すればわかる。
体の大きな恐竜たちは、森を歩き回りながら木々をなぎ倒し、そのおかげで森はずいぶんと開けた状態だっただろう。
ところが、そんな生きた重機がいなくなると、南米などの熱帯林は密集して生い茂り、樹木によって低木層と樹冠が形成されるようになった。
するとブドウのようなつる植物は、このチャンスを活かして木に登りはじめたのだ。また恐竜の絶滅後に鳥類や哺乳類が多様化したことも、ブドウのタネを広める後押しをしたかもしれない。
この画像を大きなサイズで見る南米でも世界最古級のブドウが発見される
このようにブドウは6600万年前には地球に存在したと考えられる。ところが、南米では最近までブドウの化石が発見されていなかった。
だが長い歴史を持つブドウなのだからきっと南米にもあるはずだと、エレラ氏は信じ続けた。そして2022年、コロンビアのアンデス山脈でそれがついに見つかった。
しかもそれは南米初のブドウの化石であるだけでなく、6000万年前のものと非常に古く、世界最古のブドウの化石のひとつだったのだ。
それは小さなタネの化石だったが、特殊な形や大きさなどから新種と特定され、「Lithouva susmanii」と名付けられている。
この名は”サスマンの石ブドウ”を意味し、フィールド博物館の支援者であるアーサー・T・サスマンにちなみなんだものだ。
その後も南米と中米で行われたフィールドワークでは、コロンビア・パナマ・ペルーで最終的に6000万~1900万年前のブドウの化石9種が発見された。
この画像を大きなサイズで見るブドウが経験した波乱の歴史
こうしたブドウの化石は、この植物が西半球に広まった歴史だけでなく、絶滅を幾度も繰り返した、波乱に満ちたものだったことを物語っている。
中南米で発見されたブドウは、西半球に自生するブドウの遠い親戚で、そのうち2種は今日では東半球にしか存在しないウドノキ属のものだった。
化石は、ブドウが非常に回復力のある種であることを物語っています。中南米では幾度も絶滅に見舞われましたが、それでも世界各地に適応して生き残っています(エレラ氏)
現在、地球のさまざまな生物が絶滅の危機にある。今回のような研究は、生物多様性の危機が起きるパターンを教えてくれるという点で貴重なものと、エレラ氏は説明する。
が、それはそれとして、小さくて地味なタネが、森林の進化についてたくさんのことを教えてくれるところが、彼女はお気に入りだという。
References:Sixty-million-year-old grape seeds reveal how the death of the dinosaurs may have paved the way for grapes to spread – Field Museum / Sixty-million-year-old grape seeds reveal how the death of the dinosaurs may have paved the way for grapes to spread | ScienceDaily / written by hiroching / edited by / parumo














恐竜が木を薙ぎ倒すから密林が無かった、というのは
正直ちょっと強引な説に思えるなあ。
植物食恐竜からしたら木々をなぎ倒してしまったら
食糧が無くなって自分達も飢えるリスクが高まるし。
確かにゾウなんかは木を倒して葉を食べることもあるけど
密林を開拓するようなレベルにはならないよね。
>>2
現生生物で考えるとアフリカゾウがサバンナの森林化を抑制する働きは相当なものだけれどもアジアゾウには熱帯雨林を根こぎにするほどの力はないから大型草食獣による森林抑制効果は地域によると思う。ナウマンゾウがいた時代の日本の森は屋久島みたいな極相林まで育たなかったかもしれないけどそれはそれでロマンがある。
>>5
サバンナはアフリカゾウがどうと言うより
気温や降水量等の関係で元々森林になり難いのよ。
アフリカだと森林には小型のマルミミゾウがいるけど、
これは障害物の多い森林で暮らす為に小型化したとされてるから、
ゾウが森林をどうこうすると言うより、周囲の環境に合わせて
ゾウ側が変化するのが普通だろうと思う。
>>2
同意だね。
ブドウのように、甘い実の中に小さな種を仕込む植物は明らかに、鳥類や樹上生活をする小型~中型哺乳類の繁栄を前提に進化している。恐竜の絶滅がきっかけでブドウが繁殖したのは事実だとして、それはブルドーザーの消失による森林形態の変化ではなく、陸上生物の構成が大きく切り替わったのが原因に違いない
人類の歯の構造は、祖先の類人猿がブドウを含む果実を主要な食料としていた痕跡だと考えられている。そういう意味で人類とブドウは最初から進化と繁殖の道を共に歩んでいたと言えるかもしれない
仮に南米のぶどうがブドウ科のルーツだとしても
種として世界中に広まったのは食べて種を運んだ鳥のおかげじゃないかな
ワインの原料が「たまたま」ぶどうだっただけでは?
それを恐竜の絶滅に結びつけるのは強引な気がする。
糖度の高い柿の実もワインになる可能性があったのでは
>鳥類や哺乳類が多様化
寧ろ此処が肝なんじゃないかな
種を運ぶ相手に合わせて進化した結果の一つがブドウなのでは
いや隕石がおちて大陸規模の火災が起こり次いで地球規模の気温低下が起きるじゃん
その時、森林再生時に「自ら背を伸ばさなくて蔓で這い上る」タイプが広がったんでしょ
それに葡萄に近縁の蝦蔓や山葡萄、馬葡萄なんかは低木に絡むよ
伸びるより上に覆いかぶさることで光を得るのが目的なんだろう
いくら恐竜にデカいのがいたと言えど木を倒すというのはかなり骨が折れるし
そもそもそんなことする必要をなくすために巨大化した説もあるくらいで
酒は命の水
竜の血潮
恐竜いたら人類は誕生してないし
個人的には隕石衝突が無くてもデカい裸子植物から省エネの被子植物への進化が恐竜を追い詰めたと思ってるので因果関係はむしろ逆だと思う
恐竜が死ねば酒屋が儲かる、的な?
文中のウドノキ属を調べたらシュウ酸カルシウムの針状結晶のたばとかかじったら悶絶だな