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世界で最も孤独な古代ソテツ類のオス木の為、AI技術とドローンを駆使した嫁探しが進行中

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23件のコメントを見る

(著) (編集)

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 古代のオニソテツの仲間、エンセファラルトス・ウッディは、イギリスの王立植物園「キューガーデン」にオス木が1本あるだけで、今のところ他にはどこにも見当たらない。そのため、世界一孤独な植物と言われている。

 この1本が枯れてしまえば種は消えてしまうかもしれない。そこで科学者たちは立ち上がった。

 AI技術とドローンを駆使して、このオス木が発見された南アフリカの森林をくまなく観察し、子孫を残すためのお嫁さん探しをしようというのだ。

ひとりぼっちの古代ソテツのお嫁さん探しが始まった

 サウサンプトン大学をはじめとする研究チームは、恐竜よりも古いオニソテツの仲間「エンセファラルトス・ウッディ(Encephalartos woodii:以下E. ウッディ)」を繁殖するために人工知能を利用している。

 現在、唯一知られている「E. ウッディ」は、1895年に南アフリカのンゴエ森林(Ngoye)で発見された。

 その数年後、ロンドンの王立植物園「キューガーデン」などに送られ繁殖が試みられたのだが、なにぶん発見されたのがオスだけだったため、オスのクローンしか増やせなかった。

 野生のE. ウッディはすでに絶滅したと考えられている。なのにオスしかいないから、故郷の森に帰して自然に増やそうとしても、それができない状況となっている。

 そこでサウサンプトン大学のローラ・シンティ博士らは、ドローンとAIを使って、どこかでまだ生き残っているかもしれないE. ウッディのメスを探そうとしているのだ。

E. ウッディは古典的な片思いの物語を思い出させます。私はどこかにまだメスがいるのではないかと期待しています。絶滅寸前であるこの植物を、自然繁殖で復活させられれば、素晴らしいですよね

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イギリスの王立植物園「キューガーデン」に唯一存在するE. ウッディのオス木 / image credit:University of Southampton

AIとドローンを駆使して森の中を探索

 そのためにE. ウッディが発見されたンゴエ森林の上空にドローンを飛ばし、マルチスペクトルセンサーで人間の目では見えないような特徴を撮影する。

 これを画像認識AIに分析させ、メスが写っていないかどうか探させるのだ(なお出会い系アプリ企業によると、今年は年の差恋愛がブームになるかもだ)。

 これまでに撮影された範囲は0.78km2で、何万枚もの写真が撮影された。まだメスは見つかっていないが、捜索すべき範囲は40km2もあるので、まだまだ希望はある。

 だがその一方でシンティ博士は、化学的・生理学的な操作によってE. ウッディの性別を変えられないかどうか研究してもいる。

じつはほかのソテツでは、温度などの急激な環境変化により性別が変わることがあるのだそうだ。

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マルチスペクトルセンサーで、人間の目には見えない特徴を探す / image credit: C-LAB

太古の種子植物、ソテツ類

 オニソテツ属のE. ウッディなど、ソテツ類は太古の時代から続く、非常に古い種子を持つ植物だ。その歴史は3億年以上前に遡り、大量絶滅や環境の変化といったピンチを何度も乗り越えてきた。

 このように長い時間を生きてきたにもかかわらず、現在絶滅の危機に瀕しており、とりわけE. ウッディは希少な種とされる。

 シンティ博士によれば、ソテツは闇市場で数千万円で取引されており、盗難の危険すらあるため、植物園では頑丈な柵に入れられているのだそうだ。

References:The high-tech hunt for a lonely plant’s partner | University of Southampton / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 23件

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  1. >シンティ博士によれば、ソテツは闇市場で数千万円で取引されており、

    マニアかな?そんなに欲しいものなんだろ-か。。。

    • +11
    1. >>2
      とにかく他人が持ってない珍しいものを手に入れて自己顕示欲を満たしたがる金持ちは多い
      芸術から宝石、装飾品、アンティーク、化石、隕石、生きた動物、生きた植物何でもござれ

      • +20
  2. ンゴエ森林…アフリカの前に「しりとり」のルールは常に敗北する…。

    • +20
  3. クローン個体が世界中の植物園にに500株ほどいるらしいので、そう簡単に絶滅はしなさそう

    • +1
  4. 嫁探し…年の差婚…だめなら性転換…
    ソテツ君の婚活、うまくいくといいね…。

    • +6
  5. エンシェントウッドでEウッディなんだろうか

    • +1
    1. >>9
      エンシェントが古代の英語だとすると ancient なので A でないと……

      E は Encephalartos かな。
      encephalartos はソテツ類の総称らしいです。
      だから Encephalartos woodii はソテツな木ということだろうと思います。

      あまり良い方法じゃないですけど、挿し木とかクローンとかで条件を変えてメスの木ができるか試してみるとか、遺伝子操作でメスの木作って増やすとかの技術方面での解決を考えちゃいます。 良い方法じゃないというのは、アダムとイブ(アダムから作られた)の関係と同じで遺伝的多様性がないからです。

      • +2
  6. 人の染色体は雌XYで雄XXとかチョウザメは雌ZZ雄ZW(先日TVで見た 注1.)
    ソテツ類はXY型の性染色体で雌XYで雄XXだとか…
    なら雄の染色体をいじって雌化するとか、キウイの性別をコントロールする方法( 注2.)で雌を作るとかできないものかな

    注1.超雌(WW)を作って子供を産ませると「確実に雌ZWが生まれキャビアが捕れる」という内容
    注2.https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press2019/press20190806.pdf

    • +5
  7. 美しく立派な植物だ、失うのは惜しい
    技術の有効活用、人類が未調査、調査不足の場所なんて山ほどある
    探せばきっとどっかにあるさ、応援してる

    • +6
  8. 雌の木に転生して隣に生えて来てあげたい

    • +7
    1. >>14
      その為にはソテツ君の婚活が成功して子孫を残さないと不可能な矛盾

      • +2
  9. 雌に性転換させた場合、自分のクローンである雄の木と
    普通に自家受粉できるんかな?
    それで生まれてくる子供は雄も雌もいるんだろうか?

    • +4
    1. >>15
      自家受粉できない可能性も高いね
      もし人の男性から女性を作り交配したら出産率は低くなる
      弱い胎児は流産する(母体が流す)遺伝子の問題とか
      (すいませんいろいろデリーケート話で)
      でもできるこてとは試してみるしかない
      絶滅が危惧される動物を助ける戻し交配とか核移植、人工授精、代理出産、人口育児(近縁種の乳母)などするのと同じ

      *2~4行は削除しても構いません

      • +2
  10. 雌雄異株の植物ってなんでこんな進化をしたんだろうかと思う
    塊根植物でいくつか持ってるけど、雌雄異株で硬実種子で難発芽種子だと
    「もうコイツら生物として仲間を増やそうって気はないのか?」
    と思うよ

    • +4
  11. ソテツでさえ嫁を探してもらえるというのにお前ときたら(鏡に向かって

    • +1

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