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抽出に24時間かかる水だしコーヒーを3分で作れる超音波技術が開発される

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(著) (編集)

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 低温でじっくり抽出する水出しコーヒーは、通常のホット抽出コーヒーよりも酸味や苦味が少なくまろやかな味わいになるが、作るのに12~24時間もかかるという難点がある。

 そんな水出しコーヒー抽出にかかる時間を超音波で3分間に短縮するという技術をオーストラリアの研究チームが開発した。

 市販のエスプレッソマシンに超音波発生装置を取り付けるだけで実現したというこの技術は、もうすぐ家庭でも手軽に水出しコーヒーを楽しめるようになるということだ。

超音波を利用して3分で水出しコーヒーを作る技術

 ニューサウスウェールズ大学(UNSW)の研究チームを率いるフランシス・トルヒーリョ博士は、既存のエスプレッソマシンに独自に開発した超音波発生装置を取りつけるだけで、通常に24時間かかる水出しコーヒー(コールドブリューコーヒー)をたった3分で抽出することに成功した。

 このシステムは、取りつけられた振動子と抽出バスケットを金属ホーンを介して接続し、通常のエスプレッソフィルターを強力な超音波リアクターにしてしまう仕組みだ。

 このリアクターは、周波数38.8kHzの音波を壁面の数ヵ所に入射することで、内部に複数の音響キャビテーション(高エネルギー状態の微小気泡が大量に発生する現象)を発生させることができる。

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新たな高速水出しシステムは、フィルター、バスケット内のコーヒー粉に超音波を当てる仕組みだ / image credit:University of New South Wales

超音波抽出で香りも風味も豊かに

 超音波処理せずに抽出したコーヒーと比較して、抽出量とカフェイン濃度が2倍になる可能性があることがわかった。

 トルヒーリョ博士によると、超音波処理することによって挽いたコーヒーの油分、風味、香りの抽出が促進されるという。

挽いたコーヒーの近くで音響気泡が壊れると、マイクロジェットが発生して粉が粉砕され、香りと風味が抽出される力が増すのです。そのため、普通は半日から一日かかる抽出時間を3分未満にまで短縮することができます(トルヒーリョ博士)

Ultrasonic Cold Brew Coffee in Under 3 Minutes

エスプレッソコーヒーを作るのと同じくらい簡単

この抽出法は通常のエスプレッソコーヒーを作るのと同じくらい簡単だという。

このシステムを既存のエスプレッソマシンにか応用できることが実証できました。すでにコーヒーマシンを製造している会社がこの技術を使うことができるということです。

画期的なこの技術によって、コーヒーショップやレストラン、ひいては家庭でも、大型の抽出装置や冷却設備がなくても、水出しコーヒーをすぐに作ることができるのです(トルヒーリョ博士)

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エスプレッソマシーンに取り付けるだけの簡単さ / image credit:University of New South Wales

徹底した分析による味の評価

 味の方も徹底的に分析がなされた。超音波抽出1分間と3分間のものを通常の24時間抽出の水出しコーヒーの香り、味わい、風味、後味と比較して評価された。

 超音波抽出1分間のものは、24時間抽出のものと比べて、とくに風味や、苦味、酸味、コク、香りが醸し出す後味においてほぼ同等の評価を得たが、香りの強さやダークチョコレートの香りに関しては抽出がやや不十分であることが示された。

 超音波抽出3分間のものは、24時間抽出のものと同様の香りの強さ、ダークチョコレートの香りを示したが、わずかに苦味が増した。

 結果的に、24時間水出しコーヒーに匹敵する水出しコーヒーを作るには、顧客の好みに応じて1~3分間の超音波処理が理想的であることがわかった。

 いずれにしても、一晩おかなくてはならない水出しコーヒーの抽出時間を劇的に短縮できることははっきりした。

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味覚テストの為、超音波で1分で抽出した水出しコーヒー、3分で抽出したコールドブリューコーヒー、24時間で抽出した伝統的なコールドブリューコーヒーのサンプルを試す研究者たち / image credit:University of New South Wales

 今後のさらに進んだ研究により、コーヒー豆の産地の違いによる抽出時間の違いも調査する必要があるが、奥深いコーヒー世界の別次元に踏み込む新たな足がかりとなる、というトルヒーリョ博士。

 超音波技術は、乾燥、抽出、乳化、結晶化など食品業界のさまざまな分野に適用することができ、例えば茶葉の抽出プロセスをスピードアップすることなどもできるという。

References:Hear that? That’s the sound of an ultrasonic cold brew coffee ready in under three minutes / Cold brew coffee in under 3 minutes? Ultrasound makes it possible / written by konohazuku / edited by / parumo

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この記事へのコメント 26件

コメントを書く

  1. なんで今までやってなかったんだと思うわ
    香気成分とか飛んじゃいそうだけど、それを封じ込める工夫とセットなのかな

    • +5
  2. アイスコーヒーの美味しい季節になったね(´・ω・`)水出し好き

    • +12
  3. 抽出に24時間という情報を飲んでるだけなのでこれはNG

    • -1
  4. 超音波洗浄機って若いワインとか安物の日本酒を
    上級に変える道具にも使えるけど、それプラス
    水だしコーヒーにも使えるとは面白いな

    • +6
  5. 時間かけると酸化も進むし、時短できるのなら色んな改良進みそう

    • +12
  6. メガネ洗浄機でコーヒー作ればいいんだな

    • +3
    1. >>7
      豆入れてちょっとやってみようかなw

      • +3
  7. 水出しコーヒーは不味いコーヒー豆をソコソコ飲める様にするものだから
    良いコーヒー豆ならお湯での方が香りと味わいが強いし

    • -2
  8. 新しいコーヒーの抽出法としてあっという間に広がる予感しかない。

    • +5
  9. 少し高いかもしれないが酸味強めのシングルオリジンの良い豆で水出ししてみ、例えばモカナチュラルとかで
    オレは500mlほど出してペットボトルに入れて冷蔵庫で冷やして、ちびちび飲んでる

    しかし、3分で水出しできるのは嬉しすぎるわ

    • +5
  10. 「アムステルダムの朝は早い」 どこの朝も早いんじゃい!

    • +1
  11. カフェインなんかはどうなるんだろう。そのまま出てくるのかデカフェできるのか。

    • 評価
    1. >>15
      >超音波処理せずに抽出したコーヒーと比較して、抽出量とカフェイン濃度が2倍になる可能性があることがわかった。

      と本文中にあるから、逆に増える見込み
      忙しい朝にはうってつけ、逆に夜には以来通りの12時間水出しのほうがいいかもね

      • +2
  12. 俺がプルプルしながら煎れたコーヒーが美味い理由はこれか!

    • 評価
  13. その辺の喫茶店では、理科室の実験装置みたいなやつで抽出しとるな

    • 評価
  14. もう国際特許はとったのかな?アホみたいに儲かりそう。

    • +1
  15. アマゾンでエスプレッソマシンと検索すると
    超音波抽出の見出しがズラッと並ぶ未来が見える

    • 評価
  16. 👽️(人類のコーヒーにかける情熱は一体・・・)

    • 評価
    1. >>22
      この惑星では 常にスピードが求められる 何をそんなに急ぐ必要が
      あるんだろう しかもこの惑星の駐車禁止は厳しい 

      • +2
  17. 水出しコーヒーは好きなんだ
    今まで抽出に長い時間をかけたけど、それも水出しコーヒーの醍醐味楽しみの一つと思ってた
    でもそんな画期的な方法で美味しさを損なわない方法が生まれるなんて…
    嘆きじゃないよ喜んでるのさ、これからはいつだって好きな時に飲めることに成るんだから

    • 評価
  18. もう缶コーヒー全部これでいいんじゃね?密封してから加熱殺菌すれば風味も損なわないだろうし。

    • 評価

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