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13万年前のエイを模した砂の彫刻を発見、人間が生物をモチーフにした最古のアートの可能性

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(著) (編集)

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 南アフリカ西ケープ州のスティル海岸の南で、ゲイラカイトのような形をした興味深い岩のようなものが発見された。だがよく見ると、左右対称になっており、表面に削られたような跡がある。

 最近研究者たちがこの物体を詳しく調べたところ、尾はないものの、アカエイを形どった砂の彫刻である可能性が高いという。

 もしそれが本当なら、この遺物は人類が他の生物の姿を模して作り出した芸術表現の最古の例となる。

およそ13万年前、エイの砂の彫刻はどのように作られたのか?

 南アフリカ、ネルソン・マンデラ大学のチャールズ・ヘルム氏ら研究チームは、これはブルースティングレイ(Dasyatis chrysonota)というアカエイ科のエイを模したアンモグリフの可能性が高いという。

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ブルースティングレイ(Dasyatis chrysonota) / image credit:Kyle Smith

 アンモグリフとは、砂浜の表面に描いた図形や絵が長い年月を経て化石化したもののことだ。

 あくまでも推測の域だが、同様の石を数多く分析して得られた高度な知見に基づく推測であるとのこと。

 この遺物は、光ルミネッセンス年代測定法を用いて調べたところ、およそ12万4000年前から11万9000年前の中石器時代のものだという。

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エイのように見える砂像の表面(左)と裏面(右) / image credit:Helm et al., Rock Art Research 2024

 この彫刻が浜辺で発見されたことから、生きたエイを見ながら描いたか、トレースした可能性もあるという。

 幅が30cm未満であることから、見本となったエイは、見本となったエイは、オスか小型で未成熟のメスであると考えられるそうだ。

 また、この遺物は左右が対称になっていて、かつては尻尾がついていたと思われる痕跡が見られる。

 尾は最初はついていたようだ。もしかしたら儀式的なものに使用され、意図的に切断されたのかもしれないそうだ。

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尾がついていたであろう部分 / image credit:Jan De Vynck

「これを作ったアーティストが生きているエイを細かいところまで模写する才能があった、あるいは像がトレースされたかどちらかだと考えています」

 左右対称はさまざまな理由で発生し、必ずしも人為的なものだとはいえない。

 しかし、この彫刻の左右対称は輪郭やヒレに当たる部分だけでなく、刻まれた溝などいくつもある。これが自然による偶然の産物である可能性は低いそうだ。

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彫刻に刻まれた溝 / image credit:image credit:Jan De Vynck

世界最古の生物モチーフのアートである可能性

 西ヨーロッパの見事なロックアートは、4万年前に忽然と始まったと言われている。それ以前に描かれた図柄は抽象的なシンボルが大半を占めている。

 エイの姿を模したこの砂の彫刻が作られてから、フランスの有名なショーヴェ洞窟のようにヨーロッパで似たような洞窟アートが現れるまでは9万年の隔たりがある。

 世界の原初アートは砂の中にあり、砂が最初のキャンパスだという考えは、数千年の時間をかけてこうしたスキル磨くのに十分な時間を提供することになる。

「現代のビーチで子どもたちが砂浜に絵を描いたり砂の城を作ったりして楽しみますが、太古の昔から人類の祖先も同じようなことをやっていたのです」

 この研究は『Rock Art Research』誌に掲載された。

References:Stingray sand ‘sculpture’ on South Africa’s coast may be oldest example of humans creating an image of another creature / 120,000-Year-Old Stingray Sand ‘Sculpture’ Found in South Africa | Sci.News / written by konohazuku / edited by / parumo

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この記事へのコメント 12件

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  1. いや・・・彫刻の可能性が高いとか言われてもなぁって感じ

    • -3
  2. ロマンはある…けど「ほんまかぁ?」って気持ちもある

    • +5
  3. 1個だけだと偶然の産物の可能性もあるので、同種のものがさらに見つかればいいんだけどね。

    • +7
  4. 古いものが出てくるととりあえず儀式用!みたいなところあるけど
    昔の人でも手慰みに工作することはあったと思うの

    • +6
    1. >>8
      そういう散発的に作られたものが遺物として現代まで残る確率は低いのに対して、
      確定した文化として繰り返し作られていたもの(≒儀礼)だからこそ時の風化をくぐり抜けて現代まで残ったと考えた方が蓋然性が高い

      あと学者は単発の遺物だけ見て判断するのではなく、似ているものが他にも出土してないか、それはどういう文脈のものか、現代の民族でも似たものを儀礼に使っているところがないか、
      といった過去の研究の蓄積を全体的に見回した上で「これはこういう用途である可能性が高い」って判断を下す

      そういう優先度の高い考察に比べたら、「遊び半分かも」ってのは意義も根拠も薄弱なのよ

      • +1
  5. 13万年前ならば、土器はなかったけど人の社会生活の様式も確立されているしコミュニケーションも取れているし何らかのものを模写する能力はあったとは思う…

    記事のエイはもうちょっと人の手で作られた痕跡が見たいな。

    • +3
  6. 見えなくもないけど、偶然の産物の可能性の方が濃いすか?

    • +1
  7. 何となく溝の配置と尾部の形状に人為的な物は感じるけどどうなんだろうね
    まぁ大昔から人間は色々作ってたろうね、物を作り出すのって楽しいよね

    • +1

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