この画像を大きなサイズで見る人類の歴史の大半は海の底に隠されているといっていい。世界中に沈んでいる海底遺跡には、古代人が住んでいた場所や彼らがどのように危険で不安定な海を渡って新天地へ移ったかについてよく理解できる遺物の山が眠っている。
イタリア、ローマ近郊、地中海の沿岸集落の湖の底から5隻の木製の船(カヌー)が発見された。これらの船は新石器時代の人々が7,000年以上前に地中海で漁業や輸送に使っていたことがわかった。
この発見は、古代の人々の高度な海を使用する技術を示したものである。
ローマ近郊で新石器時代の5隻のカヌーを発掘
新石器時代のヨーロッパの農業コミュニティは、移動、交易、伝達の場だった海にたよっていた。こうした活動は、紀元前1万年から7000年の新石器時代に地中海周辺に広まった。
しかし、彼らのその優れた遺物は湖や環礁に沈んだり、泥炭湿地に埋もれてしまい、今では見つけるのはかなり難しい。
スペイン国立研究評議会の考古学者フアン・ギバハ氏率いる研究チームが、イタリア、ローマ近郊にある遺跡、ラ・マルモッタ村の新石器時代の湖から沈んでいた5隻のカヌーを引き揚げ、この地域の航海コミュニティの優れた造船技術が明らかにした。
「ラ・マルモッタで見つかった新石器時代のカヌーの年代測定から、これらが地中海地域最古のものであることがわかりました」研究者たちは発表した。
この画像を大きなサイズで見る1989年、新石器時代にさかのぼるラ・マルモッタ集落が、アローネ河を下って地中海に出られるブラッチャーノ湖の水深8mのところに沈んでいるのが発見された。
1992年から2006年、そして2009年にも発掘が行われ、その敷地や木製の住居の一部などが泥と水のおかげか、非常にいい状態で保存されていることが判明した。
織物を織る木製の道具、食物を運ぶための繊維で作った籠、そして5隻のカヌーなど、かなり多くの遺物が見つかった。
これら発見物から、ラ・マルモッタ集落が繁栄した農業コミュニティであることがわかり、地中海沿岸に近いことからおそらく交易の重要な拠点であった可能性が高いと考えられる。
ギバハ氏らが5隻のカヌーを新たに分析したところ、住民の高度な木工技術と造船技術がいかに交易を可能にしていたかが明らかになった。
この画像を大きなサイズで見る新石器時代の人々の驚くべき造船技術
見つかったカヌーは、紀元前5700年から5100年の間に成長した木をくりぬいて作られている。オーク材で作られたカヌーのひとつは、全長はおよそ11mと推定され、ブラッチャーノ湖を横切るのに必要なサイズよりかなり大きいと思われる。
ほかの4隻も、全長4mから9.5mとけっこうな大きさで、2隻はハンノキ、1隻はポプラ、1隻はブナで作られているという。
さらにカヌーは船体を補強するために横梁が渡してあって、T字型のペグのようなものが3本、等間隔でカヌーの壁に差し込まれているものもあり、ここにロープや帆を固定していた可能性がある。
この画像を大きなサイズで見る最適な木の選択、木の幹を切り中央部を焼いて中をくりぬく技術、船底面に横方向の補強を施したり、側柱を使って船体を安定させる技術、カヌー同士を平行につなげた双胴船の技術さえ知っていた人間がいたに違いない
研究者は論文に書いている。
このような戦略があれば、船の安全性、安定性が高まり、人や動物、物資の輸送能力がかなり向上したはずだ。
こうした特徴が現在の航海技術と似ていることを考えると、航海技術の大きな進歩の多くは新石器時代初期に行われたに違いないと研究者は考えている。
ブラッチャーノ湖の底の泥が深く堆積しているところには、まだもっとたくさんの船が沈んでいるのではないかと思われる。これまで、この海底遺跡の4分の1ほどしか発掘されていないのだ。
だが、紀元前5230年頃になぜ突然、ラ・マルモッタ集落が放棄されたのか、その具体的な理由はわからない。
非常に多くの遺物が残され、その保存状態もいいため、おそらく遺跡が劣化する前に増水によって町が急速に浸水し、住民が慌てて立ち去ったのではないかと考えられる。
この研究は『PLOS ONE』誌(2024年3月20日付)に掲載された。
References: 7,000-Year-Old Sunken Boats Reveal How Neolithic Seafarers Traversed The Mediterranean : ScienceAlert / 7,000-Year-Old Canoes Reveal Early Development of Nautical Technology | Sci.News













ちゃんと船作ってたんやね
板とか丸太に乗ってたのかと
木材が7000年も水につかって分解されないのだろうか?
>>2
水の状態によっては、沈没していたり埋没していたほうがより長く残ることもあるらしいね
木が腐ったり分解されてくのは菌やシロアリみたいな昆虫によっておこなわれる
水中だとそれらは活動出来ないので残りやすいのです
>>3
その説明では納得できないなあ
水の中にも菌もいるし、微生物もいるぞ
>>9
・水+ある程度の沈殿物がかぶることで遺物が低酸素状態になる
・湖などでは水の対流が少ない場合も多く、湖底自体が低酸素状態になりやすいのもある
・低酸素状態では活発な活動を行う好気性生物が活動しにくくなるので遺物が残りやすい
・水+沈殿物に加えて低温などの条件が揃うとさらに保存状態は良くなる
こんな感じ
この地域の木の加工技術の洗練のされ方を考えると、石器時代って名前が迷子になってる
>>4
「石器時代」は石で作った道具を使っていたから「石器時代」であって、加工技術云々は関係ないですね
ちなみに日本の区分での「縄文時代」は、実は世界的には「新石器時代」だったりします
記事だと「双胴船の技術をしっていたに違いない」になってるけど、元の論文だと可能性があるぐらいにしか書いてないな。
大型カヌーの隣にもう一隻発見されているのならともかく、それも無いし。
このカヌーの周囲から大量の駕籠などが発見されているので、交易用に大型化させたんだろう。
香木になってそう
この頃のヨーロッパって文明あったのかね?
エジプト辺りはもう都市ありそうだけど。
水中は木を分解させる菌類がいないというのが保存性が高い理由なんだよね
リグニンやセルロースを分解できる菌が案外特別な存在なんですよ
そもそも陸上での生物サイクルで生まれたものなんで水中にはない訳です
加工した木材を組み合わせて舟形にするのではなく
1本くりぬきなんだね
木を紐で組んでいかだにするのと
穴開けた木に乗り込むのとどっちが早かったんだろう?