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NASAの火星ヘリコプター「インジェニュイティ」に異変。突如通信が途絶え飛行不能になり任務終了

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 このところNASAの火星ヘリコプター「Ingenuity(インジェニュイティ)」が異変をきたしているようだ。

 2021年2月の着陸以来、火星を飛び回りながら情報を収集してくれているものの、今年1月18日(現地時間)の72回目のフライトで突如通信が途絶え行方不明になってしまったという。

 NASAジェット推進研究所は、「計画された降下中、着陸する前にヘリコプターと探査車との通信が途絶えた」と、プレスリリースで報告している。

 幸いにも、その翌日インジェニュイティは返事を返してくれた。

 だが、こうしたトラブルはこれまで火星の過酷な環境で頑張ってくれていたインジェニュイティの体に何か異変が起きているらしいことを伺わせる。

NASAの火星探査ヘリコプターに異変

 インジェニュイティは、NASAの火星探査ミッション「マーズ2020」で運用されている小型のロボットヘリコプターだ。

 2021年に火星探査車「パーサヴィアランス」と一緒に火星に到着し、地球以外の惑星で史上初めて空を飛ぶという歴史的な快挙をなしとげた。

 そんな偉大なインジェニュイティだが、このところ体調がすぐれないようだ。

 今年初めに行われた71回目のフライトは、予定では最大高度12mまで上昇し、125秒かけて358mを飛行する手はずだった。

 ところがインジェニュイティは予定より早く着陸してしまったのだ。

 1月18日(現地時間)の72回目のフライトは、どこかおかしいインジェニュイティの健康状態をチェックするためのものだった。

 その内容は高度12mまで上昇し、30秒したらそのまま元のところに着陸する軽いもの。それなのに、飛び上がったインジェニュイティは、最高高度に達した後で音信不通になってしまったのだ。

 これを見守っていたパーサヴィアランスが耳を澄まして懸命に捜索活動を行ったところ、幸いにも翌日になってインジェニュイティは発見された。

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火星ヘリコプター「インジェニュイティ」は当初の予定を越え、3年近くも頑張っている / NASA

運用期間を越え3年近くも頑張っていた

 とは言え、こうした流れは、これまで頑張ってくれていたインジェニュイティの体に何か異変が起きている可能性をうかがわせる。

 もともとインジェニュイティは、あくまで技術的な実証実験として30火星日だけ運用される計画だった。

 火星日は火星における一日の時間でソルとも呼ばれる、地球の時間の単位に換算すると1火星日(ソル)は平均24時間39分35.244秒となる。

探査車パーサヴィアランスが撮影したインジェニュイティの初飛行の映像

 だが彼は当初の期間が過ぎてもずっと働き続け、通信障害・砂嵐・長い冬といったトラブルをなん度も乗り越えてきた(この間もまるでUFOのような探査車の残骸まで発見している)。

 これからもずっと元気に活躍してくれると思いたいが、形あるものはいつか壊れるのが定めだ。

 もしかしたらインジェニュイティとの別れが近づいているのかもしれない。もしもの時に後悔しないよう、この偉大なヘリコプターの今に注目したい。

追記:もうこれ以上飛ぶことができない。NASAが任務終了を発表

 NASAは本日(現地時間1月26日)、正式にインジェニュイティの任務終了の発表を行った。

 72回目の最終着陸時にローターブレードが損傷し、これ以上の飛行が不可能であることが判明したのだ。

 とは言え、もともと約1か月間の任務で、最大5回の飛行が目標のところを、3年間で72回も飛行するなど14倍も活躍し、合計2時間以上もの飛行時間を記録したのだから本当によく頑張ってくれた。

 NASAのビル・ネルソン長官は、この小さながんばり屋に感謝の意を表しつつ、「インジェニュイティ」の歴史的な旅路は終わったと述べた。

 また長官は更に「この素晴らしく驚異的なヘリコプターは、私たちが想像していたよりも高く、遠くまで飛び、NASAが最も得意とする”不可能を可能にする”ことを実証してくれた。」と称賛した。

 プロジェクトマネージャーのテディ・ツァネトス氏は、「火星での最初のヘリコプターは、宇宙探査の未来に消えない痕跡を残し、今後数十年にわたって火星や他の世界での航空機の艦隊にインスピレーションを与えるだろう」と付け加えた。

Administrator Bill Nelson announces the end of Ingenuity Mars Helicopter

References:Flight 72 Status Update – NASA Mars / NASA loses, and then recovers, contact with its historic Mars helicopter | Ars Technica / written by hiroching / edited by / parumo

追記(2024/01/26)正式に任務終了がNASAから報告されたので追記して再送します。(2024/01/30)本文・追記を一部訂正して再送します。

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この記事へのコメント 25件

コメントを書く

  1. インジェニュイティ「ワンオペで火星に行ったけど仲間いねえ!仕事さぼるっす」

    • -1
  2. (;ŏ﹏ŏ)フライボーイはこき使われて嫌になったんだョ(適当

    • 評価
  3. しかし本当に住めそうに見えるな。
    少しでも草があったらアリゾナ辺りに見えそうだ。

    • +6
    1. >>4
      しーっ!草のないところを選んでるんだから!本当のこと言うと消されるよ。
      大気の薄い火星でヘリコプターがそんな揚力だせるわけないのわかってるでしょ。

      >>10
      おそらく低温環境だからバッテリがヘタってるのではないかと予想。
      宇宙線もかなり降り注いでるし劣化は早そうな気がします。

      >>12
      期待しちゃうね

      • 評価
  4. 火星の環境は想像以上に過酷で、
    3年もの間動作出来たというのは、
    nasa の技術力もさることながら
    極めて幸運であったと
    思わざるを得ません。

    それはそれとして、遂に火星人が
    地球人のオモチャが好き勝手に
    飛び回る事は許さない、という
    明確な意思表示をしてきた訳だが

    • 評価
  5. このレベルで移住とか言ってるの?
    何千年掛かるレベルじゃん

    • -8
    1. >>7
      2kg程度で30日予定の機械が3年動いているのに?
      火星に運搬できる容量の問題もスペースXのスーパーヘヴィーが完成すればかなり改善されるし、宇宙開発はこれからどんどん加速していくよ
      何時までも過去にしがみ付きたがる人は、時代についていけなくて老害化していけばいい

      • +6
      1. >>11
        それを続けられるだけのお金があればね。
        何の利得も無ければ宇宙開発は進まない。

        • -9
        1. >>16
          宇宙産業は民間レベルで商業化に成功している現実(とくにアメリカ)

          • +2
        2. >>16
          それ民間企業がロケットや宇宙船作って商用化しているアメリカとか
          日本や欧州を見ても言えるんか?
          衛星放送は「商用の」通信衛星を民間企業が作ったロケットで宇宙に
          送り出しているしGoogle Earthの衛星画像は商業用の地球観測衛星
          が撮影した画像を使っているんだが貴方何時の時代からやってきたのよ?

          • +1
  6. 3年間もノーメンテで動いてたわけだし、電装系がさすがにヘタってきてるんかねぇ。

    • +3
  7. 火星人の子供が石を投げたんだろうな

    • 評価
  8. 後日NASAが撮影画像を詳しく分析したところ
    ドローンのローターブレード(プロペラ)の一部が破損していたことが判明したそうです
    おそらくそれが原因で最後のテストフライト時に墜落してしまったのかもしれませんね

    • +4
    1. >>21
      火星の薄すぎる大気の中で揚力を生み出すために毎分3000回転近くしてたはずだから、負荷がかかるのも無理はないなあ

      • +2
  9. 見事に砂と岩しかねえな
    この砂や岩は地球のと同じなのかな
    成分というか何というか
    岩かち割ったら未知の鉱石が出てきたりしないかな

    • +2
  10. この前のボイジャーの記事といいコレといい安全係数相当取ってるんだろーなー
    原子力電池の場合5年予定が46年コレが30日予定が3年だろ

    • +1
    1. >>25
      それもあるだろうけど宇宙開発は決められた期間のミッションとして予算が組まれる→期間経過後、成果が認められて追加運用の予算が承認される→期間経過後、さらに追加の予算が承認される
      みたいな感じだから当初の運用予定年数と耐用年数はだいぶ開きがあるよ

      • +1
  11. 防犯カメラとか設置するとかあるのか

    • 評価

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