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2024年に予定されている注目すべき5つの宇宙ミッション

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(著)

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 2023年は、存在するはずがない黎明期の銀河が見つかったり、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による神秘的発見があったりと、宇宙の秘密と謎が明かされ始めている。

 そして2024年も期待が高まるミッションが目白押しだ。

 まず注目したいのは「アルテミス計画」。NASAが50年ぶりの月面着陸を目指すこの計画では、今年最初の有人飛行テストが行われる。

 それから「エウロパ・クリッパー」の打ち上げ。木星の氷の衛星には果たして地球外生命が存在するのだろうか?

 ほかにも月の水を探す「VIPER」や「ルナー・トレイルブレイザー」のミッションに、人類を滅亡から守るかもしれない「ヘラ計画」だって要チェックだ。

 以下では今年ぜひとも注目したい宇宙ミッションを紹介しよう。

1. 木星衛星探査機「エウロパ・クリッパー」の打ち上げ

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エウロパを周回するエウロパ・クリッパーのイメージ図/Credit: NASA

 NASAの木星衛星探査機「エウロパ・クリッパー」は、木星の第2衛星「エウロパ」の探査を任務としている。

 地球の月よりもわずかに小さなエウロパは、表面が氷のカラでおおわれており、その下には液体の海があると考えられている。

 その水の量はじつに地球の海の2倍。もしかしたら地球外生命すら存在するのではと期待される注目の衛星だ。

 エウロパ・クリッパーはそうした氷のカラや内部海の秘密を探るべく、そのそばを約50回飛行して、氷の表面やその地下を調査する。

 さらにエウロパから時々噴出する間欠泉も探すことになる。そこにはもしかしたら生命の痕跡が含まれているかもしれない。

 打ち上げは、2024年10月10日から21日にかけてを予定。スペースX社の「ファルコンヘビー」で打ち上げられ、到着は2030年になる予定だ。

2. 月への帰還「アルテミス2号」の打ち上げ

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アルテミス2号に乗り込む4人の宇宙飛行士 / NASA

 NASAが50年振りに人類の月への帰還を目指す野心的な計画、それが「アルテミス計画」だ。

 その名はギリシア神話の月の女神アルテミスに因んだもの。1960~70年代に人類を月に立たせた「アポロ計画」の由来となった太陽神アポロンの双子だ。

 月を周回したアルテミス1号に続くアルテミス2号の打ち上げは、この計画で最初に行われる有人飛行テストとなる。

 全10日間のミッションでは、宇宙船に4人の宇宙飛行士が搭乗し、月をぐるっと周って地球に帰還する。

 打ち上げの予定は、早くて2024年11月。宇宙服や酸素供給装置といった準備の状況次第で、2025年に延期される可能性もあるとのことだ。

3. 月面の水を探す探査機「VIPER」

 NASAの月探査機「VIPER」の名は、Volatiles Investigating Polar Exploration Roverの頭文字をとったもの。”揮発物調査極地探査車”という意味だ。

 ゴルフカートくらいのロボット車で、2024年後半から月の南極の調査を開始する。

 もともと2023年の打ち上げが予定されていたが、「商業月面輸送サービス」(NASAが民間企業に月への物資輸送を委託するサービス)の一環としてアストロボティック社が開発するシステムのチェックを行うため、延期されていた。

 VIPERの目的は、月の温度ではすぐに揮発してしまう「水」や「二酸化炭素」のような物質を探すこと。

 とりわけ重要なのが、南極の永久影にある氷の水の分布を調べることだ。それは将来行われる月有人ミッションにとって貴重な資源になると期待されている。

 月の温度は、昼なら100度を超え、影の部分はマイナス240度に達するという過酷なもの。VIPERはこの中をバッテリー、ヒートパイプ、ラジエーターを利用することで、100日間のミッションをこなすことになる。打ち上げ予定は、2024年11月だ。

4. 「ルナー・トレイルブレイザー」と「PRIME-1」

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スタッフがチェックするのは、ルナー・トレイルブレイザーに搭載される観測機器/Credit: NASA/JPL

 NASAは最近、「SIMPLEx(Small, Innovative Missions for PLanetary Exploration)」という計画を進めている。

 これは他の打ち上げに便乗できる小型宇宙船を開発するもの。要はライドシェアして経費を節減しようというのだ。

 その一例が「ルナー・トレイルブレイザー(Lunar Trailblazer)」だ。VIPERと同じく、月の水を探すことが任務の探査機である。

 だがVIPERとは違い、ルナー・トレイルブレイザーは月に着陸しない。かわりに軌道を周回しながら月面の温度を測定し、そこにある水分子の位置をマッピングする。

 ルナー・トレイルブレイザーの打ち上げは2024年初頭が予定されているが、ライドシェアが前提であるため、ほかのミッションの状況に左右される。

 ライドシェアするのはNASAの実験プロジェクト装置「PRIME-1」だ。これは月に穴を開けるためのもので、同様の装置がVIPERに搭載される。

5. ESAの探査機「ヘラ」

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DART衝突の影響を測定する探査機ヘラのイメージ図/Credit: ESA

 ここまではNASAが中心となって進められるミッションだったが、二重小惑星探査計画「ヘラ(Hera)」は欧州宇宙機関「ESA」が主導している。

 だがミッションは単独で行われるのではなく、NASAの「DART」によるミッションと連携して行われている。

 2022年、DARTは小惑星「ディディモス」の衛星「ディモルフォス」に秒速6キロの猛スピードで突っ込んだ。

 その目的は、将来的に危険な小惑星が地球との衝突コースに乗ってしまった時、強い衝撃(キネティック・インパクト)によってコースを修正できるかどうか確認することだ。

 2024年10月に打ち上げが予定されるヘラの目的は、DARTが衝突した影響を詳しく調査することだ。

 DARTによってディモルフォスの軌道が変化したことはすでに確認されているが、ヘラはその影響をさらに詳細に分析する。

 これはいつか人類を滅亡から守るかもしれない国際的な惑星防衛ミッションなのだ。

 ちなみに日本のJAXAによる世界初の火星衛星サンプルリターンミッションも2024年に予定されていたのだが、2026年に延期になったようだ。

 これは、原始太陽系における有機物・水の移動、天体への供給過程の解明に向け、火星衛星に含まれる含水鉱物・水・有機物などを解析し、火星の水や有機物の存在を明らかにすること。また、2つの火星衛星の起源や火星圏(火星、フォボス、ダイモス)の進化の過程を明らかにするのが目的である。

 心してあと2年待つことにしよう。

written by parumo

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この記事へのコメント 9件

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  1. 基幹ロケットのH3打ち上げ再チャレンジもあるな

    • +2
  2. あれだけ「エウロパには近づくな」と言われているのにーー

    • +1
  3. 人類が戦争に使うコストと情熱を宇宙開発に注いでいたら今頃、火星有人基地くらい出来てるんじゃないか?

    • +5
  4. あと、スマホで使えるスターリンク衛星打ち上げるってさ

    • +1
  5. 2024年他に日本が係わっているのは…

    日本初の月着陸機SLIMの着地は今月。
    iSpaceのHAKUTO-R:Mission2、
    ヴァルカンロケットの1号機に登載されるペレグリン月着陸機にアストロスケールと大塚製薬のルナ ドリーム カプセル プロジェクト(タイムカプセル)
    インテュイティブ・マシーンズのLM-1月着陸機にはYAOKI超小型月探査車

    記事内のHeraにはJAXA/ISASの熱赤外カメラ(TIRI:はやぶさ2用の改良型)が登載

    • +3
  6. すっかり注目度が低くなったボーイングの有人宇宙船スターライナーも今年の予定。

    • +3
  7. こんなにいろいろ莫大な費用と労力をかけてもおそらく今地球上にいる人類が恩恵を受けることはないんだろうな。
    未来の人類は月の資源を有効活用したり火星に住んだりするのかな?
    なんか、現実味ないなぁ…。

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