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着陸しなくても土星衛星「エンケラドゥス」で生命体を見つけることができるかもしれない

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(著) (編集)

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  土星の衛星「エンケラドゥス(エンケラドス)」は、太陽系の中でも地球外生命の発見が期待できる有力候補の1つだ。

 その分厚い氷の下には、液体の水がたたえられており、生命にエネルギーを与える熱水噴出孔まである。だが遠い衛星の分厚い氷の下にいるかもしれない生命など、どうやって確認すればいいのだろう?

 このほど米国の研究チームは、わざわざエンケラドゥスに着陸することなく、生命の存在を確かめる方法を考案した。

 それは宇宙に噴出した細胞を収集するという大胆な手法だ。

エンケラドゥスの氷の下をどうやって調査すればいいのか?

 エンケラドゥスは土星の第2衛星で直径は498 km。土星からの距離は約24万kmで、土星の周りを33時間ほどで公転している。そして生命が存在する可能性を持つ衛星として知られる

 エンケラドゥスの氷の地殻の下には液体の海が存在すると考えられている。

 問題は、厚さ5~30キロメートルもある氷だ。いくらその下にお宝があるかもしれないとはいえ、どうやって内部海にたどり着けばいいのだろう。

 ドリルで氷を掘って、ゆっくりと下に降りていく方法もあるだろうが、とんでもなく骨の折れる作業であることは明らかだ。

 エンケラドゥスは時折、氷の亀裂から水蒸気(プルーム)を噴き上げるので、そこにロボットを潜り込ませるというのも1つの手かもしれない。

 だがロボットが絶対に地球の生物で汚染されないよう保証するのはやはり難題だ。

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エンケラドゥス / image credit:NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute

宇宙に噴出された生命の痕跡を探せばいい

 一方、わざわざ内部海まで降りていく必要はないと考える研究者もいる。

 じつはプルームは火山噴火のように爆発的なパワーがあり、宇宙にまで届いている。だとしたらエンケラドゥスの軌道にまでメタンのような生命の痕跡が吹き上げられているかもしれない。

 『The Planetary Science Journal』(2022年12月13日付)に掲載された研究は、このアイデアをさらに一歩進めている。

 メタンどころか、プルームと一緒に有機物や細胞まで吹き上げられているかもしれないというのだ。

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エンケラドゥス / image credit:NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute

 地球の熱水噴出孔には、二水素と二酸化炭素をエネルギーに転換しメタンを排出する「メタン菌」という小さな生物が潜んでいる。

 アリゾナ大学の研究チームは、このメタン菌がエンケラドゥスにもいると仮定し、そのバイオマスの総計と、細胞などの有機分子がプルームに乗って宇宙に放出される確率を求めてみた。

 それによるなら、エンケラドゥスの生命はすべて合わせても「クジラ1頭分」でしかないという。

 確かに地球のように豊かな生命が育まれているとは言えないかもしれない。それでもなお軌道上で細胞などを発見するには十分な量であるという。

 アリゾナ大学のアントニン・アフホルダー博士は、「豊富な細胞があると仮定しても、エンケラドゥスの海全体でクジラ1頭分のバイオマスにしかならないのだから驚きです」と、プレスリリースで述べる。

 「エンケラドゥスの生物圏は希薄なものかもしれません。それでも私たちのモデルからは、プルームに十分な有機分子や細胞がのって、探査機で拾えるくらいには生産的であることが示されています」

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エンケラドゥス / image credit:NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute

もし本当に生命がいれば検出できる可能性は高い

 探査機が宇宙を漂う細胞のような物質を検出するには、最低0.1ミリリットルは必要になる。

 またプルームがさまざまな場所から噴出することを考えると、有機物を回収するまで探査機はエンケラドゥスを100回以上フライバイする必要があると考えられる。

 これは不可能な数字ではない。実際、土星探査機「カッシーニ」は最初の4年間で、土星を74周し、タイタンで45回フライバイしたのだ。

 案外史上初の地球外生命は、惑星や衛星そのものではなく、宇宙空間で見つかるのかもしれない。

References:What it would take to discover life on Saturn’s icy moon Enceladus | University of Arizona News / We May Be Able to Find Life on Enceladus Without Even Landing : ScienceAlert / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 20件

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    1. ※1
      この方法で生命の痕跡があるとわかったら絶対いつかは着陸することになるから
      大いに期待

      • 評価
  1. エウロパなんかも生命の存在が期待されてるね。

    生きてる間に地球外生命に出会えるとしたら
    系外惑星よりこういう太陽系内の天体だと思うから
    個人的にはこっちの方がワクワクする。

    • +5
  2. そうか上空を回ればいいのか
    軌道上に残るガスを集めるのかと

    • +3
  3. もしDNAが採取されたら、エンケラドゥスに親戚がいるのが解るかもしれない。

    • +4
  4. SETIとかは知的生命体に拘ってるけど、「知的生命体」ほどじゃなくていいんだよな。
    仮にエンケラドスで原生微生物とっ捕まえたとして、地球で細切れにして、分析して、
    もし地球外でも二重螺旋状のDNAが基になってるってわかっただけでも大進歩だし。

    • +7
  5. 生命の定義は?
    酸素・二酸化炭素を取り込んで活動する事?

    メタンを取り込んで活動し酸素が毒物の場合は?

    • 評価
    1. ※6
      メタンを消費する”生物”は地球にも存在するし、酸素が嫌いな子も存在する(嫌気性と言われる奴)
      素人が思い浮かぶレベルではなくて、専門家も出会ったことがないような当たり前ではない何かならば難しいかも
      例えば通称”電気石”といわれる鉱物が惑星内核の圧力で常に帯電した結果。知識を得てしまった奴とか?

      • +5
    2. ※6
      生命の定義  こんな感じですね
      「外界との境界を持つ」
      「代謝と恒常性」
      「自己複製」
      「外圧への反応」
      「死ぬ」(たしかにほぼ全ての生物は死ぬが、オレは入れない、生の定義が「死ぬものだ」というのはおかしい)

      *Chinese Roomは知性の存在を考察するものだが、生命の定義には至らない

      • 評価
    3. ※6
      シュレーディンガーの「生命とは何か?」って名著がありますね
      半世紀どころか80年前の著作ですが 自分が理解するか限りでは
      エントロピーを増大されるのではなく 縮小させていくのが生命だと理解しました

      • -1
      1. ※19
        ちょっと意味がわからないですね

        • 評価
  6. 他惑星の生命発見は人類史上最も偉大な発見になる
    この方法なら日本発の発見も可能性あるしガンガン挑戦していってほしい

    • +4
  7. いきなり着陸しない方がいい
    探査機の排ガスが原因で環境破壊や生物が死ぬかもしれない

    • +4
  8. 地球人による惑星侵略はいずれ取り返しのつかないしっぺ返しにあうだろう

    全宇宙に悪のウィルス(地球人)を拡散してはいけない

    • -2
  9. だが、荘厳な表面の下には 何も無かった。 愛も 憎しみも 光も 闇も

    • +1
  10. 噴出物を調べればわかるんじゃないかと素人的に思ってたけど、やっぱそうなのね。生物とはなんぞやってよくいわれるけど、ただの物体が時間とともに無秩序になるのに対して、生物は意味を持った複雑さが増していく現象、って言えるんじゃないだろうか。エントロピーだね

    • +1

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