この画像を大きなサイズで見るオーストラリアの先住民族(アボリジナル)が昔から伝えてきた伝統的な薬にはモルヒネすら超える強力な鎮痛効果があったようだ。
先住民族ニキナ・マンガラ族の長老ジョン・ワトソン氏はワニに襲われ指を食いちぎられるという悲惨な目にあった。
この時彼は、マングローブに生育する植物の樹皮をちぎって噛み砕き、柔らかくしたものを傷口に塗り鎮痛剤代わりにした。
これを知ったグリフィス大学の名誉教授ロン・クイン氏は非常に驚いた。この植物に鎮痛効果があることを知らなかったからだ。
そこでクイン教授はワトソン氏に協力を仰ぎつつ、強力な鎮痛剤の開発に着手。30年にわたる試行錯誤の末、ついに鎮静剤を完成させた。
この植物由来の鎮痛剤はオーストラリアのアカデミーからも高く評価され、現在2032年開催のブリスベン・オリンピックでデビューを飾るべく準備が進められている。
ワニに遭遇し指を食いちぎられ、マングローブの樹皮を塗った先住民
1986年、オーストラリア北西部に位置するキンバリー地方の僻地で狩猟をしていた先住民族ニキナ・マンガラ族の長老、ジョン・ワトソン氏はワニに襲われた。
命からがら逃げ出すも、指の一部を食いちぎられてしまった彼は、激しい痛みに耐えながら、湿地に生息するマングローブの一種、「マジャラ(Barringtonia acutangula)」を探した。
どうにか見つけると、彼はその樹皮をちぎって噛み砕き、柔らかくしたものを傷口に塗り、それから病院へ向かった。
本当ならこの体験は、子や孫に語り聞かせる武勇伝で終わったはずのものだろう。
しかし経緯は不明だが、グリフィス大学の名誉教授でグリフィス創薬研究所のメンバーであるロン・クイン氏はこの話を聞きつけ、大いに興味を持った。「なぜ彼は樹皮を傷口に塗ったのか?」と。
これがオーストラリア先住民「ニキナ・マンガラ族(Nyikina Mangala)」とグリフィス大学との30年にわたる協力関係のきっかけだ。
この画像を大きなサイズで見る先住民が使っていた樹皮にはモルヒネを超える鎮痛効果
ワトソン氏が長老をつとめるニキナ・マンガラ族では、大昔からマジャラの樹皮・根・葉をさまざまな用途に利用してきた。
例えば、ワニに襲われた時に使用したように痛み止めとして、あるいは魚を気絶させて捕りやすくする薬として、さらには「ドリームタイム」(アボリジナルに伝わる神話体系・法概念・霊的世界観)においても重要な役割を果たしてきた。
長年の研究の末、クイン氏はマジャラの樹皮に2種の化合物が含まれていることを発見した。
1つは炎症による痛みを抑え、もう1つは神経の損傷による痛みを和らげる。それはきわめて効果的で、試算によれば、モルヒネよりも10倍効果のある鎮痛薬を開発できる可能を秘めていた。
これらの成分を利用して、天然由来鎮痛剤の開発を進めるワトソン氏とクイン氏が狙うデビューの舞台は、2032年に開催されるブリスベン・オリンピックだ。
それは切り傷・ただれ・刺し傷などの痛みを抑えるジェル状・クリーム状の薬で、オリンピック選手たちに使ってもらえるよう準備が進められている。
「先住民たちが何千年にも渡って語り伝えてきた伝統薬が、オーストラリア人全員に恩恵をもたらす可能性があることを、医薬品当局にに納得させたいと思っています」と、クイン氏は語る。
この画像を大きなサイズで見る先住民は植物の驚くべき薬効効果を知っていた
オーストラリア先住民の伝統知識をもとに開発された鎮痛剤は、各方面で高く評価されている。
2021年、ワトソン氏とクイン氏の両名は、ジャッカ自然療法財団から助成金を獲得。さらに今年、オーストラリア技術科学工学アカデミー(ATSE)の伝統知識イノベーション賞を受賞した。
受賞理由は、商業利用の可能性だけでなく、「伝統的所有権を守りつつ、伝統知識の完全性を尊重」するというアプローチが評価されたことだ。
グリフィス大学は、その所有権を先住民族のコミュニティに譲渡しており、このプロジェクトによって、伝統知識が科学を進歩させる可能性やその正当性が認められる道筋となることを期待している。
「このプロジェクトによって、ほかの先住民の薬が市場に出回る道が開かれるかもしれません」「私たちが長年続けてきたことが報われたようでうれしいです」と、ジョンの息子アンソニー・ワトソン氏は語っている。
オーストラリアには触れただけで地獄の痛みが襲う猛毒植物「ギンピ・ギンピ」などが存在するが、毒と薬は表裏一体であり、古代から先住民族はそれを有効利用していたのだ。
というか何がすごいってやっぱり植物だな。
References:Australia’s 30-year quest to unlock an ancient painkiller – Freethink / written by hiroching / edited by / parumo





















悪い薬物に利用されて
規制されて先住民の人たちが使えなくなるとかにならないといいけど
製薬会社が何億と金をかけてもかなわない民間薬はごくまれに存在するということだろうけど
世の中の民間療法のほとんどすべては信じるに値しない
>>2
昔から効果のある民間療法はすでに現代医療に組み込まれているから、いま残っているのは気休め程度。
しかし、この例だって民間療法が通常医学に組み込まれていく過程だろ。
あくまで可能性の話
人類「うーん、鎮痛作用が魅力的だけど依存性がなぁ・・・せや!」のパターンやめてくれよな(アヘン、モルヒネ、ヘロイン)
>>4
コーヒーにミルクみたいなもんで、
痛みを消すのに一番手っ取り早く確実なのが快感ってところが問題なのよね
「痛みだけを確実にブロックする」っていう選択的な薬効ほど作るのが難しいものはないし。
この手のは経験則と長い試行錯誤の蓄積からくる知識だから、
わりとあたっている。あるいは効果がある場合は多い
ただ、たまにどう考えても見当違いなのも交じっているのがネタにはされる
>>5
「梅干しをおでこに貼ると風邪が治る」とか
迷信感満載なのに意外と理に適ってると聞いて驚く。
>>7
梅干しの香り成分は、「頭痛に効く」じゃないっけ?
>>13
両方あるね。
使い方もおでこに乗せたりこめかみに貼ったり
いくつかパターンがある。
>>7
風邪の時に「ネギを首に巻く」はネギに含まれる成分が鼻の通りを良くするので間違えでもないとか
>あるいは魚を気絶させて捕りやすくする薬
私はこれを思いついたんだが、同じこと考える人はいるな
末期で痛みが激しい状態でモルヒネも投与量の問題で痛みがとれない時に使って欲しい
現地の人の権利を尊重する姿勢や、よし!
お金儲けに目がくらんで大事なことを忘れちゃ台無しだもんね
まったり伝統を守りながら科学も進歩させられたら最高
>>11
その代わり時間がかかって、救える人に届かなかったりすることもある。
兵は拙速を尊ぶという言葉もある。
日本にも早く来て欲しい
バイオパイラシーだな
>>14
盗んではいないね。
安全性もだけど、原料の調達(栽培)の容易さはモルヒネ(ケシ)と比べてどうなんだろ?
それとも、同じ構造のを別の安価な材料で合成できる?
10倍はちょっと盛るヒネ
>>17
個人的にキライじゃないw
30年も研究して、目標はさらに2032年とか気が長い話だ。やっぱりこういう研究は時間をかけていかないと安全性や社会の理解を得られないんだろうな。
これペットの治療に使えないかなあ
麻酔使うのすごく怖いのよ…
こういうの、少数民族の言葉や文化を保護する理由の一つよね。
新薬の素材候補になる植物は山ほどあるけど、人々が伝統的に使ってきたものの中には効果があるものがわりとあるという。
アスピリンだってそういう歴史だし。
昔の人は植物の効能を知っていたということだろうが、心配なのは極端な自然療法シンパや自然派シンパの輩たちが現代医学を否定し、自然療法を主にしようと拡大解釈すること。
科学療法も自然療法もそれぞれにメリットがあり、共存できるのが理想。
オリンピックの選手にか
スポーツ関係だと別の効能が問題になり易いし先ずは普通に医療目的で良さそうだけどな
>>24
万が一ドーピング検査に引っかかったらどうするんだろうな。
この木うちに植わってるけど!! 一度試してみるかな。 因みにこの仲間のサガリバナは昔から魚毒として利用されていたそうです。 by沖縄
>>30
今のうちにたくさん植えておくんだ!!
孫の代には働かずに暮らせるぞ!
根流しの植物か
指定難病の私、常に痛みを感じていてフェントステープやモルヒネ、トラマールを使っているような生活をしてるから、副作用が少なく痛みが落ち着いてくれるならこういう植物の研究も進んでほしいな。だけど元々使っていた人たちの分がなくなったり使えなくなったりしないのが一番いい。