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天王星で赤外線のオーロラを初観測、生命が居住可能な惑星を知るヒントに

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(著) (編集)

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 太陽系7番目の惑星「天王星」で、赤外線のオーロラが初めて観測されたそうだ。

 紫外線のオーロラなら1986年に観測されているが、赤外線オーロラが確認されたのは、今回の研究チームが1992年に調査を始めてから初めてのことだ。

 この発見は、太陽の遠方をめぐる惑星の磁場の秘密や、地球の地磁気逆転を予測するヒントになるばかりか、生命が居住可能な惑星を知る方法も告げている可能性があるという。

 この結果は『Nature Astronomy』(2023年10月23日付)で紹介されている。

肉眼では見えない赤外線のオーロラ

 地球でもみられる美しい「オーロラ」は、太陽から放たれる高エネルギーの荷電粒子が、惑星の磁場に引き寄せられて大気に降り注ぎ、そこにある原子と衝突することで現れる。

 だが天王星のように、大気のほとんどが水素とヘリウムでできている惑星では、オーロラの光は人間の目には見えない赤外線の波長になる。

 今回、英国レスター大学をはじめとする研究チームは、ハワイ島マウナケア天文台群にあるケックII望遠鏡を使って、天王星でゆらめく赤外線オーロラを初めて観察することに成功した。

 そうした光のスペクトルには、特に波長の強い部分がバーコードのような輝線となって現れる。

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望遠鏡が天王星に焦点を合わせ、衛星のティタニア、ミランダ、ウンブリエル、オベロンが見えている様子を凝縮した動画。この動画ではすべての天体が二重露光されているが、これは空を見上げるときに地球の大気の影響を最小にするために画像を減算していることによるものだ / image credit:University of Leicester

 天王星から届く赤外線の場合、荷電粒子(H3+)によって生じる輝線が見られるが、その明るさは荷電粒子の熱やその大気中の密度などによって変化する。だから輝線を天王星の温度計かわりにすることができる。

 そして今回の観測では、天王星の大気に含まれるH3+の密度がはっきりと高まっている一方、温度はほとんど変化していないことが確認された。これはオーロラによるイオン化が起きている証拠なのだそうだ。

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天王星でひらめく赤外線オーロラのイメージ。もしも人間の目に赤外線が見えたら、こんなふうに見えるのかもしれない / image credit:NASA, ESA and M. Showalter

生命が居住可能な惑星を知るヒントに

 こうした発見は、惑星に生じている磁場を理解する手がかりになるほか、太陽系外惑星の生命の存在について知るヒントになるかもしれない。

 天王星など、太陽系にある巨大ガス惑星の温度はどれも、太陽から届く熱だけから予測されるものより数百度も高い。

 そうした惑星がなぜこれほどまでに熱くなるのか、確かなことはわかっていない。だが、ある説によれば、オーロラから熱が発生しており、それが磁場の赤道に向かって送り出されることが原因であるという。

 今回の研究の中心人物、英国レスター大学博士課程の学生エマ・トーマス氏は、「これまでに発見された太陽系外惑星の多くは、ミニ・ネプチューン(海王星質量程度以下の質量を持つ惑星の分類)に分類されます」と説明する。

 つまり物理的な大きさが、太陽系の海王星や天王星と似ているのだ。それは磁場や大気もまた似ている可能性もあるということだ。

 だとするなら、磁場や大気に結びついている天王星のオーロラを分析すれば、そうした太陽系の外にある世界の様子どころか、もしかしたら生命が存在する可能性についてもわかるかもしれない。

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photo by iStock

地磁気逆転が起きたらどうなるのか?

 また地磁気の向きが南北で入れ替わる、「地磁気逆転」と呼ばれる現象について理解するヒントにもなるかもしれない。

 現在、地球の磁場はだいたい南極から北極へと向かっているが、地磁気逆転が起きるとその流れが逆になる。

 過去の地球の歴史を振り返れば、実際にそのようなことが何度も起きていることがわかる。

 だがそれが現代に起きた場合、人工衛星・通信・ナビゲーションなど、地磁気に依存するシステムにどのような影響が出るのかほとんど知られていない。

 ところが天王星では、自転軸と磁気軸がズレているせいで、そうしたことが毎日起こっている。

 だから天王星のオーロラを研究することで、将来的に地球で地磁気逆転が起きたとき、何が起きるのか予測する手がかりになるのだそうだ。

References:Detection of the infrared aurora at Uranus with Keck-NIRSPEC | Nature Astronomy / Uranus aurora discovery offers clues to habitable icy worlds / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 7件

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  1. 学生が研究の中心なのか(ムクムクムクッ 嫉妬心)

    • +2
  2. なんでケッチャプとマヨネーズを
    混ぜたら オーロラ に成るんだろ?

    • 評価
    1. >>2
      あれは色から来た名前、「曙色(aurora)のソース」だから「オーロラソース」

      天文現象の「オーロラ」とは直接の関係はないけど、語源が一緒
      (曙色(aurora)は「曙の女神・アウロラ(オーロラ、Aurora)」に由来)

      • +6
  3. よくわからないけど、自転軸と磁気軸が違うってなんか不思議。
    よくわからないけど。

    • +3
  4. いやああまりに奇麗な天王星なんでびびったよ。
    そうだよな、絵かCGだよな。

    • +2
    1. >>7
      宇宙写真の大半は基本的には”赤外線観測”なので、色は後付けです…

      • 評価

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