
image credit:Crystal Cove State Park/Facebook
アメリカ、南カリフォルニアの海岸にチョウチンアンコウのメスが打ち上げられた。通常は深海に生息するチョウチンアンコウが浜辺で発見されるのは珍しい。ここでは2021年5月に続いて2度目の出来事だ。
無傷の状態だったがすでに死んでおり、打ち上げられた原因は不明だそうだ。
深海に生息するチョウチンアンコウがビーチで発見
10月13日、カリフォルニア州クリスタル・コーブ州立公園のモロ・ビーチで、ライフガードが謎の無傷の魚の死骸を発見した。突き出た顎と鋭い歯、丸みのあるボールのような体型と餌をおびき寄せるための頭部の誘引突起(イリシウム)を持っている真っ黒の魚は、「チョウチンアンコウ」のメスと特定された。
チョウチンアンコウの死骸がこのビーチで目撃されたのは、2021年の5月に続いて2度目となる。
It's #WildlifeWednesday, and we've got a surprise guest: the Pacific Football Fish at @CrystalCoveSP, the same species of angler fish first appeared in May 2021. Two years later the same species of fish has washed up again last Friday, October 13th. pic.twitter.com/DhffTYXp92
— CA State Parks (@CAStateParks) October 18, 2023
メスとオスがあまりにも違いすぎるチョウチンアンコウ
チョウチンアンコウはメスとオスの大きさも形状も異なる性的二形であり、小さなオスはメスにすべてを捧げ、繁殖の為だけに生き、メスの体にくっつきながら死んでいくことで知られてる。10月17日、クリスタル・コーブ州立公園の職員はFacebookで次のようにシェアした。
2021年5月、同種のチョウチンアンコウが公園訪問者によってビーチで発見され、大きな話題となりましたが、最近また同じ種類の魚が再び打ち上げられました。
2年前にここで発見されたチョウチンアンコウは、ロサンゼルス自然史博物館に保管されています。
特にメスの姿は特徴的で、頭部から触手のように伸びている誘引突起(イリシウム)があります。
誘引突起の先端には膨隆した擬餌状体(エスカ)があり、これを発光させることで獲物を引き寄せたり、目くらましを刺せる役割があるといわれています。
尖ったガラスの破片のような歯は透明で、その大きな口は自分の体と同じ大きさの獲物を吸い上げて飲み込むことができます。
メスは成長すると全長60cmにも達しますが、オスは2.5〜4cmしか成長せず、メスの体に寄生して繁殖を助けることだけが存在意義です。
オスは口を使ってメスに固着し合体します。この固着によりオスはメスから栄養を得て繁殖のための精子を提供するのですが、やがてメスと一体化し、精巣以外は何も残らない姿になるのです。
この奇妙で神秘的な魚は、カリフォルニアの海洋保護区の水面下に潜む海洋生物の不思議な多様性を証明しています。
科学者たちはこれらの深海生物についてさらに学び続けていますが、素晴らしく神秘的な海からはまだたくさんのことを学ぶことができるのです。これは重要なことです。
無傷の稀な死骸は標本として貴重な存在に
今回ビーチに漂着したチョウチンアンコウの死骸は、その後カリフォルニア州魚類野生生物局に引き取られ調査されたという。チョウチンアンコウはメスとオス同局のシニア環境科学者スーパーバイザーであるミシェル・ホレツコ氏はこのように語った。
この種の標本は世界的に見ても30匹ほどしか採集されていないため、今回の発見はチョウチンアンコウの生態に関する貴重な情報になるでしょう。世界の海には200種以上のアンコウが生息していて、太平洋の水深200〜1000mの深海にいるが、なかには水深約3000mに生息するものもいる。
いわゆる "ミッドナイト・ゾーン "と呼ばれる、太陽光が届かないほど水面から深い場所だ。人間が目にすることはめったにない。
真っ暗な海の奥では餌を得るのは難しく、アンコウの種は口に入るものは何でも食べるよう進化してきたという。
また、アンコウは小魚や甲殻類といった餌を探し出すために動き回るのではなく、エネルギーを節約して餌が来るのを待つ。
標的を見つけるとギリギリまで動かず、目の前にきた獲物を素早く口に吸い込んで食べる。
まだまだ謎がありそうなこの深海魚が、海岸に打ち上げられた理由や経緯は不明だ。
しかし理由が何であれ、完全に無傷のチョウチンアンコウを発見するのは非常に稀なことだという。
野生生物関係者は、この珍しい発見が深海の生物についてより深く知るための貴重な機会になると喜んでいる。
References:Nightmarish deep-sea footballfish washes up on California beach in rare stranding/ written by Scarlet / edited by parumo
あわせて読みたい





コメント
1. 匿名処理班
以外とヨーロッパでも食べられてんだな
2. 匿名処理班
かつてはうぃーと言いながら寿司詰めを持ちながら歩く
よくあるアニメの世界のおっさんは見られたが、今の時代
テンプレみたいな人見たことないや
急にチョウチンアンコウの姿を見て思い出した
3. 匿名処理班
けっこう黒いのね
もっと茶色っぽいのかと思ってた
4. 匿名処理班
>>3
俺はもっと青っぽいとばかり…
5. 匿名処理班
スタッズや革のフリンジ付きの黒ずくめの服を着た、ぽっちゃり中年ロッカーみたいだ
6. 匿名処理班
ここまで極端だと、♂に生まれる意義すら疑われるな…
手塚治虫の「火の鳥・望郷編」には雌雄同体の異星人が出て来たが、最初からあんな感じで生まれるわけにはいかんのか?
7.
8. 匿名処理班
>>6
役割が違えば形状も違うという摂理やな。突き詰めた結果精子の運び手でしかなくなった
哺乳類以外はメス強オス弱が顕著で、哺乳類みたくオス同士争うようになるとオスの角が伸びたり体デカくなる
なので圧倒的にメス強が多い虫界でも、カブトクワガタみたいなのがいるんだなぁ
あいつらが男心くすぐるのはそんな理由もあったりして
9. 匿名処理班
一見、和名で言うチョウチンアンコウ(という種類)のように見えるけど、その種は雄が寄生はしないし標本も100例以上あるはず。
記事で言っているのが通称での意味のチョウチンアンコウ(の一種)であるなら学名が知りたいところだが…
10. 匿名処理班
アメリカ人「うわっなんてグロいんだ」
日本人俺「美味そう」
11. 匿名処理班
深い海からようこそ!
12. 匿名処理班
>>1
食べられてるアンコウとチョウチンアンコウは属が違うから明らかに別種。チョウチンアンコウも食べられなくはないけど、あんまり美味しくないそうだ。
13. 匿名処理班
>>6
そこは「11人いる!」のヒロインの彼女みたいなタイプの種族で頼むわ・・・
14. 匿名処理班
鍋の季節だなあアン肝美味しいのかな
ちなみにこのアンコウはポニョのお母さんのネタ元だ
触手である足元が巧妙に隠されてるがあの女神の部分が光る部分で本体のアンコウ部分は触手の下にある
15. 匿名処理班
>>10
不味そうにしか見えない
水っぽくてブヨブヨだろうし身も臭そう
歩留も悪くて食うとこそんな無いんじゃないかな